バンダイ「.hack//G.U.」プロジェクト発表会で壮大なメディアミックスを語る（4/4 ページ）

バンダイは、2002年にメディアミックス展開をして話題となった「.hack」シリーズの最新作を発表。それに伴う壮大なプロジェクト内容を公表した。

[加藤亘，ITmedia]

今明かす仕掛け

　これらのメディアミックスのほかにもこのプロジェクトではいくつかの挑戦がなされている。それが「ターミナルDisc」構想だ。全3巻に渡るゲーム、そして背景として描かれるTVアニメ、コミック、ノベル、それらすべての謎が封印された“プレイステーション 2”フォーマットのターミナルDisc「The end of The World」を第1巻に同梱して発売される。このターミナルDiscはいわゆる4枚目のディスクとして謎を解き明かす鍵となっており、2010年に旧「The World」で起こった.hack事件とは何だったのか？　そして、その世界はどのような終焉を迎え、そして再び「The World（R:2）」として復活したのかを、「The World」に携わったプログラマーの目を通して描かれる。いわゆるドキュメンタリー形式を取りつつ、前作のすべてを理解できるものとして、今作に大きく連動していく仕掛けが施されている。

　その仕掛けが、本シリーズの発売に合わせて解除されていくプロテクトにある。ターミナルDiscにはプロテクトが施されており、ゲームの進行に合わせて解除していくプログラムがなされている。第1巻、第2巻、第3巻と進むにつれて解除されていく内容で、この世界の真実を知っていくのだ。

プログラマーだった男の没後発見された手記が、この「ターミナルDisc」となる……。アニメとゲーム、そしてコミックなどをつなぐ鍵でもある

　ゲーム内の仮想世界と現実世界をつなぐデスクトップにも多くの仕掛けを潜ませている。2017年の標準として「ALTIMIT MINE OS」というOSを創り出し、ゲーム内ではここを中心にゲームを進行していくことになる。前作と同じように見えるが、新しい試みとしてグリーティングカードやメールをキャラクターに送信することができるようになったほか、社会情勢を伺うためのニュース配信を受け取ることができる。「News Capture」と題されたアプリケーションではニュースをテキストで閲覧できるほか、ちょっと先の未来であるからと動画配信も行われているという設定になっている。ゲームの進行によって現実社会で起きている事件を閲覧し、世界観を深めていけるというわけだ。ほかにも「よもやまBBS」と呼ばれる掲示板集合サイトとして、ユーザーからの情報を得ることなどもできる。

　前途した「News Capture」では、現実世界の主人公ともいえるサルバドル愛原と呼ばれる人気タレントがリポーターとして活躍する強行突撃型情報番組「オンラインジャック」が盛り上がっている。番組内で子供の感情障害の関係性をおもしろおかしく関係者に突撃リポートしていくのだが、いつしか「The World」内での異変とシンクロしていく想定外の展開へとなっていくとのこと。プレーヤーはゲームの進行に沿って進行するその番組を見ることで、現実世界の情勢をつかんでいくことになる。

最後にバンダイ ビデオゲーム事業部ゼネラルマネージャー東海林隆氏が挨拶に立ち、「前作ではバラバタとした準備期間でしたが、今回は計画的に進んでいる。とはいえ、不安がないわけではない。準備に時間があったもなくとも、発売してみないとわからないので、応援よろしくお願いいたします」と、不安をのぞかせるも、ゲームの販売に関してはワールドワイドに200万本以上を目指すとのこと。十分自信があることを表明した。