ビル・ゲイツ氏がE3に初登場――Xbox 360を1000万台出荷と宣言:E3 2006「マイクロソフトプレスブリーフィング」(2/2 ページ)
今年のMicrosoftのプレスカンファレンスは、E3初登場となるビル・ゲイツ氏の登壇や、Windows関連の話題が豊富だったりと、例年とはかなり趣の異なるものだった。Windows関連や、新たなLiveネットワーク構想などについて語られた内容を紹介していこう。
Xbox Liveのオープンネットワーク構想「Live Anywhere」
引き続きゲイツ氏は、Xbox 360とWindows Vistaなどを連携させる新たな構想を発表した。それが「Live Anywhere」だ。Live Anywhereは、現在Xbox 360で利用できるXbox Liveの様々なサービスを、Xbox 360だけでなく、プラットフォームの垣根を越えて利用できるようにする、というもの。
Windows VistaやWindows Mobile端末からXbox Liveネットワークへの接続が可能となり、Xbox Liveネットワークを利用した様々なサービスをシームレスに享受できるようになる。シームレスに利用できるサービスには、フレンドリストやゲーマータグなどはもちろん、Xbox Liveマーケットプレイスも含まれる。
例えば、Xbox 360で利用しているゲーマータグやフレンドリスト、実績情報などを、Windows Vista上やWindows Mobile搭載の携帯電話などからもアクセスして活用できるようになる。Xbox 360のフレンドリストでは、登録されているフレンドのログイン状況に加えて、現在利用している端末の種類が表示されるようになる。また、Windows VistaやWindows Mobile端末上でもフレンドリストを表示でき、Xbox 360のフレンドリストと同じように、フレンドのログイン状況や利用端末の種類などが表示され、実績の比較も可能となる。さらに、Windows VistaやWindows Mobile端末からXbox Liveマーケットプレイスにアクセスして、音楽や映画の予告編などをダウンロードして楽しむこともできる。
もちろん、クロスプラットフォームゲームタイトルの開発も用意となる。Xbox 360とWindows Vista双方で発売され、双方のプレーヤーがLiveネットワークを利用して対戦する、といったことも当然可能となる。実際にFASA Studioが開発中の「Shadowrun」というタイトルが、Xbox 360とWindows Vista向けのマルチプラットフォームで開発されており、Live Anywhere構想を具現化する存在として紹介された。
さらに、特定ゲームにおいてさまざまなプラットフォームに異なる役割を持たせ、どこからでも、どのプラットフォームでも同じゲームに関わっていられる、という壮大な構想も紹介された。
例えば、あるフレンドから「Forza Motor Sport」のプレイ招待をWindows Mobile端末で受け取ったとする。そこで、Windows Mobile端末に用意されるForza Motor Sportのガレージ機能「Forza Mobile Garage」にアクセスし、対戦時に備えて自分の車のチューンナップを行う。また、Windows Vista上からは、車のカラーリングやデカールのカスタマイズを行う。そして、家に帰ってXbox 360のForza Motor Sportを起動すれば、Windows Mobile端末やWindows Vistaから行ったカスタマイズが全て反映され、すぐにプレイが可能となる。つまり、プラットフォームの違い、今いる場所などを問わず、常に同じゲームに関わっていられるというわけだ。
これらは、以前よりMicrosoftがXbox 360やXbox Liveで実現したいと語っていたものを具現化したものだ。もちろん、家庭用ゲーム機であるXbox 360だけでなく、PCのOSとして広く利用されているWindows、また携帯端末向けOSのWindows Mobileなど、様々なプラットフォームを手がけているMicrosoftだからこその構想だが、実際にこれが実現されれば、確かにこれまでにないゲームの世界が創造されるのは間違いない。しかもそれは、すぐ先に現実のものとして登場することになる。
こういった話題がE3のプレスカンファレンスで語られることは、かなり珍しいように感じた。今回のプレスカンファレンスの内容は、E3ではなくInternational CESで語られたものと言われても違和感がないほどだ。確かに、構想ばかりが先に行っているような感じを受けたのも事実。とはいえ、こういった内容を語れるのもMicrosoftならでは、とも言える。最終的に、来場者が最も期待していたHalo3の映像も流され、E3参加者にとっても十分満足できる内容ではなかっただろうか。
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