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380(種類以上)×1000(回遊べるRPG)の面白さ。もぐって集めて遊び尽くせ「ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊・赤の救助隊」レビュー:(3/5 ページ)

もはや説明の必要もないほどの人気タイトル「ポケットモンスター」シリーズと、根強い人気で常に続編が待たれる「不思議のダンジョン」シリーズが夢のコラボレーションを実現した。その名も「ポケモン不思議のダンジョン」。青と赤の同時発売でニンテンドーDSとゲームボーイアドバンスで遊べる本作について熱くお伝えしよう。

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ポケモンの皆様、ようこそ不思議のダンジョンへ

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 本作はポケモンのキャラと世界を扱ってはいるが、ゲーム内容は完全に「不思議のダンジョン」だ。「トルネコの大冒険〜不思議のダンジョン〜」を皮切りに「風来のシレン」など数々の作品を産み出した「不思議のダンジョン」シリーズ。当初のキャッチコピーは「1000回遊べるRPG」だった。毎回自動生成されるダンジョンを潜り、途中で死んだらアイテム没収、無事クリアしても次回もぐるときはレベル1からスタート。敵と自分が交互に動くターン制を採っているため、ピンチの際はよくよく思考したうえでの起死回生の一手を繰り出すこともできる。鍛えに鍛えた強い武器や防具を持ち込むことで戦闘は楽になるが、同時に失敗したらどうぐを失ってしまうというプレッシャーがあり、一歩一歩ドキドキしたものだ。主人公のレベルは戻ってもプレーヤーのゲームスキルは確実にあがっていくので生き残る可能性も高くなっていくという独特のシステムは、今でも熱狂的なファンを持つチュンソフトの十八番芸(おはこげい)だ。

 本作はそのシステムをほぼ継承している。しかし「もぐるときはレベル1からスタート」という点は今回採用されなかった。これは賛否両論別れそうだ。生粋のシレンファンなどからすれば「甘ーい!」と突っ込みが入るかもしれない。確かに甘い。筆者もそう思う。事実ある程度レベルがあがってから過去に潜ったダンジョンに入ると「不思議のダンジョン」特有のヒリヒリした緊張感など皆無で、ちょちょいのちょいとクリアできたりしてしまう。しかしそういった油断や慢心が突然やられてしまうことに結びつくことがある。特にクリア直前やクリア後のダンジョンはトリッキーな攻撃をしてくるポケモンが登場する。余裕を持って叩いてたのに自爆されて大ピンチ、ということも割とある。

 というわけで、後半に行けば行くほどレベルに見合った歯応えのあるダンジョンが出てくる方式なので、常にそのとき一番難しいダンジョンに入っていけば、ある程度のヒリヒリは味わえるだろう。それでもやはり筆者の感覚でいえば「難易度が低い」と思ってしまった。逆に言えば、割とオラオラ進んでドカドカ倒せるので「達成感」というよりは「爽快感」重視だともいえるだろう。なぎ倒して突き進む感覚をよしとできればシレンファンでもハマれるはずだ。「不思議のダンジョン」初体験の若いポケモンファンなども想定してのことだとは思うので、クリア後のディープな要素に期待しよう。

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敵に囲まれてしまっても焦らず解決策を探してみるのが肝心だ

ダンジョンの特徴、ポケモンの特徴

 モンスターハウス、ダンジョン内のお店(もちろん盗みを働いたらひどい目に遭う可能性大!)など「不思議のダンジョン」独特の要素は健在な本作。今までのシリーズと大きく異なるのは「てんき」という概念だ。ストーリーがかなり進んでから出てくる要素で、フロアによってや、ポケモンのわざなどで天候が決定されるというもの。

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 例えば「はれ」の場合は特に表示されないが、「ひざしがつよい」と表示された場合はほのおタイプのわざのダメージが1.5倍になり、みずタイプのわざのダメージが0.5倍になる。その他に「あめ」「くもり」「きり」など計8種類の「てんき」があり、プレイに影響を与える。筆者が一番厄介だと感じたのは「あられ」だ。こおりタイプ以外のポケモンが10ターン歩くごとに5ダメージをくらうというもの。これは正直たまらない。どくをくらっているのと同じような感覚でビキビキとダメージをくらってしまう。あられが出た場合には割り切ってさっさと次のフロアに行くというのも手だ。

 また、主にみずタイプのポケモンが通ることができる水路の地形や、主にほのおタイプが通ることができるマグマの地形など、本作独特の地形も用意されている。ストーリー後半では特にこれらの地形がよく出てくるので、ルートをよく考えながら進む必要がある。ピンチだと思っても水路を使って逃げることができるし、意外な最短ルートがあったりもする。大いに活用して有利に進んでいこう。

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水路を進むゼニガメ。あたかも隠密活動のようだ

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 ポケモンはそれぞれ本編「ポケットモンスター」と同様にわざを持っている。元々持っているわざ以外に、レベルアップで覚えるわざやわざマシンで覚えるわざなどもあり、その種類は本編に負けず劣らず多彩。もちろんわざの相関関係は本編に則ったものになっている。ほのおにはみず、くさにはほのお、などのポケモンファンの頭に叩き込まれている情報は本作で充分役に立つものだ。

 さらに本作独特の面白い要素として、わざの連結というものがある。例えば「なきごえ」は単体では相手の「こうげき」を下げるだけだが、「たいあたり」と連結すると、攻撃してさらに相手の攻撃力をさげる、という一打を繰り出すことができるのだ。このコンボともいうべき連結をうまくこなせば、強力なわざを放つことができるだろう。いろんな組み合わせを試してみると楽しさが広がるはずだ。

 この連結は主人公たちが拠点とするポケモン広場のゴクリンの連結店、もしくはダンジョン内で「れんけつばこ」を利用することで可能だ。加えてゴクリンの連結店では、レベルアップで覚えたのにやむを得ず忘れさせてしまったわざを思い出すこともできる。プレイしていて「あ、あれ忘れさせちゃったけど、今これを覚えたから連結させたい!」と思う局面も出てくるはずだ。プレーヤー思いの優しい機能である。

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ゴクリンに頼んで連結してもらった2つのわざ。こいつで敵をなぎ倒せ
(C)2005 Pokémon. (C)1995-2005 Nintendo/Creatures Inc./GAME FREAK inc. (C)1993-2005 CHUNSOFT.
Illus. Ken Sugimori
ポケモン・Pokémonは任天堂・クリーチャーズ・ゲームフリークの登録商標です。
「不思議のダンジョン」はチュンソフトの登録商標です。

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