難しいことを考えてはいけない――オンとオフの正しい使い方:「.hack//fragment」レビュー(1/3 ページ)
オンラインゲームというと、課金が心配で遊べないという人もいることだろう。そんな人でも安心してプレイ可能なのが、今回レビューを行う「.hack//fragment」だ。.hackの世界観を知らない人でも楽しく遊べるのか? オンラインゲームをプレイしたことが無い人にとって、ハードルは高くないのか? 気になります。
初心者向けのオンラインゲームは……どれ?
プレイステーション 2(以下、PS2)で遊べるオンラインゲームは数多くあれど、設備投資費(本体の他にPlayStation BB Unitやネットワークアダプター)や通信費を除いての費用が0円で遊べるタイトルは、探してみると驚くほど少ないのが分かる。オンラインゲームは、接続料金を取ることでサーバの管理・維持費を捻出しているわけだから、タダで遊べないのは必ずしもおかしなことではない。しかし、最近のPC向けオンラインゲームには、基本的なプレイはタダだが、新しいアイテムを入手するのには料金がかかる、という料金体系を採っているタイトルもある。俗に言う、アイテム課金というパターンだ。こうすることでベースのプレーヤーを増やし、アイテムをたくさんの人に買ってもらい、サーバ管理・維持費を捻出する仕組み。
とはいえ、オンラインゲーマーの数が少ないPS2では、まだまだこの考え方が通用するとは思えない。そのため、やはりオンラインゲームは有料でしか遊べないのだろう……と思っていた。また、オンラインゲームでは、コンピュータではなく人間相手にゲームをプレイするもの。操作に慣れていなかったりするだけで、相手に迷惑がかかるのでは……と考えると、そう簡単にプレイしてみようとも思えなくなる。結局、そのままオンラインゲームをプレイせずにゲームを引退してしまう人もいるはずだ。
オフラインも充実し、タダでオンラインも遊べる「.hack//fragment」
そんなことを考えていた矢先に登場したのが、バンダイが発売した「.hack//fragment」だ。このタイトルは、.hackシリーズの流れを組むタイトルと言うことで、ファンが心待ちにしていたのは知っていた。しかし注目すべきはもう一点、オフラインモードがみっちり遊べるのはもちろん、無料でオンラインモードがプレイできると言うところだろう。パッケージには、“オンラインサービス期間は1年”と明記されているが、逆に言うならばソフトを買ってしまえば、1年間はタダでオンラインモードを遊べると言うこと。普通にソフトを1本買うだけで、オフラインに加えてオンラインでも遊べてしまう、そんなお得なタイトルなのだと理解できる。
今までオンラインゲームをプレイしたことが無いという人でも、本作ならばオフラインモードをみっちり堪能できるうえに、慣れてきた頃にオンラインモードも遊べてしまうという、1本で2度美味しいソフトというだけでなく、これまで課金が怖くてオンラインゲームに手が出せなかった、と言う人にも勧められる1本と言えるだろう。若干、結論を急ぎすぎてしまったが、ゲームの詳しい説明や感想を交えつつ、オフラインとオンライン両モードを見ていこう。
親切なチュートリアルが付いているので、オフラインで勉強しオンラインにデビューするのも怖くない
いくらオンラインモードがあるとはいえ、いきなり大勢のいるところへ飛び出していくのは度胸がいる。ということで、まずはオフラインモードからのプレイをオススメしたい。こちらは、まさにオンラインモードをローカルに移動したという感じの作りになっていて、プレイしている感覚はオンラインモードと何ら変わりはない。ここでは、友達の作り方やパーティの組み方など、基本的なことをすべてチュートリアル形式で教えてくれる。そのシミュレーションもかなり現実に近いので、ここでひと通りのことをマスターしておけば、オンラインモードへ移行しても戸惑うことはないだろう。
プレーヤーが最初にするべき事は、キャラクターメイキング。職業や体型、カラーなどを選んでボーナスポイントを振り分ければ、プレイヤーキャラ(PC)の完成となる。キャラは3体まで作れるので、バラバラの職業のPCを用意しておけば、どんなパーティにも入れるだろう。なお、本作の先行リリース版をプレイしていた人に朗報がある。当初は、キャラの移行はできないと言われていたらしいが、先行リリース版から製品版へと、無事にキャラを移行できた。移行できないなら先行リリース版で遊ぼう……と思っていた人も、これで安心して製品版に乗り換えることができる。
ちなみに、私たちがパソコンの前に座ってオンラインゲームを遊んでいるように、.hackの世界でもユーザーがパソコンの前に座り、オンラインゲームの舞台である“ザ・ワールド”にアクセスしているという設定になっている。そのため、ゲーム中には“ハッキング”や“バグ”などという単語が登場する。もちろん、実際にパソコンがハッキングされたりソフトがバグっているわけではないので、気にする必要はない。あくまでも演出上の楽しみ方ということで、深くは考えずに。
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