ファーストしか認めないとか言う前にまずやってみろ:「機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.」レビュー(1/3 ページ)
本放送時にガンダムを見ていたものの、初代以外はほとんど知らないのだが、そんなプレーヤーでも格闘アクションとして楽しむことはできるのだろうか? ふとした疑問から、今回はこのタイトルを取り上げてみた。
ガンダムには、格闘ゲームがよく似合う
「機動戦士ガンダム」シリーズといえば、1979(昭和54)年に本放送が開始されて以来、現在まで長く続いているアニメ番組だ。「サザエさん」や「ドラえもん」、「ちびまる子ちゃん」のようなお茶の間人気ではなく、根強いファンを持っていることでも有名だろう。さらには関連グッズも数多く発売されており、ゲーム・アニメ界にいる人間ならば、知らない人はいないと言えるほどメジャーな作品となっている。
しかしシリーズものとはいえ、その中身を見ていくと細かに区切れていることが分かる。このあたりを語り出すと、本が1冊書けてしまうぐらいの量になるため、本稿ではこれ以上追求することはしない。
それにしても、ゲームが発売されるたびに、ガンダムほど格闘ゲームが似合う作品もないのでは? と思ってしまう。ガンダムが登場するシミュレーションRPGもあるが、ユニットとしてチマチマ移動させているよりも、大胆に操りつつ敵を倒すという、パイロットと同化できるスタイルが一番しっくり来ると思うのは、意外に数多くの人が思っているはず。プレイできるかどうかは別として……
そんなガンダムシリーズの最新作品として放映されていたのが、この秋に終了した「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」だ。話の内容に関しては色々と見識の分かれるところらしく、特に最終回については、友人からも苦言を聞いたほど(笑)話題性の高いアニメだった。本作品「機動戦士ガンダムSEED 連合vs.Z.A.F.T.」は、テレビアニメ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」の前に放映されていた番組「機動戦士ガンダムSEED」を題材にした、格闘アクションだ。
すでに、同盟タイトルの作品がアーケードで稼働しているが、そのプレイステーション 2移植版となる。原作付きのゲームでは、元になる作品を知らないとまったく遊べなかったり、プレイしていても意味不明な部分が多々出てくる場合もあるが、少なくとも本作ではそのようなことはないので、格ゲー好きなプレーヤーであれば、安心して遊べることを最初に述べておこう。
仕事であることを忘れて熱中してしまうほど、久々にハマる格闘アクションゲーム。のめり込みすぎると、つい「うざいんだよ!」など、キャラと同じセリフを吐きつつプレイしてしまう。周りに家族がいる人などは、注意してプレイしたい
細部に至るまで、ほぼアーケード版と同じ出来
バンダイの公式サイトにもあるように、本作はアーケード版をPS2へと移植したタイトルだ。基本的なルールの変更はなく、2on2で戦いを繰り広げ、敵戦力ゲージを0にすれば勝利となる。ゲージを減らすには敵を倒せばいいわけだが、機体にはそれぞれコストと呼ばれる単位が付いていて、これが大きいほど強くなるだけでなく、倒されたときの戦力ゲージの減り方も大きい。強い機体を選んでプレイするなら、自機の耐久力を大事にして戦う必要があり、その反対ならば物量作戦で行くことも不可能ではない、となる。
もちろん、相手の戦力ゲージを早く減らしたいときは、強い機体を狙って倒せばいい。これがあることにより、どの敵を優先して倒そうか、という楽しみ方が生まれるのだ。実際にプレイしていても「強い敵を倒せば倒せるけれど、周りにいるコストの低く弱い敵を倒した方が楽なので、どちらを倒すか」と、しばしば悩まされた。ただ戦うだけではないおもしろさも、一緒に含まれていると言えるだろう。
とはいえ、アーケード版そのままというわけではなく、移植に際していくつか変更されてる部分がある。一番大きいのは、アーケードではタイムリリースとして登場していたキャラが、最初から選べるようになっている点だろう。本作は、最初に機体を選んだ後、パイロットの選択へと移る。その際、稼働したばかりのアーケードでは「原作アニメにて、その機体に搭乗したことのあるキャラ」だけが選べたが、PS2版ではその制限が解かれ、自由に選択が可能になっている。ゲームは各キャラごとに異なった展開を見せるのだが、それを最初から楽しめる仕様になっていることは、非常に喜ばしいことといえよう。
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