練馬の3人組がアニメ界に新風を巻き起こす!?――TVアニメ「練馬大根ブラザーズ」(1/2 ページ)
1月9日より放映が開始されたTVアニメ「おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ」。“史上初のミュージカルアニメ”と銘打たれたこの作品には、通常のアニメとはまた違った数々のこだわりが隠されているようだ。声優陣のコメントも交え、その実情に迫ってみよう。
お金は天下の回りものなどと言うけれど、実際のところ、回るところと回らないところがあるような気がしてならないなんていうのは、誰もが思っていること。2006年1月9日より放映開始したTVアニメ「おろしたてミュージカル 練馬大根ブラザーズ」では、そんなせちがらい世の中にお金を回しちゃおうじゃないかという、正義のギャングたちが登場する。
元アイドルのイチローは、現在はホストクラブで働いている。なぜかといえば、彼は練馬在住の3人組のギャング「練馬大根ブラザーズ」のひとりで、さまざまな人と会話を交わしながら、たくさんの情報を得ているのだ。そんなイチローの情報を元に、ヒデキとマコも含めた「練馬大根ブラザーズ」は、悪徳企業が不正をして手に入れた資金「黒いお金」の調査をしているのだった。そして彼らは、悪い奴らが貯め込んでいるお金を回収しては、恵まれない人々に還元したりしなかったり……。そんな物語が展開される。
松崎 56歳の私が25歳のヒデキ役を演じるということで、かなり気合が入っています。ヒデキはすごくパワフルな男だけど、私の心情的には寅さんみたいだなというのがありますね。人情の深さがあって、思い込んだらまっすぐ突っ走るという感じで、従妹のマコに思いっきり惚れていたりして。……あと、めちゃくちゃエッチな男です。えー、私の生活もそうですが(笑)。
森久保 イチローは、なぜヒデキやマコと一緒にいるのか分からない謎多き男です。非常に物静かな性格なんですけど、静かながらも冷静に2人にツッコミを入れていく役ですね。じつは練馬区にある江古田のホストで働いていたりもするんです。
松本 マコはアイドル志望ということで19歳なのにちょっと色気がある女の子です。ヒデ兄ちゃんから言い寄られているんですけども、今のところは恋愛対象としてみてないようですね。でも、どこかですごく頼りにしているみたいなので、コンビネーションはバッチリかなと思います。
ジャパニメーションと呼ばれ、世界の最先端を行く日本のアニメ。その中でも初めての試みとなる“ミュージカルアニメ”のシリーズに、ナベシンことワタナベシンイチ監督と、シュールかつ奇抜な発想で支持を集める脚本家・浦沢義雄氏のコンビが挑戦する。人気TVアニメ「はれときどきぶた」を手掛けたこのコンビが、アニメ界に新たなるジャンルを築き上げようというのだ。
そんな2人の意気込みは作業体制にも現れている。各話ごとの分業制が主流になりつつある昨今にありながら、全話の絵コンテをナベシンが、全話のシナリオを浦沢氏が担当するそうだ。彼らの思い描く世界がストレートに表現されるということで、作品への期待がより一層高まる。
そんな本作最大の見どころは、当然ミュージカルの部分である。1話の中になんと10曲以上もの挿入歌が盛り込まれるという本作のミュージカルは、イチローを演じる森久保さんも「毎回、台詞よりも歌の方が多いんじゃないかと思うくらいに、ずっと歌っていますね」と語るほどの大ボリューム。それだけに、製作側も並々ならぬこだわりを持っているようだ。それはたとえば、スタッフクレジットを見ただけでも容易に想像がつくほど。音楽担当、音響監督、2人の音楽プロデューサー、ミュージカル監督に演出チーフ、ミュージカルのテクニック部分を担当するテクニシャンなど、“音”や“ミュージカル”に関するスタッフに最大の人員が費やされている。
さらに、作品の顔とも言うべきオープニング曲「マ・ジ・ヤ・バ」を手掛けるのは、金子隆博氏(作曲)と石井竜也氏(作詩)という、元・米米クラブのお2人。数々のヒット曲を世に送り出し、リスナーの心をつかむ術を熟知した2人が作る曲の出来栄えに疑いの余地はないだろう。そんなオープニング曲の聞きどころを、マコ役の松本さんはこう語っている。「OP曲の収録は1人ずつ別々に行うのかなと思っていたんですけど、3人一緒に歌わせてもらえたんです。2人のように歌が上手な方と歌えたので、自分までうまくなったと感じちゃいましたね。とても気持ちよく歌わせてもらいました!! そんな、気持ちよさげで楽しげな雰囲気を感じ取っていただければと思います」。
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