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インタビュー

ライブ感のあるMMORPGにしていきたい――サービス開始から1年が過ぎた「ストラガーデン」の展開はいかに?(3/3 ページ)

ゲームガーデンが運営するMMORPG「ストラガーデン」。2005年11月にはゲームガーデンによるサービス開始から1周年を迎え、アイテム課金へとシステムが変更されたばかりである。基本プレイ無料化によるストラガーデンの変化、今後のアップデート予定などについて話を聞いてみた。

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こまめな対応でユーザーが求めるものを常に提供できるようにしたい

――近日実装のアップデート内容からは離れますが、昨年の11月でストラガーデンのサービス開始から1年が経過していますね。アップデートのスケジュールは全て予定通りでしたか? 満足できる展開だったかどうか、点数にするとどれぐらいでしょう。

山口 全くもって満足とは言えませんが……50点ぐらいですね。

――割と厳しい点数ですね。

山口 開発としてはやりたいことがたくさんありますが、限られた時間と限られた人数で開発していくにはどうしても制限があります。ただ、その制限の中でどれだけ努力したかといえば、120%の力を出したと思っています。もっと手を加えたいところはたくさんあるんですが。

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――開発体制はどうなってるんですか?

山口 10人超える時もありますし、5人の時もあって、特に決まっているわけではありません。最近はユーザーのプレイスタイル、ゲーム内のトレンドの移り変わりが早くなっているので、従来のスケジュールをきっちり組んで、アップデートの時期を決めてしまうやり方だと、計画に基づいた発想しか生まれなくなるのでやめてしまいました。今年はもっとライブ感のある、いまユーザーが求めていることを見すえながら、アップデートに反映させていきたいんです。

 もう間に合わない、というギリギリまで決めずに試行錯誤していますが、それでもゲーム内のブームが終わってからアップデートにこぎつける、ということは多々ありますね。

――そのゲーム内のトレンドですが、現在の流行はどんなものですか

山口 今はちょうどそれが見えにくい時ですね。無料化も始まって新規のユーザーや一度やめてまた戻ってきたユーザーも多いようで。何を求めてるのか分かりづらく苦悩しています。なので、いま要望を出されると反映されやすい、かもしれません(笑)。内容にもよりますが。

――アップデートといえば、最後の大規模アップデートは7月に行われた「蒼天の大地」が最後ですよね。だいぶ期間が空いていますけど、そろそろ次のアップデート時期ではないんでしょうか。

山口 これまでは新マップを用意して、新仕様を盛り込んで一気にバージョンごと変わるようなアップデートをしてきましたが、先ほど述べたとおり、今年はこまめに小さなパッチを積み重ねていく予定です。

――ストラガーデンの特徴といえば、βサービスの頃からエンカウント制の戦闘スタイルだと言われてきてますよね。最近は“クリックゲー”と言われないように、インタフェースは従来のMMORPGと変わらないのに、戦闘だけFPSになったり、アクション性が高かったりというタイトルが出てきています。この流行についてはどう思われますか?

山口 ゲームはエンターテインメントですから、その市場の流れはたいへんよく理解できます。MMORPGは戦闘が面白くなかったらつらくてたまらないですよ。だからストラガーデンは飽きずに戦闘を続けられるシステムを考えた末に、このエンカウント制に決まりました。結果的に戦闘中にもチャットができるし、次の一手をじっくり考えられるので慌てずに戦いができます。コミュニケーションが取れたほうが面白いにきまっています。もちろんこのシステムが、ぱっと見で分かりづらい可能性もあるので、初心者への敷居の高さになるのではと悩みました。ある意味賭でしたが、当たったと思ってます。想像以上に戦闘システムについては今も自信を持っています。

――最後に何かメッセージをいただけますでしょうか。

山口 忘れるところでした。ドワンゴで「パケットラジオ」というストリーミングサービスを提供しています。写真付きラジオとでも思っていただければいいんですが、この中でストラガーデンの様子をリアルタイムで配信することになりました。

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 今後ゲーム内イベントなどを実況で流して、仕事や用事でログインできなかった人でも、その様子だけは見られるようにしたいです。

山口 ただしパケット定額の人だけアクセスしてください、すごい金額になりますので……。

大山誉展氏 もう1つお知らせがあります。韓国でストラガーデンが近日中にサービスが開始されます。最初からアイテム課金制度を採用しており、おそらくオリジナルアイテム、イベントなどもどんどん追加されるでしょう。

山口 できるだけ情報交換をお互いにして、良いイベントがあったら日本でもやりたいですね。ネットワークゲーム業界では韓国で成功することが一番難しいので、何とか成功を収めたいです。これは台湾も中国にも言えることなのですが、その国にあったゲームしかヒットしなくなってきてますね。何が違うのか具体的に見えないのですが、どんなビッグタイトルでも、その国でしかヒットしないものがありますから。

――本日は長い時間、ありがとうございました。


 ストラガーデンはクローズドβサービス時から運営会社の変更、月額課金からアイテム課金への変更と、この1年近くに紆余曲折を経たタイトルだ。しかし基本プレイ無料化後は、確実にユーザー数も増加しており、良い方向へ動き出しているように見える。山口氏が語る、大規模アップデートをやめて、細かなアップデートによってリアルタイムに反映させたいという試みは、従来のMMORPGからすれば考えにくいスタイルだ。しかし、本当にユーザーが本当に欲しがる機能を理解し反映できれば、これほど開発スタッフとユーザー側の距離を縮めてくれるスタイルは他にないだろう。課金システムの変更を仕切りなおしとするならば、ストラガーデンにとって、さらにここから次の1年で、どれだけユーザーの気持ちをつかめるかが勝負どころとも言える。

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