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ライトなゲーマーをNDS購入に踏み切らせる、ある意味キラータイトルか?「だれでもアソビ大全」レビュー(4/4 ページ)

ニンテンドーDS用ソフト「だれでもアソビ大全」は、任天堂が11月3日に発売したテーブルゲーム集。タッチペンを駆使した直感的な操作方法で遊べるタイトルは、実に40種類以上。懐かしさと新しさを兼ね備えたテーブルゲームの数々は、ゲーム離れした人々の感覚にも訴えかける力を持っているようだ。

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NDSで遊ぶということの本質に迫るダークホース

 このゲームに関しては「とにかくやってみて」としか言いようがない部分がある。例えば「ばばぬき」のルールを延々聞いたって「だから何だ」ということになるだろう。実際にやってみて初めて面白さが伝わる。ゲームが単純であればあるほどその傾向が強いのではないだろうか。そんなプリミティブな魅力を持った懐かしいゲームを気軽に楽しむことができるのが本作だ。

 そんな楽しいタイトルではあるが、筆者が改善してほしいと思った点もいくつかある。まずコンピュータとして登場するロボが味気ない。これくらい淡白でも確かにOKといえばOKだが、もう少しアソビの要素があってもよかったのではないだろうか。ロボ1、ロボ2という数字でもなくて、せめて名前だけでもあればよかったのに、とは思った。次回作があるならぜひ検討してほしい要素だ。

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淡白なロボたち。願わくば何かあるたびにリアクションもしていただけると……というのはわがままでしょうか

 さらには、1人用モードにもう1つくらい違ったアプローチのやり込みモードがあればよかった、と言えばぜいたくだろうか。スタンプラリーもチャレンジも面白いが、やり込まれてしまえばいずれ遊ばれなくなってしまうモードだ。永くチャレンジできる工夫がもう少し欲しかった気がする。

 あとはプレイ中のセーブができない点も不満といえば不満。ナポレオンなど5回戦まであって、長丁場なゲームだと途中でやめざるを得ない状況もあり得る。スリープで対処はできるが、途中までのプレイをセーブできれば、携帯ゲーム機のタイトルとしてよりポイントが高かったように思う。

 以上のような不満点もあるにはあるが、それを補って余りありまくる地味なのに強烈なインパクトを本作は内包している。NDSというゲーム機の軽快さがベストな形で出ているタイトルだと言ってもよいだろう。そして本作の持つライトゲーマーへの訴求力の強さが確実に広がっていけば、NDS本体の売り上げにも影響を及ぼすのではないかと筆者は真剣に考えている。

 事実、発売数日後の量販店では本作は一時的な品切れを起こしていた。こんなに地味なタイトルが、と言ってしまえば失礼かもしれないが、品切れを起こしたということは、本作を買った人が相当数いたわけで、そこからさらに、一緒に遊んだ人に魅力が伝わって……という流れを想像すると、ひょっとしたら地味ぃなキラータイトルとして地味ぃに売れていくのでないかという展開を夢想してしまう。

 そして筆者が今夢想するのは、ニンテンドーWiFiコネクションを利用して、日本中のみんなとオセロやばばぬきができる次回作のことだ。あくまでも筆者の夢想でしかないが、もしかしたら実現するかもしれない。可能性は0ではないだろう。期待して待つことにしよう。

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