「パイレーツ・オブ・カリビアン3(仮)」 〜開発者が語る、その戦闘システム:E3 2006「ブエナビスタゲーム」ブース
E3 2006で盛り上がるロサンゼルス・コンベンション・センターの一角で、ブエナビスタゲームのプロデューサーから開発中のタイトル「パイレーツ・オブ・カリビアン3(仮)」について話を聞くことができた。来年夏の映画公開予定に向けて開発中の、ブエナビスタゲーム渾身の一作だ。
あの「パイレーツ・オブ・カリビアン」の世界を次世代機で再現
「パイレーツ・オブ・カリビアン3(仮)」は2007年夏にプレイステーション 3とXbox 360での発売を予定しているタイトルだ。日本での発売は未定だが、日本市場は視野に入れており、発売は検討している、とのこと。
映画「パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち」が日本でも大ヒットを記録したのは記憶に新しいところだ。今夏には続編である「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」が公開を控えており、さらに来年には、続編3作目の映画作品が公開を予定されている。
今作は映画「パイレーツ・オブ・カリビアン デッドマンズ・チェスト」と、その次の続編の内容を全て含んだものになる予定で、現在の開発度は30%。この1年で完成に向けて作りこんでいくとのことで、高精細・高性能な次世代機で体験できる「パイレーツ・オブ・カリビアン」の世界に早くも期待大だ。
「パイレーツ・オブ・カリビアン3(仮)」について話をしてくれたのは、ブエナビスタゲームのプロデューサーであるイアン・リッチーズ氏と、シニアプロデューサーであるニック・ブリッジャー氏。ブリッジャー氏の解説、リッチーズ氏の実演で、現段階での今作のプレイ映像を拝見することができた。その模様を写真でお伝えできないのは残念だが、いろいろと楽しみな話が聞けたので、お伝えすることにしよう。
戦闘システムを中心に語られた「パイレーツ・オブ・カリビアン3(仮)」の魅力
ブリッジャー氏は、今作では映画2作品の内容を全て含むのはもちろんのこと、新しいキャラクターや新しいエピソードを追加して、映画よりもさらに深く「パイレーツ・オブ・カリビアン」の世界を掘り下げる、と発言した。また、今作のコンセプトは「刀でもって生きるか死ぬか(Live and die by swords)」というものらしい。ジャックたちが持つ刀が、ただの武器ではなくゲームにおいて重要で必要不可欠なものになる、とのことだった。
映像ではジャックが刀を利用してロープをつたって移動しているシーンが実演されたが、そのほかにもシャンデリアのある部屋やテーブルの上などのいろんなシチュエーションで、刀が武器以外の用途で効力を発揮する「ソードアシストナビゲーション」というシステムが導入される。刀をどう活かして難局を切り抜けるかが鍵となる作品になりそうだ。
また、マルチパートシステムと呼ばれる戦闘システムを駆使し、最大4人の味方キャラクターを1人のプレーヤーが同時に動かせるようなアクションパートが用意されている。実演では2人のキャラクターをリッチーズ氏の操作で動かすことで、並み居る敵キャラたちをばっさりと薙ぎ倒していた。これは「どの方向にどの攻撃をするかを指示して」複数のキャラクターを動かす、というものだそうだが、詳細については不明。今後の続報を待ちたいところだ。
なお、通常は多人数の敵キャラと主人公が対峙してアクションが展開していく今作なのだが、1対1、ないしは1対2で真剣勝負をするデュエリングシステムが盛り込まれる。実際に見た画面ではデュエリングの状態だと主人公キャラと敵キャラが大きく表示されて、対戦格闘ゲームのような構図になっていた。リッチーズ氏の実演では天井の木材を利用して攻撃したり、地面の砂を蹴って相手に目潰しをするなど多彩なアクションが見受けられた。ブリッジャー氏いわく「海賊はズルをするものなので、周りにあるものを何でも利用する」とのことで、デュエリング時はそれが反映されているようだ。
最後に「ネットワーク構想については考えているのか」という記者からの質問に対してブリッジャー氏は、「ネットワークに関しては今のところ未定。今は戦闘部分を中心に作っている。まだ1年あるので、これからいろいろと要素を増やしていこうとは思っている」という回答を示した。
短い時間での実演とトークではあったが、ブエナビスタゲームが力を入れて作っているタイトルであることは、その映像の美しさからも伺いしれた。来年の夏には自らがジャックやウィルとなって「パイレーツ・オブ・カリビアン」の世界を自由に動きまわれるゲームが登場する。日本での発売も可能性はかなり高いので、続報を期待していただきたい。
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