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エヴァから11年――GAINAXのロボットアニメ「天元突破グレンラガン」見参(2/2 ページ)

GAINAXからロボットアニメがひさびさに登場する。「天元突破グレンラガン」は、未来の世界が舞台の物語。発表会ではスタッフのほか、樋口真嗣監督も登場したトークセッションも開催された。

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樋口真嗣監督が絵コンテを担当!?

画像 左から今石氏、中島氏、錦織氏、樋口氏、吉成氏、武田氏、赤井氏

 発表に引き続き、今石洋之監督やシリーズ構成・脚本の中島かずき氏、キャラクターデザインの錦織敦史氏、メカデザインの吉成曜氏のほか、プロデューサーの武田康廣氏、赤井孝美氏といったスタッフのトークショーも行われた。ゲストとして樋口真嗣監督も登場した。

 今石監督は「GAINAXにいて10年くらいたつが、それ以前にアニメを見出してから30年くらいになる中で、一番好きなのはロボットアニメ。GAINAXでロボットアニメを作るという話には、乗らずにはおれなかった」と語り、これまでの業界人生10年間と、生きてきた30年の集大成をここで作ろうと思っている、とまず抱負を述べた。

 中島氏は「自分たちがおもしろいと思うことを26話の中にぶち込んで、広げるだけ広げてそれをいかに紡ぐかがこれからの仕事。いままで見られなかったようなおもしろいものを作るので、26話付いてきてください」とコメント。

 錦織氏は「キャラクターを作る際に気をつけているのは、見る側にも、作る側にも分かりやすいキャラクターであること。シナリオ会議など最初のほうから参加しているので、シナリオの雰囲気をどれだけ絵で再現できるかが課題だと思っている」とのこと。吉成氏は「メカデザインを担当しているけど、監督のイメージがすばらしいのでそれをなぞっているだけ」と場内を笑わせる。

 「GAINAXとしてはロボットアニメをずっと作りたかったのだが、新世紀エヴァンゲリオン以降、21世紀になって“この時代にロボットアニメってどうよ?”と話し合っていく中で紆余曲折があった。行き着いたところは“おもしろいストーリーにかっこいいアクションだろう”ということ。単純な原点に戻ってきた」とプロデューサーの赤井氏。武田氏は「GAINAXも20数年がたち中堅となったが、今回は昔からアニメにかかわっている連中が作るのではなく、中堅でがんばっている人たちに作ってもらっている。ただし昔からの人たちも“まだまだいける”と負けていないと思う。これが今回のテーマにもなると思うが、これはまさにGAINAXを体現しているようなテーマ。そんな中で21世紀のロボットアニメを作っていく」と語った。

画像 樋口真嗣氏

 樋口監督は「個人的な話なんですが、中島さんに脚本をお願いしていたら『今石さんのアニメが遅れているので1カ月遅らせてくれ』と言われて、どういうことなんだと言いに来るつもりだったらこんなことになった(笑)」と語りつつ、「キューティハニー」で、樋口監督と今石監督、摩砂雪氏の3人で絵コンテを描いたが、そのときの今石監督の絵コンテを見て、若さのきらめきに嫉妬したとのこと。「でもあとで年を聞いたら変わらなかった(笑)」(樋口氏)。記者会見で流された映像を見た感想についても、樋口氏は「また嫉妬ですよ(笑)」と語る。

 「もう戻る場所はない」と語る樋口監督に、今石監督が「この絵コンテ作りますか?」と投げかけると、「ええ」と樋口監督。すかさず赤井氏が色めきだち、その場でいろいろな交渉が……。「中島さんの脚本が遅れれば遅れるほど時間ができるの?」(樋口氏)「絶対書きません(笑)」(中島氏)などなどのやりとりがあったあと、「完全にはめられている(笑)」(樋口氏)との結論に。樋口スペシャル絵コンテバージョンも登場するようだ。

 また中島氏は、「今石監督から『今度ロボットアニメをやるよ』と言われて、テーマはなにですかと聞くと、『ドリル』。それだけ(笑)」。これには樋口監督も驚いたようで、「ドリルと言っただけで26話作ったの?」と聞くと「ええそうです」と中島氏。「でもそのドリルという言葉の中に含まれるのはこういうことなんだなあというのは、見ていただければ分かる。いろいろな攻撃法が出てくると思うが、その1点からはぶれずに26話作っていくつもり」と中島氏は語る。

 そして「“ドリル”って言われて、最初はロボットにただドリルが付いているものと考えるでしょ」と赤井氏。「そのうちに、人類史はドリルなんだ、宇宙史はドリルなんだという感じになってくるんですよ。ぐるぐる回るんですよ宇宙というのは」と語るも、樋口監督は「何が何だかおれにはさっぱり分からない(笑)」。場内もさっぱり分からない。「ドリルと言うことを“らせん”という言葉に言い換えれば、リングもらせんだし、遺伝子もらせんだし、いろいろなものがらせんなわけ。だから大丈夫」と語る赤井氏。「まんまと言いくるめられている」という樋口監督の感想は、場内も同様だった。「スタッフはもう言いくるめられているので、あとはいかにプレスの皆さんを言いくるめて、最後に視聴者の皆さんを引き込むだけ(笑)」(赤井氏)。

 ストーリーについて中島氏は「大きくは4部構成。怒濤のように展開していく。最初は1人称で語られるが、あれよあれよという間に話が広がっていく」とのことだ。

 一体どのようなアニメになるのか? 2007年のはじめには放映が開始されるそうなので、期待して待とう。「放映時間や放送局については調整中。放映時間は、男のロボットアニメは夕方だろう、ということで夕方を目指しているが、深夜になったときは“何かあったんだろう”と考えてください(笑)」(武田氏)。

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(C) GAINAX/グレンラガン製作委員会


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