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無双アクションの正統進化――もう「武将が少ない」とは言わせない「戦国無双2」レビュー(1/2 ページ)

戦国時代を舞台に、天下無双の豪傑たちが一騎当千の戦いを繰り広げていく「戦国無双」シリーズ。その待望の最新作がついに発売された。10名もの新規武将のほか、システムも大幅に刷新された本作は、まさに“正統進化形”と言える作品に仕上がっている。

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登場武将の総数実に26名! 怒濤のボリュームはまさに圧巻

 これまでのシリーズで登場した武将の数は、「戦国無双 猛将伝」の追加キャラを含めて19人。筆者的には十分なボリュームだと思っていたが、制作スタッフのコメントによると「登場武将が少ない、というユーザーの声が多かった」らしい。いや、でも19人もいるんですよ? それぞれの武将に熱く、それでいて「なんやそれ」とツッコミたくなるような荒唐無稽なストーリーがあるんですよ? ステージもそれぞれの武将に5〜6ステージ用意されているし、さらには途中でルートが分岐してまったく違う物語が展開するから、総数で言うと約150ステージくらいあるんですよ? やりこみ要素も詰まっていて、レベル5武器やレアアイテムをゲットするのは死ぬほど大変だったんですよ? と一気にまくし立ててみたが、筆者はボリューム面での不満はまったくなかった。たしかに、登場武将の数の上でだけ見れば「真・三國無双」シリーズには劣るものの、戦国無双には戦国無双なりのボリューム感と満足感があった。しかし、それでもボリュームに不満を持つユーザーがいる。あれだけお腹いっぱいにさせられたのに、「まだ足りぬ!」と言える人がいるとは、好物は別腹という論理だからだろうか? 驚愕です。

 そんなユーザーの不満を払拭しようという気概がそうさせたのか、本作では新規で追加された武将総数が10人にも及んでいる。だが、実は既存武将と合わせて29名ではない。森蘭丸と阿国には「無双演武」がなくなったし、残念ながら、くのいち、今川義元、石川五右衛門の3人は退場とあいなった。戦国時代の過渡期から戦国の世の収束していく時代へと舞台が移ったのだから、マロ(義元)の出番がなくなったのも無理はない。ただ、ちょっと寂しい気もする。ちょっとおバカだけど、おバカなりに太平の世をめざした純粋なマロを筆者は気に入っていたのに……。くのいちと五右衛門は……筆者的にはまぁいいです(ファンの人ごめんなさい)。

 彼らがいなくなったことで、前作に比べると若干お笑い要素が減少し、その分シリアス陣営のボリュームが増した感想。個人的にはシリアス路線を抑えながらも、微妙にお笑いのスパイスを効かせた前作のノリが好きだっただけに、彼ら3人の退場は惜しい限りだ。26人も武将がいるのだから、そのうち3人くらいはとことんアホなストーリーで構成しても良かったのではないだろうか。確かマロは人気もそこそこあったようだし、お笑いキャラにもそれなりのニーズはあると思う。ぜひ次回作ではおバカキャラの復活をお願いしたいところ。

 私好みのバカキャラは減ったが、その性能は新武将へと微妙に引き継がれているように感じた。たとえば大砲を持ったパワーキャラの五右衛門は、徳川家康に。また、攻撃範囲は狭いけど、連続チャージのシメだけ広範囲を攻撃できるというマロの性能は、直江兼続へと継承されているようだ。おそらくは新キャラの登場を重要視した結果なのだろう。3人の退場武将を愛用していたユーザーも、悲しむことはない。似たような使い勝手の武将は必ずいるはずだ。

ひとりの武将をクリアすると、新たな武将がプレイできるようになるというシステムは前作を踏襲。すべての武将を登場させるだけでもお腹いっぱいになりそう
キャラクターのモデルも新たに作り直されているが、性格まで若干変わった武将もいる。前作でのお市はカテゴリーで言うとロリキャラだったはずだが、今作ではなんとなく大人っぽくなっているような……

 ただ武将数が増えただけではない。本作では、R1ボタンを押しながら□ボタンや△ボタンを押すことで武将固有の「特殊技」が発動する。この仕様変更で、武将ごとの個性がより顕著に表れるようになった。足が遅い徳川家康なんか、通常攻撃よりも特殊技の「誘導弾」の方が使いやすいと感じたほど(ただ、後半のステージでは敵がうまく防御してしまうので、あまり効かなくなってくる)。また、真田幸村や前田慶次の「馬呼び」は瞬時に馬を呼び寄せることができ、これまで以上に馬を手軽に使えるようになっている。

仕込み筒を武器としている家康。パワーキャラゆえに移動力は低いが、特殊技として敵を追尾する「誘導弾」を持っている。わざわざ敵に接近しなくても、誘導弾で仕留められるので楽ちん

 これまで武将の性能差は、能力パラメータの違いと連続チャージの使い方が大きな部分を占めていた。でも、それは突き詰めると「いかにして連続チャージをつなげるか」に行き着いてしまい、各武将の戦い方自体はあまり変わり映えしないものになりがちだった。だが、武将固有の能力を加えたことで、各武将が取れる戦術が変化し、違う武将を使ってみるという楽しみも増した。中には石田三成や濃姫の「罠設置」のように、イマイチ使い勝手の悪い特殊技もあるが、それもまた一興。使いにくい特殊技でムリヤリ戦い通すという粋なプレイも楽しめる。ちなみに筆者のお気に入りは、単純に「見た目が○タンドっぽい」という理由で上杉謙信の「毘沙門天」。

男性ユーザーが燃える一方、女性ユーザーは萌えるストーリー展開

 とりあえず前作から使い慣れた幸村でファーストプレイ。当然のことながら、物語は新たに一から作り直されている。大まかなストーリーはこんな感じ。

 長篠の戦いで大敗を喫した武田家はその後没落。主家を失った幸村は、何のために生きるべきなのか、自分の存在価値を見失ってしまう。しかし、抜け殻のようになった幸村の中にも、残るものはあった。「義」である。石田三成、そして直江兼続と運命的な出会いを果たした幸村は、彼らとの「義」に生きることに自らの道を見出していく――。

 生きるべき理由を失い悩める幸村が、新たな道へと踏み出していく。じつに熱いじゃないか。純真熱血路線から、迷えるヒーローへの転身。今回のストーリーもかなり良い感じに荒唐無稽。筆者的に燃える。

「義」のもとに集った3人の勇者。彼らを結んでいるものは何があっても崩れることのない友情。いついかなる時でも3人の思いはひとつ。まったくもって暑苦しい奴らだが……それが良い
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