冷やせ、Xbox 360――空冷キット、そして水冷ユニットも登場:2006 International CESで見たおバカグッズ(2/2 ページ)
北米市場での発売以降、ユーザーはXbox 360の冷却について悩んでいるのか、いくつかの周辺機器メーカーがそれを察知。Xbox 360の冷却能力を向上させるグッズをCES 2006で展示していた。
いきなり水冷! 本体を改造し高い冷却能力を実現
こちらはもっと過激なXbox 360用冷却性能向上グッズだ。Xbox 360本体右側面を大きく切り開き、なんと水冷ユニットを取り付けてしまうというもの。これは、PC向けにCPUやグラフィックチップの水冷ユニットを開発・販売しているCoolIT Systemsというメーカーが開発中の「Xbox 360 Chilled」という製品だ。
説明員は、「Xbox 360が発売され、その翌日から熱暴走トラブルの声が多数上がり始めました。そこでこの製品を開発することにしたのです。」と語っていたが、とはいえいきなり水冷に持って行くというのは、なかなか大胆な発想だ。もともとPC向けの水冷キットを発売しているメーカーだから、当然の発想なのかもしれないが。
ブースに展示されていたのは、Xbox 360に取り付けた状態の、プロトタイプと思われるものだ。Xbox 360本体右側面の下半分ほどをくり抜き、そこにラジエータやファン、冷却用のポンプなどがセットされたユニットが取り付けられている。中の構造は見せてもらえなかったが、写真を見る限り、CPUとグラフィックチップ双方に冷却用アダプタが取り付けられており、この1個の冷却ユニットでCPUとグラフィックチップ双方を冷却することになるようだ。ちなみに、冷却ユニット自体は、PC向けとして同社が開発しているものを応用しているそうで、ラジエータ部分はPC用の1/4の規模になっているそうだ。
また、ユニットには8センチファンが取り付けられており、静音性も十分に考慮されているようだ。実際に稼働中だったが、ファンの騒音は非常に静かで、この点はかなり魅力が高い。それでも、出てくる風は非常に熱く、効率よく冷却されていることが分かる。
具体的な冷却能力は、開発途上ということもあるのか教えてもらえなかったが、PC向けの水冷ユニットの開発などでノウハウは十分持っているはずなので、高い冷却能力と静音性を両立できていることはまず間違いないだろう。
ただし、この製品はキットとして発売されるのではなく、ユーザーのXbox 360を引き取りメーカー側で取り付けることになるそうだ。確かに、Xbox 360のケースをくり抜くなどの作業が必要で、ユーザーが行うのは難しいと思われるため、この方法は仕方がないだろう。そして、販売価格は作業料込みで399ドルを予定しているそうだ。
Xbox 360本体が買えてしまうほどの価格で、筆者個人としてはかなり微妙な印象だが、とにかく長時間の安定動作を重視するようなアメリカのヘビーゲーマーであれば、これぐらいのコストもまったく気にならないのかもしれない。ちなみに販売は今年夏頃を予定しているそうだが、日本からの注文は……おそらく難しいだろう。
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