Production I.G×NISSAN――新作「攻殻機動隊」でコラボレーション
Production I.Gの新作「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」に、日産自動車のコンセプトカーが登場することに。これを記念して銀座・日産ギャラリーでトークショーが開催された。
Production I.Gの最新作となる「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」は、西暦2034年、公安9課から草薙少佐が去ってから2年が経過したときの物語。トグサが新たに組織を率いる立場となり、新メンバーも大幅に増員されて拡大した新生公安9課に、難事件が次々と巻き起こる。それを裏で操っているのは、「傀儡廻(くぐつまわし)」と呼ばれる超ウィザード級ハッカー。
ほかのメンバーと別ルートで事件を追跡していたバトーは、偶然に草薙と再会。しかし「“Solid State Society”に近づくな」という謎の言葉を口にして去る素子……。「傀儡廻」の正体は素子ではないのか?――バトーの脳裏に疑念がよぎる。
9課の前に立ちはだかる難事件すべてが、捜査線上で見事にリンクしていく。果たして「傀儡廻」の正体とは? そして“Solid State Society”の意味するものとは……。
トークショーにはProduction I.Gの石川光久社長、日産自動車のプロダクト・チーフデザイナーの中島氏、神山健治監督に加え、Production I.Gの社外取締役も務める、東京大学大学院教授 濱野保樹氏が司会として登場した。
今回のコラボレーションは、たまたま石川氏と日産自動車のクリエイターが出会ったことがきっかけだという。「クリエイターの方が、パトレイバーとか攻殻機動隊が大好きだということで話が盛り上がった」(石川氏)。その後、デザイナーと神山監督が意気投合して、コンセプトカーを登場させることになったそうだ。
ちなみに劇中に登場するコンセプトカー2台(日産「スポーツコンセプト」とインフィニティ「クラーザ」)は、すべて実際にある、原寸のデータから起こされているとのこと。「3Dで車の輪郭を描くアニメは多くなってきているが、今回はコンセプトカーの外装だけでなく、内装のモデリングデータもいただいて作成した。これは初の試みだと思う。テールランプも透過光を使っているだけでなく、円形のモデルに光源をあわせて描いている」(石川氏)。
こうしたコンセプトカーがアニメに登場することは、日産のクリエイターにも喜ばしいことだ、と中島氏。「わたしたちもバーチャルな世界から影響を受けるのはよくあること。この『日産スポーツコンセプト』はティーダが元になっているが、いかにティーダが突然変異したのかを見てほしい。一見、このあたりの通りを走っていそうでもあるが、バーチャルとリアルの狭間にある、現実的に見えて、非現実的なところを見てほしい」(中島氏)。
車に乗っているシーンが多い「攻殻機動隊」シリーズだが、神山監督によると、これは意識的に作っているとか。「かつてアメリカで“スーパー情報ハイウェイ”という考え方があったが、コンピュータ産業がインフラをエレガントに疾走しているイメージを視覚的に訴えるためにわざと車を多く出していた」(神山氏)。バトーが車好きであったりする設定もそのためで、今回のコンセプトカーも、ぎりぎり間に合うか間に合わないかのタイミングにもかかわらず、あえて挑戦したとのこと。「今回の新作も、トグサが活躍するだけでなく、9課のオールスターが大活躍するので是非見てください」(神山氏)。
なお、日産スポーツコンセプトは、東京・銀座の日産自動車 銀座ギャラリーにて8月5日〜8月14日の間展示されるほか、8月19日、20日に開催される「C3×HOBBY キャラホビ2006」でも展示。またキャラホビ2006では、神山監督や声優陣によるトークイベントも開催される予定だ。
「攻殻機動隊 S.A.C. meets NISSAN」 | |
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場所 | 日産自動車 銀座ギャラリー 東京都中央区銀座5-8-1 |
日程 | 2006年8月5日(土)〜8月14日(月) |
開場時間 | 午前10時〜午後8時 |
展示内容 | 日産「スポーツコンセプト」(国内初公開) 「攻殻機動隊 S.A.C. Solid State Society」トレーラー(本編予告編)映像放映 コラボレーション説明パネル、関連グッズ(原画、コンテ等)展示 |
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