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最後の武将・天下無双の「宮本武蔵」見参――「戦国無双2」いよいよ発売「戦国無双2」開発者インタビュー(3/4 ページ)

ついに発売日を迎えた「戦国無双2」。ついに最後の登場武将である剣豪・宮本武蔵の存在が明らかになった。今回は開発者のインタビューを交えて、双六モードなど本作の魅力を存分にお伝えしたい。

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鯉沼 阿国と蘭丸は模擬演武モードでしか使用できないのですが、実はけっこう多くのキャラクターと絡んでいきます。2人は無双演武モードでは使用できませんが、その代わり模擬演武で十分楽しめる仕掛けが施されています。特に蘭丸で模擬演武モードの「本能寺の変」をプレイすると、信長や濃姫のものとは違う、蘭丸独自のオリジナル本能寺があったりします。

杉山 模擬演武だけかとプレイしてくれないと悲しいので。オマケだと思われたくないじゃないですか。ちょっとした小ネタですけど、ぜひそのオリジナル本能寺を確認してもらいたいですね。

鯉沼 また、今回「特殊技」でもアクションに深みを与えています。「真田幸村」や「前田慶次」の“馬呼び”はイメージ先行だったものの、大体はキャラクターの個性に合わせて“こうあってほしい”という思いで決定しています。もちろんここでもバランスに細心の注意を払ってます。

新規武将として加わった10人の選考基準は?

―― 今回、「徳川家康」や「石田三成」など10人もの新規武将が参戦していますが、その選考基準などはあるのですか?

鯉沼 ゲームのメインステージが、群雄割拠の時代から安土桃山・江戸へと煌びやかな時代に移行したということもあり、その時代に名を馳せた武将であることが選定基準になっています。ただ、基本はあくまでも「関ヶ原」ですが、シリーズ既存の武将も入れなくてはいけないという点で苦慮しました。歴史に興味がない方にもすんなりゲーム世界に入ってきれもらいたいし、もちろん歴史好きにも違和感なく遊んでほしかった。身構えて欲しくないということもあり、その選考には気を配りました。そこで大事にしたのが、アクションバランスです。身体の大きいキャラもいれば小さいキャラもいる。細身のキャラもいれば太めのキャラがいたり、槍を使うキャラがいれば剣を使うキャラもいる。既存のキャラとかぶらないよう、バリエーションが広がるよう選出しています。

杉山 とはいえ最優先はやはり「徳川家康」と「石田三成」でした。なんといっても「1」の頃から決まっていたくらいですから。ニーズは高かったのですが、関ヶ原を語るのであればしっかり描きたいと、今作まで控えさせていました。主要メンバーはやはり関ヶ原ありきでセレクトされていますね。ざっと今回登場する戦場やキャラクターを見ると、全国版になっているでしょ? とはいえ、きっとなぜあの武将が入っていないと気を揉んでいるファンもいると思います。

鯉沼 まだまだ長宗我部であったり毛利であったりと、入れたいキャラクターはいたんです。ただ、シナリオをしっかり作り込むにあたって、単独で異彩を放っていたとしても、他と絡めないようでは難しい。そんなわけで、採用を見送った経緯があります。ギリギリまで隠していた「宮本武蔵」は、関ヶ原になにげに参戦していたことと、武器アクションゲームなので、誰もが知っている剣豪を入れるべきという判断から登場させてみました。

杉山 実は「1」の時から宮本武蔵を入れるべきではないかという話し合いはあったんです。ちょうど大河ドラマをやっていた時期でもあったので、ニーズは非常に高かった。アンケートを取ると常に上位にいましたから。でも登場させるのであればしっかり描きたいということで、関ヶ原を待つことにしたわけです。

―― 逆にシリーズ既存キャラクターで登場しなくなったキャラクターがいますが。

鯉沼 キャラクターを増やしていくと、1人ひとりのストーリーが希薄になりがちです。1人にかけられる時間も減っていく。個性的なストーリーであり、個性的なアクションが戦国無双の根幹であるならば、限られた開発期間である以上、今回新しく登場するキャラクターをしっかり作り込んであげたいという意識はありました。

杉山 今作のコンセプトなり新キャラなりが決定していく中で、やはり「戦国無双2」は関ヶ原が中心となるのであれば致し方なしという考えから削ることにしました。「くのいち」は元々架空の存在であったし、「今川義元」は時代が早かった……。なんせ今作は桶狭間後からのスタートですから。「石川五右衛門」も今作の世界観を俯瞰した際に、ストーリーに組み込みづらかった。「阿国」や「蘭丸」も織田勢が多くなった点と上記の理由で関係性が薄いだろうという理由で削ることにしたわけです。とはいえ、ニーズも高くファンも多いということで、阿国と蘭丸には現在の立ち位置での登場とさせたわけです。

鯉沼 関ヶ原に時代を移した関係上、どうしても関係性が希薄になるキャラクターが生まれてしまう。本来は賤ヶ岳から始めようかとも思っていたわけですが、それだとさすがに登場すらしないキャラクターも多くてやめました。織田信長など死んでしまってますしね。今回、信長には浅井との関係を濃厚に描いています。この新しい関係性を描きたかったともいえます。キャラクターすべて、全体的に遅めの時代から第1章を始めています。「真田幸村」も長篠の戦いからですし。

杉山 「戦国無双」シリーズの象徴的なキャラクターでもある幸村ですが、今作は特に関ヶ原をフィーチャーしているという点もあり、徳川家康と石田三成がイメージキャラクターに挙げています。前作が群雄割拠の争乱を象徴して“墨”をイメージした世界観だったのですが、今作では安土桃山、そして江戸時代へと続く絢爛豪華な時代へと移行しており、“黄金”をイメージした派手めな演出となっています。

鯉沼 時代背景に沿ってゲーム中の演出も絢爛豪華に装飾されています。とはいえ、墨のいいところは残しているので、その妙を楽しんでいただければ幸いです。

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