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暴力と犯罪がはびこる暗黒街は変装パラダイス「ビートダウン」レビュー(2/5 ページ)

たとえ主人公の刺々しいルックスが相容れられなくとも大丈夫。服装から顔つきまで、容姿は何もかも思いのままに変えられる。バイオレンスとダーティーな世界観ばかりが取り沙汰される「ビートダウン」だが、実は変身願望をとことん満たすゲームだった?

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これが“クール”と思えないのは世代格差?

 プレーヤーキャラも悪事に手を染めていた者の1人であり、レイヴンなどは見るからに悪人面で、まなじりの深い傷が痛々しいやら怖いやら、どうにも感情移入できないままにプレイしている自分に気づく。このあたりは遊ぶ人によって受け止め方も変わるのだろうが、いまどきの若い世代ならこれを“クール”と感じるのかなあと思うと、30代のわたしはある種のジェネレーションギャップを感じて少し寂しい……。

 だが、難易度や操作性は、意外にも“オヤジ向き”。普段なら「NEW GAME」を始めるよりも、まず先に「OPTION」でEASYモードに切り替えているところだが(それでも四苦八苦すること多し)、「ビートダウン」に関しては私でもNORMALでエンディングにたどり着けるくらいだから、昨今の格闘アクションの中ではやさしい方なのだろう。

 このゲームには、対戦格闘ゲームのように1対1で戦う「VSバトル」と、多人数を相手にする「乱闘バトル」という2タイプの戦闘シーンが盛り込まれていて、これがプレイに変化を添えている。自分からけしかけることで戦闘に発展する場合がほとんどなので、誰彼構わずケンカを売るという好戦的な遊び方もあれば、無用な戦闘を極力避けて通る遊び方もできる。こうした幅のあるプレイスタイルを可能にしている点がおもしろい。

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街にいる人々に話しかけ、「殴る」を選ぶと戦闘開始。相手によっては、話しかけただけでも戦闘になる場合がある
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複数を相手に戦う「乱闘バトル」。仲間を連れている場合は、彼らも一緒に戦ってくれる
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相手によっては1対1の「VSバトル」になり、この場合は仲間も手出しをしない。この戦闘で、相手のPRIDEゲージ(炎で示されているゲージ)をゼロにすることで「ネゴシエーション」に移行し、対戦相手を自分の仲間にしたり、金銭を奪うことができる

 また、バトルを経て経験値を得ることができ、キャラクターがレベルアップするという成長要素もある。レベルアップで得られるアビリティポイントを「スタミナ」「アタック」「テクニック」の各パラメーターに割り振って、プレーヤーキャラを自分好みに成長させることができる。戦闘を数回行えばすぐにレベルが1つ上がるので、さほど苦にならないのがいい。

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レベルが1つ上がるごとにアビリティポイントを3つ獲得できるので、これを任意のパラメーターに割り当ててキャラクターを強化することができる

 格闘なので当然負けることもあるわけだが、「VSバトル」で負けた際の展開がまた一風変わっている。例えば、主人公のLIFEゲージがなくなって負けた場合でも、仲間を連れているときは、主人公に代わってその仲間を操作してバトルを続行することができる。また、LIFEゲージとPRIDEゲージの両方がゼロになった場合、「命乞い」をすることで生き延びられるが、そのことがトラウマになってしまうことがある。現実社会でもういっぱいいっぱいなので、ゲームといえどもこれ以上のトラウマは抱えたくない……。

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「VSバトル」で敗北を喫した場合、「命乞いしますか?」で「はい」を選ぶとプレイを続行できるが……
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負けたことでトラウマを抱えてしまうことも。ムンクの叫びのようなマークが頭上に表示されるのがちょっと可笑しい。なお、診療所などで体調の回復を行うか、同じ相手にリベンジを果たせば、トラウマは解消される

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