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早起きな「Wii」眠らない「Wii」――任天堂は「Playing=Believing」を提唱するE3 2006「任天堂メディアブリーフィング」(1/3 ページ)

任天堂は現地時間の5月9日、北米ロサンゼルスで行われるE3 2006を前日に控え、メディアブリーフィングを開催。「Wii」と「ニンテンドーDS」の戦略を発表し、今後の展開を報告した。メディアブリーフィング詳細をリポート!

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それはオーケストラの指揮からはじまった

 任天堂は現地時間の5月9日、北米ロサンゼルスのKODAK Theatreでメディアブリーフィングを開催し、E3 2006にてプレイアブル出展されるWiiのソフトタイトルを紹介。Wiiにおけるロンチタイトルをいくつか明かしたのは既報のとおり。

 冒頭、Wiiのリモコン型コントローラを手にした任天堂取締役の宮本茂氏は、映像に映し出されたオーケストラをバックに、ゼルダの伝説のメインテーマを指揮する。マエストロのように宮本氏がコントローラを振るスピードに合わせ、曲も転調していく様は、新しいゲームのあり方を分かりやすく示してくれているようだった。こうして荘厳かつ可愛らしく任天堂のメディアブリーフィングは始まった。

 続いて、任天堂オブアメリカ上級副社長のレジー・フィルズエイム氏が登壇し、次世代のゲームを期待しているのであればそれは違うといきなりぶち挙げる。任天堂のWiiは、単に次に来るものではなく、まったく新しいものを提供するというのだ。“次世代”ではなく“新世代”。「視覚要素のみを追求したゲーム性ではなく、次なる飛躍はフィーリングにあり、一部の限られた人が楽しめるものではなく、みんなが遊べるべきものでなくてはならない」とレジー氏は語る。それは実際に手に取り遊んでみなくては理解できないかもしれないと、「Playing=Believing」というコンセプトメッセージを掲げる。確かに新たなデバイスというものは、体験してみないとどう表現していいかわからないと誰しもが理解しているからにほかならない。

指揮棒代わりにWiiのリモコン型コントローラを振るう宮本茂氏は、マエストロとなって画面上のオーケストラを指揮し、ゼルダの伝説のテーマ曲を奏でる。途中、後に紹介する「RED STEEL」のプレイをはさむ
新しいコントローラを使用した、新しいゲームの未来を、どう伝えるか……。それぞれのライフスタイルと組み合わせたイメージ映像も流される
レジー氏によって提唱される「Playing=Believing」

 それに呼応するように、背後にあるスクリーンには、Wiiで開発が行われている(一部はデモ映像かもしれない)ゲームの数々が流されていく。コントローラを横向きに遊ぶ「Excite Truck」や、「Super Mario Galaxy」、「パイロットウィング」のようなフライトゲームや「Metroid Prime 3: Corruption」と、発表されるたびに会場では歓声があがる。のちにデモンストレーションが行われる「Wii Sports」のテニスやゴルフが紹介され、「Wario Ware:Smooth Moves」や任侠ヤクザ風な敵と銃と刀で相対する「RED STEEL」が公開されると、真打ち「The Legend of ZELDA:Twilight Princess」の登場となった。

 Wiiでの発売も発表された「The Legend of ZELDA:Twilight Princess」では、リモコン型コントローラのほかに、ヌンチャク型コントローラを多様に使い分ける様が紹介される。そしてリンクが釣りをすると、そのかかった得物が、「W」の文字。画面が切り替わり、「Wii」と画面いっぱいに改めて先日公表されたロゴがお披露目される。

 再びレジー氏が登場し、昨年の東京ゲームショウでWiiのコントローラを公開した際、実際に触ってみないとどんなものか分からないと意見が寄せられたことに触れ、今回体験できることになったので、ゲームの操作が新しい局面に達したことを実感してほしいと述べる。「慣習的なものに挑戦する創造的破壊を信条とする任天堂だからこその挑戦がそこにはある。変化は今日ここから始まります。他社と同じ事をやり、少しだけ改良しただけのことは任天堂はしない」とレジー氏は宣言する。

 過去、「スーパーマリオ64」が3D空間で生き生きと飛び回る革命的飛躍を見せたように、見た目だけの変化だけでなく、感覚的なフィーリングの飛躍を感じたはずと続ける。こうした瞬間的な記録がWiiの開発に至る始まりだったと振り返る。事実、ゲームから得られる感覚を新しくするために、E3での任天堂フロアでは実際に手にとって遊べるソフトが27タイトル用意されているという。残念ながら発売日と価格については発表できないが、より少ない対価で大きな楽しみを提供できると、2006年の年末での発売を約束した。

テレビを見たことがない人はいなくても、ゲームをやったことない人は多いはず。彼らが直感的に楽しめるコンソールであると自信をのぞかせる。また、Wiiという名前について、多くの反応を寄せてもらったが、それは驚くことではなかったと明かす。当初は奇異に聞こえるもので、変化は素敵なものなのだとレジー氏。「そのWii=Weという名前のとおり、みんなのゲーム機となるだろう」と発言

リモコン内蔵スピーカーで臨場感アップ――Wiiのソフトタイトル発表

ソフトラインアップは以下のとおり

 再びゲーム紹介が続く。「Metroid Prime 3: Corruption」や「Super Mario Galaxy」、「Excite Truck」、「Project H.A.M.M.E.R」などの任天堂タイトルのほか、「DRAGON BALL Sparkling! 2」や「Fire Emblem」、SpongeBob SquarePants: Breature From the Krusty Karb」、「DRAGON QUIEST SWORDS」、「Tony Hawk's Downhill Jam」、「Sengoku Action」、「Elebits」、「Red Steel」、「Rayman4」、「Sonic Wild Fire(仮)」、「ONE PEACE: UNLIMITED ADVENTURE」、「Madden NFL 07」、「FINAL FANTASY CRYSTAL CHRONICLES THE CRYSTAL BEARERS」などのサードパーティによるソフトラインアップが紹介される。これらのソフトタイトルについてはこちらの別記事を参照のこと。

テレビ側にはリモコンのセンサーが

実演の様子。体験プレイについては明日以降リポートする

 その後の実演では、「The Legend of ZELDA:Twilight Princess」を使用し、Wiiのコントローラにおいて剣で敵を斬りつけたり、弓から矢を放ったりと、フィーリングを重視した直感的な動作を披露する。特にWiiのリモコン型コントローラにはスピーカーが内蔵されており、手元で音が鳴ることも紹介された。つまり、弓をつがえ矢を放つと手元のコントローラからヒュンと飛ぶ音が聞こえ、テレビと同調。テレビに映し出される敵の胸に刺さるとその音が聞こえるというわけだ。

 また、実演で気がついたことだが、リモコン型コントローラの挙動をとらえる棒状のセンサーがテレビ側に備え付けられており、有線でWiiにつなげられている。これはWii本体に同梱されるとのこと。有効受信範囲などは不明。

 「The Legend of ZELDA:Twilight Princess」は、Wiiと同時発売を目指し開発を進めているとの発言に会場は沸く。当初発表されていたゲームキューブ版との同時発売とのこと。


妖精がポインターの役目を果たす。Bで剣や弓を入れ替え、Aでアタック。リモコンをちょっと動かすだけで操作可能。まったく新しいゼルダの伝説を表現しているといえる。ヌンチャク型コントローラを使用すると盾と剣を持ち、スピンアタックを直感的に繰り出せる
実際明日以降プレイアブルで遊べるダンジョンをプレイ。「アイアンブーツ」は重りとして使用するだけでなく、磁石を利用してリンクを持ち上げてもくれる。天地が逆転した世界を走る
「The Legend of ZELDA:Twilight Princess」はWiiとの同時発売を目指す。誰でもクリアできるものとなっているとのこと

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