武装したピポサルたちの猛攻にたじたじ――でも、やめられないおもしろさ:「サルゲッチュ ミリオンモンキーズ」レビュー(3/3 ページ)
いつもの「サルゲッチュ」なら、逃げ回るピポサルたちを追いかけて捕まえるのが基本。でも、今回の「「ミリオンモンキーズ」」に登場するピポサルたちは、いつになく好戦的。逃げるどころか、最新兵器の数々で武装し、容赦なくプレイヤーに襲いかかってくる。こんなに強いピポサル、見たことない!
難易度は高いが、攻略法を模索するプロセスが楽しい
先ほども触れたように、エディットキャラでストーリーモードの各ミッションをクリアすると、ボーナスチップが入手できる。これには「カドミチップ」や「ノーベチップ」などの様々な種類があって、「ガチャメカラボ」で2つのチップを合成することにより、新しいガチャメカや、ガチャメカの性能を強化するパワーアップパーツなどが作れる。この合成方法には、作りたいものから選ぶ「レシピごうせい」と、何ができるかわからないが2つのチップを任意に選んで合成する「フリーごうせい」の2通りがある。今回のピポサルは本当に強くて、こちらの攻撃をしっかりガードするし、大勢で一斉に襲いかかってきたりするので、初期装備のまま全ミッションをクリアするのは至難の業。そこで、このガチャメカラボの活用が欠かせなくなる。
また、ストーリーモード以外にも、トーナメント形式の4ウェイバトルを勝ち上がっていく「コロシアムモード」や、画面分割により最大4人まで同時対戦できる「VS.モード」など、対戦格闘ゲーム風のモードも搭載されている。2年前に発売された「ガチャメカスタジアム サルバト〜レ」に近いイメージだが、ストーリーモードで使用したエディットキャラがこれらのモードでもそのまま使用できるので、ガチャメカラボのチップ合成で性能を強化したり、コスチュームにもこだわって参戦すると、楽しみ方がさらに広がりそうだ。
もう1つおもしろいのは、新宿や秋葉原など、実在の街がゲームの舞台になっていること。実際の街並みがパーフェクトに再現されているというわけではないものの、看板などの企業名は実在のものがそのまま使われているし、それぞれの街の雰囲気はよく出ている。その中でピポサルたちと派手なバトルを繰り広げるのは、何とも不思議な感じ。また、ミッションの幕間にときおりムービーが挿入されるが、その一部に実写映像が使われていて、これもシュールな笑いを誘う。
この「ミリオンモンキーズ」のパッケージ裏に「ピポサル、強えー!!」というキャッチが書いてあったのだけど、本当にその言葉通りだった……。過去のサルゲッチュシリーズと比べても、格段に難易度が高く感じられ、特にストーリーモードの後半は何度トライしてもなかなか突破できないミッションもあったほど。ただ、決して投げ出したくなるようなアンバランスさではなく、「あとちょっと工夫したらクリアできそう」と思わせる絶妙な難易度に調整されているのだ。ガチャメカラボで武器を強化してみたり、ミッション内容に適したガチャメカを選ぶなど、攻略に試行錯誤を重ねることが楽しいと思える。そして、難しい分だけクリアできたときの達成感もまた格別。一度クリアしても、別のキャラクターでプレイすると戦法がまたがらっと変わるため、何度も繰り返し楽しめそうだ。
欲をいえば、「2」にあった「ピポサルしょうせつ」や、「3」の「サルシネマ」のようなお遊びを今回も入れてくれたら、と切に思った。私がサルゲッチュシリーズを気に入っている理由の一つは、あの独特の不条理さが妙にクセになるというのもあるかもしれない……。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 東京近郊でピポサルをゲッチュ!――「サルゲッチュ ミリオンモンキーズ」
ソニー・コンピュータエンタテインメントは、プレイステーション2用ソフトとして7月13日に発売を予定している本作は、シリーズ栄えある10作品目のメモリアルタイトル。最強のピポサル相手にゲッチュ! - 「サルゲッチュ」アニメ化決定――4月8日よりゲッチュー