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MMORPG「R.O.H.A.N」国内展開・戦略発表会を開催、クローズドβテストは6月中を予定

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 YNK Japanおよびエキサイトは本日6月9日、東京・秋葉原にてMMORPG「R.O.H.A.N.(ロ・ハ・ン)」の国内展開・戦略発表会を行った。2005年からエキサイトによる2億円の開発費の投資や、公式サイトのオープンなど情報を少しずつお伝えしてきたが、この日ようやくクローズドβ、オープンβサービス開始のおおまかな時期などが明らかにされた。韓国のユーザーの間では評価の高い「R.O.H.A.N.」だが、日本市場ではどう展開していく予定なのかが会場では語られた。


 まずは本日配信されたリリースも含めて、ゲームシステムの概要と国内では初の情報公開となる、2次職業などについてお伝えしよう。「R.O.H.A.N.」は主神“オン”が創ったロハン大陸が舞台。神々によって乱された秩序を取り戻すべく、4つの地域に住む4つの種族が冒険を繰り広げる、というのが「R.O.H.A.N.」の世界観だ。種族を選ぶと1次職は自動的に決まってしまう。なお今後のサービススケジュールだが、クローズドβは6月中の開始を、オープンβは8月中の開始が予定されている。

HUMAN(ヒューマン)…1次職業:KNIGHT(ナイト)

画像 ナイトは、高い体力を活かして、剣と盾を持ち近接戦闘を得意とする。スキルの取得により、攻撃型または防御型に特化したタイプでのプレイが可能

ELF(エルフ)…1次職業:HEALER(ヒーラー)

画像 パーティを保護するために、ヒーリングを主とした補助魔法を使用。また、知能の増加によって強力な攻撃魔法も使える。防御力は弱く、モンスターの敵対心を減少させる「ディパインオーラ」スキルを持つ

HALF ELF(ハーフエルフ)…1次職業:ARCHER(アーチャー)

画像 アーチャーは、4種類の属性を持った力強い攻撃スキルを主に使用。遠くにいる敵を把握して素早い攻撃で制圧することが主な戦闘パターンで、攻撃スキルを組み合わせて使用することも可能

DHAN(ダン)…1次職業:ASASSIN(アサシン)

画像 力強い一撃によるクリティカルダメージを誇るアサシンは、素早い攻撃だけでなく高い瞬発力で受けるダメージを小さくする能力を持つ。また、鋭い攻撃に追加ダメージを付与するアサシン特有の毒属性スキルも使用

 基本はこの4種族だが、発表会では新種族「DEKAN(デカン)」とその1次職業となる「DRAGON FIGHTER(ドラゴンファイター)」の画像が公開された。デカンは竜の末裔といわれている種族で、ドラゴンファイターは、独特の武器"ゼン"を使用。ゼンは通常は両手武器だが、スキルを使うことにより2つに分かれて二刀流スタイルとなる

画像 新種族「DEKAN」

初公開された2次職

 本日初公開となる二次職に関する説明は、YNK Japanの運営企画チーム 福田和史氏によって行われた。二次職への転職は、レベル50以上かつある前提条件を満たしていればできるとのこと。1種族からはさらに2つの職業へ分岐し、それぞれ戦闘時の役目がはっきりと変わってくる。例えばKnightの二次職は「Defender」と「Guardian」の2つ。Defenderは防御型で防御力をさらにアップするスキル「メタルプロテクション」を、Guardianは反対に攻撃重視型の職業で、剣による大ダメージを与える「ファイナルクラッシュ」といったスキルを駆使できる。同様にヒーラーのエルフは完全支援型の「Priest」と攻撃魔法もつかえる「Templar」など、方向性がはっきりしているのが二次職業共通の特徴だ。

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 続いて福田氏が解説してくれたのは、「R.O.H.A.N.」の大きな魅力となっている「ソリダリティシステム」や「タウン建設システム」といったゲームシステムについてだ。

ソリダリティシステム

基本は従来のMMOにもある「ギルド」システムと変わらないが、ソリダリティシステムにはメンバー間に“上下関係”が存在する。メンバー同士がパーティで戦闘すると、下位に所属するメンバーは戦闘時に10%のボーナス経験値を、上位のメンバーには下位メンバーが獲得したゲーム内通貨の10%が自動的にサーバから支給されるという、独特のシステムである。

リベンジPvPシステム

PvPでの勝敗と相手プレイヤーを全て記録するこのシステム。記録された相手の近くに「リコール」機能を使ってワープすることが可能なだけでなく、場合によってはパーティを組み、全員で相手の元へ移動し「リベンジ」もできてしまう。このシステムはPvPの活性化だけでなく、初心者を狙ったPK防止も目的としている。

タウン建設システム

指定したフィールド上に、ユーザーが城壁ややぐらを配置して自分の「街」を建設できるシステム。この街を巡っての攻城戦も用意されており、建築時ユーザーは有利に戦うための配置などを悩む楽しみもあるわけだ。また攻城戦専用の武器なども登場する。

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M-KILLシステム

単調になりがちな戦闘を楽しむためのシステムで、指定された数のモンスターを倒すと、通常よりも多い経験値が獲得できる。例えば、指定数が50のモンスターならば、50対目を倒すと10倍の経験値が入ってくる。

画像 左からYNK JAPAN運営企画チーム 福田和文氏、YNK KOREA企画室室長 ナ・ソン・ヨン氏、YNK KOREA アートディレクターチェ氏

 この後、YNK Koreaの企画室 室長 ナ・ソン・ヨン氏とアートディレクターのチェ氏より日本でのサービス開始後に実装される装備品などが公開されたのだが、残念ながら撮影禁止のためお見せできないのだが結婚式をイメージした衣装や小説版「R.O.H.A.N.」に登場するNPC、さらに今後のパッチで実装される両手剣が操れるナイトなどのグラフィックスが公開された。

 また、ナ・ソン・ヨン氏は「韓国で開発される多くのゲームが日本でも展開しているが、全てが成功を収めているわけではない。これは、日本と韓国のユーザーで好みが大きく違うことを考慮しなかった結果だと思っている。オンラインゲームというのは戦闘と経済、とコミュニティという未知の要素のバランスが取れていなければいけない。しかし各国のユーザーの趣向によってこのバランスは違ってしまう。韓国でのROHANは戦闘システム力を入れているが、日本のユーザーの好みは当然違うはずであり、今はどの要素を合わせて強調していくのか探っている時期で、クローズドβテストでいち早くそれを見つけ出し、ゲームを変化させていきたい。日本での開発方針は、ユーザーの意見を取り入れてゲームを作り直していくつもりだ。現在のROHANの開発チームは基本システム以外のグラフィックス、戦闘システム等全てを日本ユーザーの好みに合わせて作りなおすつもりでいる。そのためにも今後のβテストに皆様の力をお借りしたいし、日本のユーザーと一緒にROHANを作って生きたい。」と、乱立気味な現在のMMORPG市場への辛口の意見も交えつつ、「R.O.H.A.N.」が日本ユーザーに歩み寄るつもりであることを強調していた。

画像 YNK KOREA代表取締役社長 ユン・ヨン・ソク氏

 発表会の冒頭でYNK Korea代表取締役社長 ユン・ヨン・ソク氏は「ワイエヌケーコリアとワイエヌケーゲームズはこの4年間、グラフィックス中心の既存のゲーム開発から脱した、システム中心のゲームを開発すべく努力してまいりました。「R.O.H.A.N.」は昨年9月に韓国で正式サービスを開始し、初月売り上げは45億ウォン(約5億3千万園)を記録しています。大きな可能性を秘めている、日本のオンラインゲーム市場への勉強を欠かさず、また、ユーザーと同じ目線で「R.O.H.A.N.」を見られるようベストを尽くしたい。本タイトルをよろしくお願いいたします」と挨拶を述べた。

 エキサイト代表取締役社長 山村幸広氏はオンラインゲームに参入して3年目になるが、コンテンツビジネスとしてオンラインゲームというものには今後5年、10年という長いスパンでの大きな可能性を感じている。また、ワイエヌケーコリアの尹社長の意気込みを見て出資を決めた。これからはマーケティング・決済・アライアンスパートナーとしてR.O.H.A.Nを盛り上げ、今年後半の大きな目玉にしていきたいと語った。

 また、続いてYNK Japan代表取締役社長 パク・ギ・ウォン氏が「R.O.H.A.Nは従来のオンラインゲームとは異なり、ユーザー同士のコミュニティをどう良く作り上げ、見せていくかに重きを置いて展開し成功してきました。このゲームはどんな国にいって展開しても成功できると思っている」と自信のあるコメントを述べた。

画像 YNK Japan代表取締役社長 パク・ギ・ウォン氏
画像 エキサイト代表取締役社長 山村幸広氏
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 6月中のクローズドβ開始という発表から、詳細な日程や正式サービス後の課金システムなどが明白になる時期も、そんなに遠くはないと思われる「R.O.H.A.N」。ここ数年、日本のMMORPG市場には本当に信じられないほど数多くの新規タイトルが登場したが、その多くが残念ながら完成度が低かったり、韓国では大変なヒットを収めたが日本のユーザーの嗜好には合わないタイトルも見られた。基本システム以外は作り直してでも、日本のユーザーに受け入れられるものを作る気でいるというその強気ともとれる発言には、「R.O.H.A.N」への相当な自信が垣間見えた。MMORPGの好きな読者は、βテスト開始をぜひ、期待して待っていてほしい。

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