まさにガチンコ。バイクメーカー7社がプライドをかけ「ツーリスト・トロフィー」で対決――レース大会
ソニーコンピュータエンタテインメントジャパンから発売中のPS2用ソフト「ツーリスト・トロフィー」を使った、バイクメーカー7社によるバーチャルレース大会「バイク業界、頂上決戦! ツーリスト・トロフィー真剣勝負」が開催された。
2006年3月28日、ソニーコンピュータエンタテインメントジャパンから発売中のプレイステーション 2用ソフト「ツーリスト・トロフィー」(以下、TT)を使った、バイクメーカー7社によるバーチャルレース大会「バイク業界、頂上決戦! ツーリスト・トロフィー真剣勝負」が開催された。
TTは「グランツーリスモ」シリーズのプロデューサーである山内一典氏およびポリフォニー・デジタルによって手がけられたリアルライディングシミュレーター。ミッションをこなしライセンスを取得していく「ツーリスト・トロフィーワールド」や、バイクの挙動をひたすら楽しめる「アーケードモード」などが用意されている。また、ビッグスクーターからスポーツバイク、レーシングモデルまで100種類以上が登場し、ライダーのウェアやヘルメットなども選択可能と、自分だけの仕様で楽しむことができるのも魅力だ。
このたび行われた大会には、カジバ・ジャパン、スズキ、ドゥカティジャパン、トライアンフジャパン、ハーレーダビッドソン ジャパン(ビューエル)、本田技研工業、ヤマハ発動機の7社が参加。選出された各バイクメーカーの代表選手が、そのプライドと意地をかけて、激しい戦いを繰り広げた。
大会に先駆け、まずは主催の日刊スポーツ新聞社を代表して松原譲氏が、「各社のプライドをかけた戦いが始まるということで、めったに見られない戦いになるのではないかと期待しています。フルスロットルでトップチェッカーを目指して頑張ってほしい」とあいさつを行う。
また、TTディレクターを務める、ポリフォニー・デジタルの七澤崇聖氏も応援に駆けつけ、「ちょうど去年の今ごろにTTの制作が本格的にスタートしました。作っている間は、まさかこんな華々しい場所でイベントを開くことができるとは思っていませんでした。非常に幸せな気持ちです。オートバイは子どものころからずっと乗っていますが、やはり格好良くて、気持ちがいい。今日は皆さん、格好良い走りと激しい走りで、すばらしいバトルを展開してください」と参加者を激励した。
1対1のトーナメント形式で行われた大会は、各社の代表選手とも、事前に練習をこなしてきたことと、自社のプライドをかけて戦いに臨んだこともあってか、ハイレベルな戦いが繰り広げられる。そんな熱き戦いを制し、見事に決勝へと駒を進めたのは、大会前の「負けるはずがない!」と強気な発言通り、ここまで完璧に近いレースを繰り広げてきたカジバと、1回戦でヤマハに敗退しながらも、敗者復活戦を勝ち上がり、準決勝にてそのヤマハをも退けたドゥカティの2社。
レース自体は、己の実力のみで勝ち上がってきたカジバが序盤から終始リードを保つ展開となる。が、ドゥカティも決勝まで勝ち進んできたのは運だけではない、と言わんばかりに食らいついていく。その差はわずか1秒以下。しかし、ここまでほぼミスのない走りをしてきたカジバだけに、その差は埋まることがないまま、ファイナルラップへと突入する。誰もがこのまま勝負が決すと思った時、カジバがわずかな、しかし致命的とも言えるコース取りのミスを犯す。そして、その瞬間を待っていたとばかりにドゥカティが抜き去り、そのまま一気にゴール。敗者復活を経て決勝進出、大逆転劇で優勝という、まるでドラマを見ているかのような展開で、ドゥカティが第1回大会を制した。
ドゥカティの代表選手であった木下弘氏は、「とにかくラッキーのひと言です。(出場選手の)レベルはそれほど変わらないと思いますが、心理戦というか、先行逃げ切りか後から行くかみたいなものが、うまくいったんだと思います。(決勝では)自分がミスしなければ勝てる。それで負けたら仕方がないくらいの思いで走りました」とその喜びを語る。また、TTについての感想を求められると、「フルスロットルでは曲がれないとか、普通の、当たり前のことがしっかりとできているのがすごい。ゲームとしても面白くて奥が深くて、実際の走りに合わせてプレイするとタイムが縮まるとか、そういったところも面白いです」とコメントしてくれた。
直後に行われた表彰式の最後には、「まさかこんなにすごいバトルが行われるとは思っていませんでした。勝ち上がっていくにつれて、バトルのレベルも上がっていき、(決勝では)あんな大逆転劇が起こるとは予想もしていなかった。皆さんにおめでとうございますと言いたい」との七澤氏の言葉が出場者に贈られ、大会は締められた。
なお、本大会の模様は後日、TT公式サイトでも配信される予定となっているので、各社の走りや大会の雰囲気など、より詳しく知りたいという人は、そちらも見ていただければ幸いだ。
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