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一難去ってまた一難――天下獲りの道は険しく楽しい「信長の野望・革新」を限定プレイ(2/3 ページ)

戦国時代を舞台にした歴史シミュレーションゲームの最高峰「信長の野望」シリーズ。その最新作がプレイステーション 2で発売された。ここでは、そんな本作のレビューとともに、ちょっとしたやりこみプレイもリポートしよう。シミュレーションゲームだけに相当な時間を費やしたが、やはり名作。やればやるほど面白い!

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 この3つのシステムを融合させ、「信長の野望」は新しく生まれ変わった。新しい要素を盛り込んだために、まだ不備を感じる部分はあるにしても、“ここがつまらない”ではなく“ここが修正されればもっと面白くなるのに”と感じることが多い。それは、言い換えればまだまだ面白くなる要素を持っているということだ。

 また、筆者はこの記事を書くにあたってそれこそ何十時間もプレイをしたわけだが、途中で飽きることはなかった。ちょっと変わったやりこみプレイをしていたせいもあるのだろうが、「技術革新」などのほかにも、「包囲網」が発生したり自らの娘を武将にできたりと、後半にならないと味わえない要素や独自の視点で楽しめそうな部分もあった。

 個人的には、イベントがもっとたくさんあってもいいのではないだろうかとも感じた。残念なことに、普通にプレイしていたのではイベントに出会える機会は少ない。史実に基づいたものからオリジナルのものまで、イベントを豊富に入れることで、(「戦国無双」とまではいかなくとも)戦国時代の様子をよりドラマチックに描くことができるのではないだろうか。その点に関しては、今後の製作に非常に期待している。

 20年以上という非常に長い年月をかけて熟成されてきたシリーズが始めた新たなチャレンジ。それが今後、どのような展開を見せていくのか。次回作への期待もせずにはいられない。

 と、ここまでは「信長の野望 革新」のもっとも特徴的な部分を中心に紹介してきた。しかし本作には、より深く、長く楽しむためのたくさんの仕掛けがまだまだ用意されている。それはたとえば、プレイをして初めてわかることだったりもする。そこでこの先は、筆者がやりこみプレイをしながら、感じたことをつれづれなるままに書いていこうと思う。

生活に支障が出るほどやりこみまくり

 それは「信長の野望 革新」が発売されようかという頃だ。編集部から1本の電話が入った。最初に述べたとおり本作のレビューの依頼だ。「信長の野望」シリーズといえば、いわずと知れた不朽の名作。知らないわけがないし、もちろん過去のシリーズ作品も何本かはクリアしている。相当やりこんだ作品もあるし、少なからず思い入れだってある。

 しかし、レビューの話を聞いた瞬間、ある直感がよぎった。「あ、これ触ったらヤケドするな」と。「信長の野望」の向こう側にアツアツのヤカンを感じたのである。なぜなら、「信長の野望」が長く遊べるソフトだということは、1度プレイした人なら誰でも知っている。1日や2日で終わるわけがない。それでもやっぱり、好奇心がうずくわけである。あと、生活費のことなんかも頭をよぎるのである。そして、プレイすることになった。

 そこで提案されたのが、先述したとおり「やりこみプレイ」だった。時間はそれほどないのを承知のうえで、なにか企画に沿ってプレイしてみようじゃないかというもの。まず選んだやりこみプレイはこれ。

 「騎馬軍団で有名な武田軍を使い、騎馬軍団のみで天下統一」。ストレートすぎて申し訳ないが、これなら多少は簡単ではないだろうかという思いもあった。シリーズ作品をプレイされた方ならご存知かと思うが、武田軍は本作における最強大名の一角。優秀な家臣団、広大な領土、武田信玄自信の高い能力など理由を挙げればキリがないが、とにかく強いのだ。唯一の心配があるとすれば、西を織田、北を上杉、東を北条と強力な武将たちに囲まれていることぐらいか。しかし、とりあえず初心者にはオススメしたい勢力のひとつである。

 とはいえ、まずはじめる前に、ひとつだけ言い訳をしておきたい。ただ楽をしたくて武田軍を選んだように思われるかもしれないが、理由はそれだけではない。すでにプレイされた方ならご存知のように、本作は過去の作品と比べて難易度が上がっているようだ。

 多少なりとも腕に覚えのあった筆者は、お試しのつもりで難易度中級の神保家で1度プレイしてみたのだが、織田家に瞬殺されてしまった。筆者がリアルタイム制に慣れていなかったとはいえ、過去のシリーズでは考えにくい現象とも言える。歯ごたえのあるシミュレーションゲームをお望みの方はぜひ1度、弱小勢力でプレイしていただきたい。史実どおりと言えばその通りだが、武田、織田、上杉などの成長があまりに早く、必死にがんばっても勢力の差がどんどん開いてしまうのだ。そのため、あまりにふがいない結果にならぬよう、まずは武田軍にて始めたいとの希望もあった。それに、基本でもある織田信長でのプレイは楽しみに取っておく意味もあった。

 では、「やりこみプレイ」を始めるにあたっての約束事を確認しておこう。「武田騎馬軍団で有名な武田軍を使い、騎馬軍団のみで天下統一」なので、出陣の際は騎馬軍団しか使わない、ということ。

 しかし、大変心苦しいのだが、例外を作らせていただいた。ひとつは、自国の城が攻め込まれた場合。城が攻め込まれた場合(攻城戦時)は、兵の種類を選ぶことができないので流れに身を任せた(実際、城内で騎馬は使えないだろうし)。ただ、敵を迎え撃つために出陣する際は、騎馬兵のみとしておく。

 もうひとつは、海上での戦闘になった場合。船を使っているので「水軍だ」と言われる方もいるかもしれないが、一応、出陣する際には騎馬軍団を用いているので、騎馬軍団ということにさせていただきたいと思う。これが認められないと、四国や九州などの離島は攻め落とすことができない。

いざ出陣!! 武田騎馬軍団

 そして、プレイ開始。シナリオはもちろん、武田と上杉を中心とした「龍虎相打つ」。

 基本的には、やはり快調だった。武田軍は優秀な配下武将が最初から20人以上いるし、牧場を作ることもできる(通常は、技術革新で「牧場」を会得する必要がある)。とりあえず「市」と「畑」と「牧場」をたくさん建設していけば、周辺の国に簡単に脅かされないくらいにはなれそうだ。

 ちなみに、シナリオは「龍虎相打つ」なのだが、はっきり言って上杉軍は無視する。なぜかといえば、上杉軍はとにかく強い。1度調子にのって攻めにいったら、勝頼たちがボコボコにされて帰ってきた(帰ってこれてよかった!)。息子の泣き顔が目に浮かぶようだが、仇は当分うってあげられそうにない。弱い父ちゃんを許してくれ。

武田軍の生命線。長野氏

 上杉軍を無視する理由はもうひとつ。西の織田軍と北の上杉軍は、異常な速度で勢力を拡大していく(史実の謙信は勢力拡大に興味がなかったはずなのに)。武田軍の進むべき道は、東に根を張る長野家、宇都宮家、結城家ら弱小勢力たちしかないのだ(西にもわずかばかり弱小勢力があるが、織田家にすぐ滅ぼされた)。特に、長野家の制圧に遅れをとると、隣接する国は、織田、上杉、斎藤、北条と強国だけになってしまい、外界への道を遮断されてしまう。それだけは避けたい。

 しかし、やはり騎馬をそろえるというのには時間がかかる。「どうか長野家を放っておいて」と念じながら、騎馬軍をそろえるための数カ月が続く。相手の倍の勢力が整った時点で、いざ長野家へ出陣!! すると、相手の能力が低いからなのか、こちらの戦法が効きまくり、意外にもあっさり勝利する。その後の合戦でも、弱小国相手なら十分戦えることがわかった。さすが武田軍。こうして、武田騎馬軍団は弱小勢力を踏みつけながら、勢力の拡大に成功していく。勢力が拡大すると、敵勢力の領地と武将のすべてを無傷で吸収合併できる「勧告」に応じる弱小国も出てくる。そうして、武田軍は少しずつだが着実に勢力をのばしていく。

ゲーム開始から15年。生まれた赤ん坊が中学を卒業しようかというくらいの年月が流れても、戦国時代ではようやく勢力図に変化が現れ始めた程度

 しかし、この時点で正直言ってかなり時間がかかることがわかった。騎馬と兵力を整えるだけで相当な時間がかかってしまう。とんでもない時間がかかりそうだとわかったときの筆者のショックは、受験に合格したのに、入学願書を出し忘れて取り消しになったくらいの凄まじいものがあった。……で、話は15年先の1575年まで飛ぶ。15年って行きすぎじゃないの、と思われる方もいるかもしれないが、以下の画像を見て欲しい。まだ、勢力図の変化はこんなものだ。


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