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3万円でゲームが快適に遊べるPCは組めるのか? 貧乏買い大作戦(1/5 ページ)

ネットゲームが百花繚乱の時代を迎えているが、意外にも動作環境が厳しいものが多い。そんな折、突如予算3万円でPCを組み立てて欲しいとの依頼が入った。かなり無理があると思いつつも引き受けてしまったので、その顛末をお届けしよう。果たして、3万円でPCは組み立てられるのか? 作ったPCで、無料(一部有料)のネットゲームは快適にプレイできるのか?

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果たして、3万円でPCは作れるのか?

 その依頼が入ったのは、季節もそろそろ寒くなってきた頃。友人から「PCを1台組んでほしい」という電話がかかってきたのだ。話を聞くと、どうやら妹のPCが古くなったので、それを友達にプレゼントして新しいのと交換するとのこと。そこで、秋葉原に出向いてPCケースなどを見ながら、マシンスペックの打ち合わせをするということになり、都合のいい時間を決めて会うことにした。

 その後、JR秋葉原駅の改札で友人と出会い、一緒に連れてきた依頼人である妹さんに希望を聞いてみると、現在使用しているのはかなり古いらしく、それより速ければ何でもいいとのこと。なんだ、それなら全然問題ないじゃんと思っていた矢先に、衝撃的な発言が飛び出す。「OSは姉さんが買ってくれたけれど、私が捻出できたPC本体用の予算は3万円しかないので、できればこの3枚のお札でPCを組んで欲しいのですが……」と。え? 3万円? マジ? その発言を聞いて、思わず「ムリ!」という単語が出そうになるのをグッと我慢し、頭をフル回転させて皮算用をしてみる。

 PCを組み立てるのに、最低限必要なパーツは「CPU」「メモリ」「HDD」「マザーボード」「光学ドライブ」「ケース」の6つ(グラフィックスカードもあるが、そうすると予算が足りなくなりそうなので、マザーボードにグラフィック機能を内蔵しているオンボードを選択)。ということは、3万円を6で割って、1パーツにつき5000円の予算。メモリや光学ドライブはともかく、5000円のCPUなんてあるんだろうか? なぜか、手のひらにじっとりと汗がにじみ、口の中がカラカラに乾いてくる。これは、ひょっとして焦りか? いやいや、これまでに数十台ものPCを作ってきた身として、ここで「ムリ」とは言えない……などとさまざまな葛藤と戦い、最終的には平静を装い「それだけの予算があれば、何とでもなるでしょ」などと、口から出任せを言ってしまった。こうして、格安パーツを求めてPCを組む「貧乏買いPC大作戦(※1)」が始まるのだが……。

※1:以前「大人買いPC」という記事があったので、それに習って名前を決めてみた。それにしても、向こうは60万円のPCだというのに、こちらはその20分の1とは。とほほ。

ケースは中身よりも外見が優先?

 まずは、使う人にとって一番気になる外見、ケースから見ていくことにした。ヘビーユーザーであれば、注目すべき点はベイの数と本体の材質や大きさだろう。しかし、この時に優先されたのは、あくまでも見た目。このあたり、誰のために買うかによって、基準とすべき場所が異なってくる。

 今回は先に予算ありきで進められているので、あらかじめ「なるべく5000円ぐらいで」と伝えた。だが、当たり前ながら実際に見て回ると、その値段で売られているケースはほとんどないことに気づく。電源を別にするならば3000円ぐらいのケースもあるのだが、追加で電源を買わなければならなくなるために、結局は高くついてしまうことが多い。

 さんざん歩いたあげく、電源別で2980円だが350ワット電源と同時購入で5229円という、見た目も問題ないケースを発見。購入対象としてチェックする。だが、もうしばらく探索してみると、350ワットの電源付きで税込み5480円というブツを依頼人が発見。値段的に考えれば、明らかに前者を選ぶべきだと思うのだが、依頼人の強い希望もあったため、ケースは急遽決定とあいなった。

 最初から5000円を軽くオーバーとは、先が思いやられる。しかも、後で気づいたのだが、このケースはMicroATX用のもの。つまり、当然だが通常のATXマザーは入らないのだ。小さいものより大きい方が自作しやすいので、なるべくならMicroATXは避けたかったが仕方がない。ここはあきらめよう。


これが5480円で購入したケース。安いわりには正面にUSBポートも付いているなど、なかなかお買い得だった。アルミ製で軽く、持ち帰るのにも困らなかった

 とはいえ、電源もマシン構成によって、どのクラスのものを搭載するかが変わってくる。一般的には、HDDや光学ドライブをたくさん装備し、さらに高性能のグラフィックスカードを差そうと考えているのであれば、それなりのメーカーの大容量電源を購入するのがいい。特に、PCIExpress対応のNVIDIAまたはATI Technologies製グラフィックスカードの、上位モデルを使おうと思っているのであれば、最低450ワットクラスの電源を用意しよう。値段は1万円前後になるが、後でトラブルが起きたときのことを考えれば、安いものだろう。今回は安物と言うことで350ワットの電源だったが、搭載するハードを考えればこれで十分のハズ(あくまでも推測……)。

最新型でも5千円台から買える光学ドライブ

 今や、メインはハイパーマルチとなった光学ドライブ。そのため、どれもこれもなかなかいい値段がする。と思ったら、すぐ隣に懐かしのDVDコンボドライブを発見。さらに、CD-ROMドライブも見つける。一番値段が安いのは、もちろんCD-ROMドライブ。そこで、それをゲットしようと思い手に取ると、さりげなく隣からツッコミが。「これからの時代、やっぱりDVDぐらいは焼きたいなー」。

 ええっ? ということはつまり、最低でもDVDマルチドライブが欲しいってことですか? DVDビデオを見るのはわかるけれど、DVDにデータを焼くなんてことをするんだろうか……と心の中で思いつつ、そこは依頼人のお願い。引きつった笑顔で希望に答えることにする。あれこれ見回してみると、LG電子のDVDハイパーマルチドライブ・GWA-4164Bがソフト付きで4704円というお買い得価格で売っているのを見つけた。いやはや、DVDハイパーマルチドライブも安くなったものだ。DVD-RAMは読めないと書いてある文章をさりげなく無視して「これならDVDもCDも焼けるよ」と伝え、メモ帳に値段を記入してお店を後にした。今回は5000円以内で収まったので、この調子でそのほかのパーツも安くあげて、予算を圧縮しないと。


コストパフォーマンス抜群のドライブ。この値段でDVD-RAM以外はいけるというのだから、間違いなく貧乏買いPCのためにあるようなもの

メモリとHDDは安いので、予算があればなるべく大容量のものを

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