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2005年の家庭用ゲーム総出荷規模は1兆3598億円――第5回CESA定例記者会見

コンピュータエンターテインメント協会は5月25日、平成18年度通常総会開催に合わせ記者会見を開催し、新執行部を紹介。2005年のメーカー出荷実績などを発表した。

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 コンピュータエンターテインメント協会(以下、CESA)では、平成18年度通常総会開催に合わせ記者会見を開催。第6期役員となった主な顔ぶれを紹介し、新しいCESAを打ち出した。また、2005年のメーカー出荷実績なども発表され、2005年を振り返る談話を発表した。

 記者会見に先駆けて行われた総会で、新たにCESA会長に昇任されたスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏がまずは挨拶。「ゲームをどう捉えるかと考えた時、日本というブランドをどう世界に発信していくかということにほかならない。日本というブランドを際だたせるもっとも重要な産業がゲームではないかというのが私の認識だ」と、この認識を発展していくことが、日本全体に貢献できることだと2つのやらなくてはならないことを挙げる。

 「1つはモノを作る環境を整えることです。クリエイターやエンジニアの能力開発、新人を発掘していくかという仕組みなど、健全な事業環境が整ってないとモノを作る環境とは言えない。こういった環境の阻害要因をどう取り除くかが課題です。2つ目は、きちんとしたコミュニケーションを取るということ。ゲームというエンターテインメントが一部の人の物ではなく、一般に広く行き渡っているという現状を認識することです。世界からあらぬ誤解を受けたり、社会に対する素直な耳を持っていなかったりすることのないよう、社会に対して理解をいただき、社会からの要望を踏まえて、自身が変わっていくという双方向の関係を築くことが大事」と、この2つを常任理事以上で議論しながら、理事会、総会という機関運営で達成していきたいと所信表明。これらを達成していく際の手法として、広く一般からの参加を呼びかけ議論していきたいと、私見ではあると断りながらも意欲を見せた。

CESA会長に昇任したスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は、ゲームを遊ぶすそ野は確実に広がっていると実感していると、今回発表された家庭用ゲーム総出荷規模の報告を引き合いに出して説明する。携帯ゲーム機の動向が色濃く反映された結果に、ゲームという表現メディアに触れる人々が増えており、いわゆるコアゲーマーからライトユーザーへ全体のトレンドが移行していると述べた

 記者会見では2005年1月〜12月までの日本の家庭用ゲーム産業に関する総出荷金額、国内総市場規模および国内ネットワーク市場規模をまとめたものを発表。ソフトウェアとハードウェアの総出荷額が1兆3598億円(2004年が9091億円)に達したことを明らかにした。

 内訳を見ると、ソフトウェアの総出荷額が4871億円と2004年の4684億円と横ばい状態であったのに対し(国内におけるソフトウェア総出荷額が2343億円。海外におけるソフトウェア総出荷額が2528億円)、ハードウェアの総出荷額は前年の4407億円に比べ、8727億円と大きく増加している。このうち国内におけるハードウェアの総出荷額が1642億円(2004年が1089億円)、海外におけるハードウェアの総出荷額が7086億円(2004年が3318億円)と、海外での出荷が大きく反映されている。これは国内外における新型携帯ゲーム機の本格投入が進んだことと、海外での現行ハードウェアの伸びが貢献しているとのこと。

 また、ソフトウェアおよびハードウェアの国内総出荷規模から推計した、国内における総市場規模が4965億円と昨年の4361億円を大きく上回ったことも報告。内訳としては、ソフトウェアの国内市場規模が3141億円(2004年は3160億円)、ハードウェアの国内市場規模が1824億円(2004年が1201億円)となっている。

 さらに、2005年の日本の有料ネットワークゲーム国内市場規模についても触れ、2005年の日本に在住する3〜79歳(有効回収数1103サンプル)の一般生活者を対象とした調査に基づき、有料ネットワークゲームの利用率・利用金額などから推計した結果、通信費、パッケージ代金、複合カフェ利用料金を除き、313億円の達したことが発表された。

 これらの調査結果については、2006年7月発刊予定の「2006CESAゲーム白書」に掲載される予定だ。

記者会見には会長に就任したスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏のほか、新しい顔ぶれが並ぶ。左からCESA常務理事の堀口大典氏、副会長に昇任したコナミデジタルエンタテインメント執行役員コーポレートオフィサーゲームソフトカンパニープレジデントの石塚通弘氏、和田氏をはさみ常任理事に新任されたディースリー・パブリッシャー代表取締役の伊藤裕二氏とカプコン取締役副社長の辻本春弘氏。全体的に若返りがはかられたようだ

 若返りを図った新執行陣の今後の見通しについて和田氏は、新ハードも発売されることで、ハードウェアの出荷額は確実に上乗せされてくるという見解を述べる。それは、現世代ハードの販売も維持するという推測から導き出されているのだが、ソフトウェアに関しては新ハードものが出揃うのに時間差が必要なため、来年か再来年まで待たなければいけないと、ソフトウェアに関しては現状維持だろうとのこと。

 新執行陣での議論はこれからとして言及は避けたが、今後は他業界との連携であったり、周辺業界への拡充も考慮していきたいと、“何を議論すべきかを議論していく”と語る。新ハードが投入されることでゲームの“生態系”の変化は確実で、メディアの変化とユーザーの変化を見守っていく段階だと言う。

 5月31日から施行される新レーティング制度にも触れ、CEROとして周知と販売自主規制の徹底に向けた取り組みを行っていく方針だと改めて強調した。施行される前日には協議会を改めて行い、CESAとして周知に務め説明を行う予定となっている。新規タイトルも含め、数タイトル申請中のものを除き、来週中にはすべて新レーティング制度に則ってソフトが出そろうとのこと。全国的に販売店への協力も進んでおり、順調な滑り出しとのこと。現在行われている市場調査や研究はもちろんのこと、新レーティング制度を含めた啓発活動や人材育成、知的財産に関する活動なども引き続き行う旨も確認された。


記者会見の後に開かれた懇親会でも新会長に就任した和田氏が挨拶。先ほどの記者会見と同様、日本というブランドをどう世界に発信していくかは、ゲーム産業が大事な役割を果たすべきと持論を展開。CESAの中で完結するのではなく、広く見識を募り、開かれた運営を心がけると決意表明とした
ここ2年間で大きく変化している中で、ゲーム産業の重要性を改めて説く経済産業省商務情報政策局 文化情報関連産業課 課長補佐 和久田肇氏は、やはりどうやってビジネスとしてあるものを世界に発信していくのかが課題と語る。国際展開・ブロードバンド化への対応など、新体制でのさらなる取り組みを期待するとコメントした
CESA副会長の石塚通弘氏は、和田氏の方針に共感し微力ながら尽力していきたいと乾杯の挨拶に立った

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