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2周目感覚でどうぞ――「オフライン専門」にやさしくなった完全版「モンスターハンター ポータブル」レビュー(3/3 ページ)

かれこれ1000時間以上どっぷりとハマった「モンスターハンター」シリーズが、今度はPSPに登場した。PS2からプラットホームを移したことで、何が新しくなり、何が変わったのか。手のひらサイズに生まれ変わったモンスターハンターの世界を、順を追ってレポートしていこう。

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携帯機向けに再調整された、納得のゲームバランス

 そのほかの追加要素としては、「新装備、新素材の追加」「新飛竜・イャンガルルガ」の追加などが挙げられる。

 新装備では、これまで作れなかった雷属性ランスや水属性ハンマー、バサルモス系の防具などが加わり、これまで“なんでないの?”と思っていたアイテムリストの虫食いがようやく埋まった印象だ。既存の武器のなかにも、さらにもうひとつ上の強化が追加されているものがあったりして、装備集めがますます楽しくなっている。

 一方、新飛竜のイャンガルルガはというと、今のところは一部のクエストでちらっとその姿を拝めるのみ(しかも1回だけ!)。現時点では倒すこともできないらしく、あくまで“顔見せ”といった感じである。おそらく今後、「モンハン2(ドス)」との連係で戦えるようになるのだろう。

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新飛竜のイャンガルルガ。倒さなくてもクリアできるクエストに出現するが、制限時間が20分と厳しい。顔見せ程度と考えたほうが良いだろう

 ちなみに、公式でもさんざんプッシュされているモンハン2(ドス)との連係要素だが、今のところ具体的な告知はない。現時点での情報から判断すると“イャンガルルガと戦える”、“行商ばあさんを通じて、アイテムの行き来がある”などは確定だと思うのだが……。このあたりはモンハン2(ドス)とモンハン ポータブルがそろって、はじめて明らかにされるのだろう。

 モンハン、モンハンGからの変更点としては――
・飛竜の体力が若干低くなっている
・片手剣の攻撃力、攻撃範囲がアップ
・非戦闘時のみ、ダッシュ時のスタミナ消費が大幅減(戦闘時は従来どおり)
・従来のオフラインクエストに、「素材採取ツアー」など新しいものが追加
・装備変更時に、お気に入りの組み合わせを「マイセット」として保存しておけるようになった

 ――といったものが挙がる。ほかにもあちこち細かな調整は入っているが、挙げていくとキリがないので、主なものだけでご容赦いただきたい。

 基本的には“携帯機で気軽なハンティング”を前提に、“プレーヤーにやさしい”変更が行われているのが分かるだろう。といって、安易に難易度を下げて狩りの緊張感を削いだりするものではなく、これまでの理不尽な点、無駄な点の改善が中心となっており、プレーヤーの立場から見ても好感の持てるバージョンアップとなっている。

アドホックで通信プレイにも対応。学生ユーザーには朗報?

 ネットワークモードがなくなったとは言え、マルチプレイ自体がなくなったわけではない。アドホックモードを使ってPSP同士を直接無線でつなげば(つまり互いにPSP+ソフトを持って集まれば)、これまでどおりの最大4人協力プレイが可能となっている。

 友だちとリアルで集まること自体が難しい、社会人ユーザーにとっては少々ツラい変更かもしれないが、“オンライン環境はないけど友だちと集まるのは簡単!”という層――たとえば学生ユーザーあたりから見れば、逆にマルチプレイの敷居はぐっと下がったとも言える。プロバイダとの契約も、ネットワークアダプタも、月額利用料も不要だからだ。これまではネット環境が整わずマルチプレイを見送っていたプレーヤーも、どんどん友だちを誘って遊んでみてほしい。

 人数さえ集めてしまえば、マルチプレイの楽しさは折り紙付きだ。というか、わざわざキーボードまで手を伸ばさずとも“生の声”でそのまま会話できる分、むしろこちらのほうが快適さでは勝る。何より、気の合う友だちと声を掛け合い、互いにワーとかギャーとか騒ぎながら、力を合わせて巨大な飛竜に立ち向かう充実感は、PSP版ならではだろう。

 また、新たに2人プレイ時専用のクエストとして「トレジャーハンターズ」なるものが追加されている。これは2人でフィールドを駆け回ってさまざまなトレジャー(宝)を集め、獲得したトレジャーポイントによって勝敗を争うというもの。特に勝ち負けで報酬が変わったりするわけではないが、シリーズではじめて“プレーヤー間の対戦”を実現したモードだったりもする。殺伐とした狩りの合間に、友だちとハンティングの腕前を競ってみるのも楽しいかもしれない。

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オフラインモードが充実したとは言え、やはりオンラインにはオンラインならではの楽しさがある
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トレジャーハンターズでは、専用のアイテムも出現する

前作ユーザーも遊んで損なし

 ネットワークモードの廃止、操作ボタンの減少など、小さくなった部分も見られる本作だが、総合的な出来映えはまぎれもなくモンハンシリーズの最新バージョンと呼べるものだ。前作のセーブデータを引き継げないのは残念だが、初代や「モンハンG」の経験者、そしてモンハン2(ドス)をプレイする予定があるなら、“2周目”感覚で遊んでみるのも悪くない。

 筆者も“また最初からか……”と、最初こそヘコんだものの、細かなバランス調整やココット農場のおかげで序盤の素材集めも思いのほかスムーズに進み、気付けば見事にまた“モンハン中毒”が再発してしまった。スリープモードのおかげでクエスト中にも気軽に中断できるため、今では空いた時間があるとつい狩りに出てしまう毎日である。

 ただ、ゲームを進めると「4本の角」など1人ではツラいクエストも出てきたりして、やはり友だちの助けが欲しくなってくる。ライバルのニンテンドーDSはすでにオンラインプレイを実現しているわけで、次回はぜひモンハン ポータブルでも、ネットワークモードの復活を願いたいところである。ま、そのへんは次回への要望として置いておくとして。とりあえず誰かマジで「4本の角」を手伝ってください!

モンスターハンター ポータブル
対応機種PSP
メーカーカプコン
ジャンルハンティングアクション
発売日2005年12月予定
価格5040円(税込)
(C)CAPCOM CO.,LTD. 2004,2005 ALL RIGHTS RESERVED.


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