ITmedia ガジェット 過去記事一覧
検索
レビュー

タッチペンを使ったバトルを制し、宇宙を駆け巡る壮大な冒険に出発「マジカルバケーション 5つの星がならぶとき」レビュー(2/2 ページ)

前作から約5年の歳月を経て、シリーズ2作目がニンテンドーDSで発売された。出てくるキーワードやキャラクターに、前作をほうふつとさせるテイストが散りばめられた本作を、システム面にスポットを当てて、ひもといてみよう。

PC用表示 関連情報
advertisement
前のページへ |       

自由度の高いシステムとストーリーを彩るキャラクターに注目

 本作5つの星は、ニューゲームでスタートすると、主人公の性別(男・女)と属星(光・闇)を決定することになる。この選択でストーリーが大きく変わることはないが、一部のセリフやイベント、戦闘の難度などに変化が出る。また、魔導ロケットを手に入れてからは、自分で行く星の順序を任意に設定できる機会も出るため、ある程度好きに行き来できるようになる。そういう意味では、自由度が高いシステムとも言えるだろう。さらに、各キャラクターが使える「フィールド魔法」によって、見えなかったアイテムが見えたりする。しかも、星の「惑星の運行図」によっても見えなかった宝が見えたりするので、一度行った場所だからと行って何もないとは言い切れない。また、DSならではの2画面を使ったイベントの演出方法であったり、戦闘時の動きなども5つの星ならではの見せ方だ。そして、前作マジカルバケーションを含めて、個性的なキャラクターが出てくるのもシリーズとしての特徴と言える。パーティキャラであるカフェラテに始まり、トゲモグラ族やピッツァ、サザエイヌなど、愛すべきキャラクターが多数登場する。メインストーリーに関わるキャラだけでなく、その周りを彩るキャラたちの個性にも注視してゲームをプレイすれば、より5つの星の世界に入り込めるだろう。

(写真左)ニューゲームスタート直後の、主人公設定画面。属星の違いは画面でも表示されているように、ゲームの難易度に関わってくる。5つの星のバトルは割りとやさしめだが、不安な人は光属星にすることをオススメする。(写真右)地下を住処にしている「トゲモグラ族」。本人は至ってマジメなのだろうが、イベント中にダッシュで駆けていく“彼”の姿は、微笑ましいものがある

「アミーゴシステム」で冒険の幅を大きく広げよう

 ニンテンドーDSというハードの特性上、タッチペンのバトルだけでも新たな楽しみ方と言えるかもしれないが、「アミーゴシステム」を活用すれば、より新しい楽しみ方を提供してくれる。アミーゴシステムにはいくつかの要素があるのだが、ゲーム本編に直接関わってくる「すれちがいアミーゴ」(すれ違い通信)は、特におもしろい。DSのワイヤレス通信機能を使って、見知らぬ人とすれ違うことができれば、新たな仲間(タマゴキャラ)を入手できたり成長させることができ、直接パーティキャラクターに加えることができる。なかなか見知らぬ人とすれ違えないという人は、最寄りの「DSステーション」(設置店の詳細はこちら)へ行けば、新たなアミーゴを見つけられるはずだ。

まずは、ゲーム本編で魔導ロケットを手に入れよう。かなり序盤で入手できるはずだ。すれ違い通信でタマゴを手に入れてからが本番だ。パーティキャラに入れるべく、ふ化させて成長させよう

DSの機能を使った生粋のRPGをすみずみまで堪能すべし!

 最後に個人的な総括を。まず、タッチペンを使ったバトルは、かなり直感的で分かりやすいシステムと言えるだろう。また、マップでの移動も、タッチペンで行なえるため、会話も含めてかなり楽になった部分も多いと思われる。しかし、マップ移動時の微妙な操作がしづらかったり、会話したいキャラとは違うキャラに話しかけてしまったりと、軽くストレスを感じることがあったのもぬぐえない。特にマップ上の移動と会話のみ十字キーとボタンに対応するならば、バトル中でもボタンなどを使えるようにしてほしかった。ただ、それでは制作側の意図とは違う遊びになってしまうため、現状のような仕様になったと思われる。総じてバトルに関しては、タッチペンを使う遊びが多く盛り込まれており、バトルを飽きさせない工夫を凝らした結果が見てとれる。ここについては、とにかく簡易的かつ直感的なシステムになっているので、レイアウトも含めてとてもよく練り込まれていると感じた。

 次にシナリオについては賛否両論ありそうだが、個人的には楽しめる作品になっていると思った。前述した通り前作をほうふつとさせるキャラクターやシナリオ本編には絡んでこないが、個性的なキャラクターたちはマジカルバケーションの真骨頂とも言える良さを出してくれている。ただ、筆者的には「MOTHER3」をプレイした次のRPGだったので、もう少し救われる展開が欲しかったのも事実である。あとは、本当の主観になってしまうのだが、主人公が一切喋らないのは、感情移入がしにくいし、イベントの展開が不自然になってしまうこと(主人公が主張するのではなく周りの意見が強くなってしまうため)もあると感じてしまう。ここは好みが分かれるところだと思われるが……。ただ、戦闘時に声が出るならば、普段もセリフが欲しいと思ってしまった。

 最後に、今回はアミーゴシステムが手軽になったのが本当に良かった。さすがに前作のアミーゴ100人には萎えた人間なので、DSの機能であるワイヤレス通信でここまで手軽になったのは、ユーザーにとっては喜ばしいことであろう。そして、モンスター図鑑や隠しダンジョン、アミーゴリストなど、多くのやり込み要素もうれしい限りだ。これほど楽しめるRPGはニンテンドーDSでも多くはないと思うので、気になる人がいたらぜひオススメしたい。そして、主人公を変えて楽しんでみたり、アミーゴを増やすことを楽しんでみたり、自分なりの遊び方を見つけながら、のんびりプレイして頂きたいと思う。

2画面を使ったイベントも多く挿入されている。DSならではの、その演出を堪能しよう
タッチペンを使った遊ばせ方は、かなり入り込みやすいシステムと言えるだろう。通常だとカーソルの動きが十字キーにあてられているが、タッチペンだとその場を触るだけでいいのが直感的で分かりやすい
筆者の序盤でのお気に入りは、海賊ラッコの面々。セリフうんぬんより、あのBGMにやられた感じで、なぜだか「プ○○○クトA」を思い出してしまった

マジカルバケーション 5つの星がならぶとき
対応機種ニンテンドーDS
メーカー任天堂
ジャンルRPG
発売日2006年6月22日
価格4800円(税込)
プレイ人数1〜6人
仕様DSワイヤレスプレイ対応
(C)2006 Nintendo/BROWNIE BROWN


前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る