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ただいま業態変更中――スクエニ決算説明会

スクウェア・エニックスは5月24日、関係者向けの2006年3月期決算説明会を開催した。席上同社の和田洋一社長は「現状は、新規ビジネスと既存ビジネスの転換過渡期。今後も厳しい状況は続くが、コンテンツを核としたコミュニティに対するビジネスを進める」と語った。

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画像 スクウェア・エニックス 和田洋一社長

 既報の通り、スクウェア・エニックスが5月24日発表した2006年3月期連結決算は、経常利益が前期比40.0%減の155億4700万円、売上高は1244億7300万円(前期比68.5%増)、営業利益は154億7000万円(同41.5%減)、純利益は170億7600万円(同14.4%増)となり、伸び率としてはかなり厳しい結果となった。

 これについて同社の代表取締役社長 和田洋一氏は「2003年4月にスクウェア・エニックスが発足してから、営業利益500億円を目標として、新規ビジネスと現状のビジネスのスイッチを考えてきたが、新規事業については新しい芽がまだ“芽でしかない”状態。今後も新しい芽を仕込んではいくが、どのタイミングで花開くかははっきり言って分からない」と語る。

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 「元インテル社長のアンディ・グローブ氏が言ったように、いまは“死の谷”の時期。ただし“世界最高品質のコンテンツを提供するコミュニティマネジメント会社”としての戦略は考えている」(和田氏)

 同社が目指すのは、既存顧客を深掘りすることと、新しいユーザーコミュニティを獲得すること、そしてマルチプラットフォームを目指し、技術やスキルを共通基盤化するとともに、他社との協業を含めた事業展開をしていくことだ。既存顧客については、コンテンツを核としたユーザーコミュニティをマーケットととらえ、多面的な接点を作っていくことで収益向上を図るという。「E3 2006のカンファレンスでも述べたが、『FINAL FANTASY VII』を多面展開した『Compilation of FFVII』の成功は、思考を同じくするユーザーの固まりである“コミュニティ”にアプローチできたこと。我々には求心力のあるコンテンツがあるのでこれが可能だ」(和田氏)。

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 和田氏はこの戦略について「FINAL FANTASY VIIが好きな人に、同じソフトを2枚買えというのは無理。もちろん、“FINAL FANTASY VII-2”を出しても買わないだろう。『ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン』は、2時間程度で見ることができるコンテンツなので売れた。ライフスタイルが変化しているので、これに対応していかなければ収益は上がらない」と解説する。

 コミュニティについても、ユーザー数を広げる方向では考えず、コアユーザーを大事に、その層のみに訴えるとのこと。「ユーザー数を広げるのは新規コンテンツの役割。既存コンテンツのコミュニティについては、むしろ“濃くしていくこと”で長く生き残っていける。たとえば、キングダムハーツシリーズを大人向けに出したりすることは決してない」と和田氏。エレクトロニック・アーツとよく比較されるそうだが、各プラットフォームでのシェアを目指しているわけではないとのこと。それよりも、各タイトルに派生する関連書籍やサウンドトラックなど、コミュニティに受け入れられる商品をどれだけ用意できるかがポイントとなる。

 「E3 2006のカンファレンスで打ち出した『FABULA NOVA CRYSTALLIS FINAL FANTASY XIII』は、Compilation of FFVIIをもう一歩進めた展開。1、2年前からあたためていたことで、世界観を共通にして、それぞれのプラットフォームでクリエーターに頑張ってもらう。FFVII以上に派生と派生の連鎖が生まれればと期待している」(和田氏)。

画像画像画像 「学研やゼイベルと提携したが、FFVIIのキャラクターを使って事業を展開するようなことはしない。それぞれのコミュニティを“濃く”することを目指す。また、顧客管理プラットフォームについても、既存のコミュニティにいるユーザーをどれだけいつづけさせられるかがポイント」(和田氏)

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