「D&D ONLINE」カンファレンス開催――正式サービスは8月10日より(1/3 ページ)
さくらインターネットは7月4日からオープンβテストを開始したWindows用オンラインRPG「ダンジョン&ドラゴンズ オンライン:ストームリーチ」のプレスカンファレンスを行った。データセンター主導のオンラインゲームは日本の主流となるか?
インターネット接続サービスの提供やサーバー管理、マルチメディアおよび関連商品の企画・開発・販売を行うさくらインターネットは、2006年7月4日にWindows用オンラインRPG「ダンジョン&ドラゴンズ オンライン:ストームリーチ」(以下、DDO)のオープンβテスト開始に伴い、プレス関係者向けのカンファレンスをセンチュリーハイアット東京で開催した。
DDOは、テーブルトークRPG「ダンジョン&ドラゴンズ」(以下、D&D)を原作としており、Turbineが開発したパッケージ版だけでも北米で30万本以上の販売実績を誇るオンラインゲームである。 D&Dは、RPGの原点としてさまざまな作品へ影響を与えたテーブルトークRPGであり、本作DDOはそのシステムを忠実に再現している。D&Dの持つ世界観を崩すことなくプレーヤーは飽きのこないアクション性の高い戦闘と、MMOならではのグループ内での交流を重視し、インスタンスと呼ばれるそのグループ専用のゾーンで遊んでもらうシステムが特徴だ。単純に敵を倒すだけでは経験値は得られず、そのクエストをクリアした際にまとめて得られる仕組みだ。キャラクターの攻撃力が高いからいいというわけではなく、クエストでの貢献度が求められる。
クローズドβテストは7月25日まで。オープンβテスト開始が7月27日から、正式サービス開始を8月10日からを予定している。オープンβテスト終了後には、アカウントは残るもののキャラクターはリセットされる。
さくらインターネットの挑戦
まず初めに挨拶を兼ね、さくらインターネット代表取締役社長兼CEOの笹田亮氏から“さくらインターネットの挑戦”と題して、なぜゲーム業界へ参入するに至ったかが説明された。
さくらインターネットは、独立系のデータセンター事業社という世界でも珍しい形態をとっている。自社でサービスサーバーを6000台ほど保有しており、内部で構築、運営を行える体勢が整っており、毎月200〜300台の新規サーバが立ち上がっている。全国6カ所に設けられたデータセンターで保守運営を請け負う、アウトソーシング事業社でもある。
いくつかの挑戦として、ダウンロードシステムでは、10Gbpsの広帯域の占有回線で、安定したUNIXサーバによるHTTP、FTPに対応。数万人のユーザーに快適な環境を提供するとしている。ゲームサーバにはすべて省電力で発熱も低い、高速なXEON LV「Sossaman」を選択し、ラックを有効活用できるようにした。これにより運営コストを抑えられるいう。毎月200台を越える新規サーバの立ち上げと、6000台を越えるサーバ運営の実績に裏付けられた、24時間365日の運営保守体制を確立。ゲームマスターだけではなく、ファーラムやメールを使っての幅広いユーザーへのサポート体制を構築すると構想が明かされる。
これまでのゲームメーカーはゲーム開発や販売に注力していればよかったが、オンラインゲームでは継続的な運営やサーバの運用が24時間体制で必要であり、単純に負担が大きかった。笹田氏は、「オンラインゲームは、従来のゲーム開発で必要とされるスキルとは違うものが求められる。24時間の運営保守が可能で、回線、ラック、サーバなどのインフラが整っている自社でならそれが可能です。アメリカや韓国では、データセンターとの提携が必至となっています。今回、DDOについて打診があった際、Turbineが求めるものが自社にはすべてあったんです」と、オンラインゲーム事業に参入する意図を説明。DDOを契機に、データセンター側からの提案として「レベニューシェアモデル」を提案していき、リスクの低いビジネスモデルをゲーム業界に広めていきたいと語る。
笹田氏は「日本のオンラインゲーム市場は、まだまだ多くの可能性を秘めています。さくらインターネットはデータセンター事業社として、ゲームメーカーの負担を下げ、よりチャレンジしやすい市場作りに貢献したいと考えています。今後もゲームメーカーがお客様に提供する素晴らしいコンテンツを、高品質なインフラで支えて参ります」と、挨拶を締めた。
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