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良作に賞味期限なし――帰ってきたあいつらをやってみたPSP4本まとめてレビュー(1/3 ページ)

PSPソフトもかなりの数が発売されるようになったため、ユニークなタイトルが増えてきた。そこで今回は、3月9日にSCEから4本同時に発売となった懐かし系のゲームをまとめてレビューしてみた。ユニークな試みもなされているので、そのあたりも見てみよう。

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名作は、いつの時代に遊んでもおもしろい!

 毎週、多くのゲームソフトが発売されるが、残念ながらヒットする作品は限られている。しかし、大勢に受け入れられたタイトルは、続編が発売されたりプラットフォームを変えて登場するなど、さまざまな形で私たちの前に再び姿を現す。そうなることで、優れたタイトルを何度もプレイできるのは、ある意味ではいいことだろう。

 今回、SCEから4本同時に発売された「レミングス」、「I.Q Mania」、「ボンバーマン 爆風戦隊ボンバーメ〜ン」、「XIコロシアム」も、根強い人気をもつヒット作品だ。これらを1本ずつ見ていき、そのおもしろさを再確認してみよう。なお、4本中3本で共通する部分に関しては一番最後に列挙したので、そちらを参考にしてほしい。

思わず夢中になるパズルゲーム「レミングス」

 「レミングス」の元は、シグノシスというメーカーがAmiga用のソフトとして発売したパズルゲームだ。画面に映る小さな動物・レミングたちの頭上でカウントダウンが始まり、0になると爆発を起こして消えてしまう、そんなシーンを覚えている人もいるだろう(PH。

 そもそも、ゲームのタイトルにもなったレミング(複数形なので、タイトルはレミングスとなる)は、集団自殺をするとして知られている“タビネズミ”がモチーフになっている。体長12センチほどのげっ歯類で、主に北極圏で見かけることができる。ところが、食料を食べ尽くしてしまうと大移動を開始し、最後には海へ入って全員おぼれ死んでしまうのだ。この、集団で移動するという部分を取り出し、神の見えざる手=プレーヤーが指示を下して、レミングたちをゴールに導くのが本作の目的となっている。

このカウントダウンが0になると、哀れレミングは爆発してドットになってしまう
集団で出てくるレミングたちを、大量にゴールに導けたときは、なかなか気持ちがいい

 これだけ聞くと簡単に思えるのだが、実際にプレイしてみると、これがなかなか難しい。1つには、レミングたちを重力に逆らわせず移動させる方法は豊富にあるものの、その反対の手段が限られている点。もう1つが、それらコマンドの使用回数に制限があることだ。例えば、レミングは一定以上の高さから落ちると潰れて死んでしまうが、パラソルコマンドを使えばゆっくり降下してくる。ところが、回数が制限されていると、それ以上のレミングを助けることができなくなるため、別の手段を考える必要があるのだ。

レミングたちを上へと移動させる手段は階段のみ。これを連続して作れれば、かなり上方まで誘導できる
1匹のレミングだけを移動させ、反対側から穴を掘るという手段もある。これを初めて知ったときは、目からウロコが落ちる思いだった
パラソルは、どちらかというと力業? の部類に入るような感じがした。どうしてもほかに手段が見つからなかったときに使ってみるのがいいのかもしれない

 PSPに移植されて特に変わった部分もなく、画面のスクロールをアナログスティックで行うぐらい。若干のアクション要素が入るものの、ポーズボタンを押して道順を考えてから行動に移せばいいので、アクションゲームが苦手でも問題ないだろう。用意されたモードは、初代レミングスにも登場した120ステージで構成される“オリジナル”と、徐々に難しくなっていくPSPオリジナルの“スペシャル”など。どちらも最初は簡単なので、あっさりとクリアできる。しかし、面が進むにつれて、一筋縄ではいかなくなってくる。プレイしては失敗し、再び最初からやり直して……を繰り返しているうちに、自然とハマってしまう。実際、悩んだ末にクリアできるとうれしくなるだけでなく、つい調子に乗って次の面も始めてしまうのだ。中毒性が非常に高く、危険なゲームといえるだろう(笑)。

中には、「こんなの思いつかない!」と思うクリア方法もあるが、それが自力で分かったときのうれしさは、また格別

 ただし、海外製のゲームを移植したためか、×ボタンが決定になっているのが問題。メモリースティック内のデータをいじる場面まで、○と×の操作が逆になっているので、とにかくよく間違えた。ゲーム中でも○と×がひっくり返っているので、メニューなどでの選択を間違えて、イライラすることもしばしば。日本国内のインタフェース仕様に基づいて操作ボタンを変更することぐらいは、ハード発売元として最低限行うべき行為ではないかと思うだけに、そのまま移植したのには疑問を感じる。とはいえ、それでゲームのおもしろさが失われているわけではないので、妥協できる範囲ではあるだろう。じっくり考えるパズルゲームが好きで、長く遊びたいという人にお勧めだ。

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