難しいことを考えてはいけない――オンとオフの正しい使い方:「.hack//fragment」レビュー(3/3 ページ)
オンラインゲームというと、課金が心配で遊べないという人もいることだろう。そんな人でも安心してプレイ可能なのが、今回レビューを行う「.hack//fragment」だ。.hackの世界観を知らない人でも楽しく遊べるのか? オンラインゲームをプレイしたことが無い人にとって、ハードルは高くないのか? 気になります。
エリアサーバを公開して、他のPCの視点から眺められるのも新鮮
本作の珍しい部分といえば、プレーヤーが自らエリアサーバを開設できることだろう。エリアサーバとは冒険の舞台となる場所の1つで、ゲーム中にプレーヤーが敵と戦ったりダンジョンに潜ったりするところ。これを、プレーヤー自らが創り、他のプレーヤーに提供することができるようになっているのだ。これは非常に画期的なことで、ソフト提供側がわずかなエリアサーバしか用意していなくても、本作を購入したプレーヤーが創ったエリアサーバをリンクすることで、可能性としてはソフトの発売本数分だけのエリアサーバが生み出されることになるのだ。
そのためには、Windows2000SP4以降のOSを搭載したパソコンが必要になるのだが、これもMacOSXやlinuxをサポートしてほしかった。穴だらけのOSを使って公開というのは、不安に思う人もいるはず。また、サーバという性質上、一度稼働させたら原則、電源を落としてはいけないというのも悩みどころ。今時のスペックの高いパソコンは消費電力も大きいので、付けっぱなしにしておくのは電気代が気になる人もいるだろう。エリアサーバ公開のために要求されるスペックはそれほど高くないので、ギリギリのマシンを1台組み立てて、そこで公開するのが賢い方法だろう。
いずれにせよ、ユーザーが遊ぶだけではなくプレイの場所も提供できるというのは、賞賛に値するといえる。
システム周りに若干ながら不満な部分があるものの、課金無料という試みは諸手を挙げて歓迎すべき
ネットワークゲームということで、オンラインモードには掲示板機能がついているのだが、これが思った以上に見づらいのは残念だ。1日たつとかなりの数が書き込まれるので、見るだけでも苦労してしまう。もう少し、利便性を考えたインタフェースを採用して欲しかったところ。
もう1つ。せっかくオンラインに対応しているのだから、HDDへインストールするオプションがあれば良かった。オンラインプレイを楽しむ人の半分ぐらいはHDDを接続していると思うので、バージョンアップのためではなく、快適なプレイのためにオプションとして付けてほしかったところ。掲示板を見ていると、「FFXI」や「信長の野望Online」のプレーヤーも多いようなので、選択肢としてはあっても良かったと思うのだが……。とはいえ、これらはあくまでもオマケ的要素であって、ゲームの本質をつまらなくするようなものではないので、気にしすぎなければいいだけの話。
オフラインモードだけでみっちり遊び込むのもいいし、タダでオンラインモードまで遊べるのだから、この機会にオンラインの世界に飛び込むのもいいかもしれない。ネットワークへ接続するための初期投資がいくらかはかかるが、これ幸いとばかりにPS2本体を最新型に買い換えてしまえば、本体も新しくできるので一石二鳥。
昨今、ネットワークがつながっている家庭も珍しくないであろうから、本体さえ調達できればすぐにオンラインの世界を体験できる。そして、これをきっかけに様々なオンラインゲームに手を出してみるのもいいだろう。ただし、“廃人”にだけはならないよう注意してほしい。オンラインゲームは貴重な自由時間を易々と奪っていく、一番のボス敵なのだから(笑)。
.hack//fragment | |
対応機種 | プレイステーション 2 |
メーカー | バンダイ |
ジャンル | オンライン/オフラインRPG |
発売日 | 2005年11月23日 |
価格 | 7140円(税込) |
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