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Xbox 360が爆発的に普及する方法は2つあるマイクロソフト Xbox事業本部長 泉水敬氏インタビュー(2/2 ページ)

年末までにトータルで約80タイトルを発売するというXbox 360だが、Wii、プレイステーション 3が控えている2006年だけに、これだけで万全とは言えないはずだ。そこでXbox事業本部長の泉水敬氏に、Xbox 360の今後の展開など、さまざまな話を聞いてみることにした。

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――プレイステーション 3、Wiiのほかに、Game for Windowsの存在が気になります。こちらも競合するような気がするのですが……。

泉水 ゲームをプレイするにしても、ゲームの種類によっては、テレビの前でリラックスしてプレイしたいものと、PCモニタの前で考えながら遊びたいものがあります。これ以外にも、移動中にケータイなどでカジュアルに遊びたいものがあるわけです。そういう意味では、Xbox 360の家庭における役割というのは、Game for Windowsが立ち上がることで弱まることはありません。むしろ補完しあうと考えています。PCの性能は上がっていきますが、コンテンツを作る側はそこまでの性能を要求しないと思います。Xbox 360とGame for Windows、どちらも同じようなコンテンツが提供できるはずです。ただ、両方のプラットフォームが存在することを考えると、これまでと違った展開も考えられます。われわれにとって、Game for WindowsとXbox 360の連動というのは、ゲームプラットフォームの広がりを作るという点でも相乗効果があると思いますし、ゲームのコンテンツを共有するという意味でも価値を高めてくれると考えています。両方で展開することによる弊害は少ないはずです。

――Xbox Live アーケードについても聞かせてください。こちらで配信されるタイトルは、Xbox 360の中でどのようなポジションになるのでしょう。

泉水 Xbox Live アーケードのアーケードが、(ゲームセンターの)アーケードゲームと関連づけられがちですが、実はそうではないんです。Xbox Live アーケードは“Xbox Live 商店街”という意味なんですね。ですから、そこで提供されるコンテンツに制約はありません。現在はカジュアルゲームを扱っていますが、容量の制約さえ守られれば、どんなゲームでもダウンロードしてもらえるんです。例えば、学生が作ったソフトを、世界中の人に配信することもできるわけです。流通のコストも掛かりませんし、将来的にはゲームのインディーズみたいな展開ができれば良いですね。

――学生作品のコンテストも面白いかもしれません。

泉水 それは良いアイディアですね。ぜひ参考にさせてもらいます。

photo ファーストパーティのタイトルとして、泉水氏も大きな期待を寄せる「ブルードラゴン」

――ここまでさまざまな話を聞いてきましたが、Xbox 360はどうすれば爆発的に普及すると考えていますか?

泉水 いくつか可能性はあると思いますが、爆発的に普及する方法として、分かりやすいものが2つあります。ひとつは「ブルードラゴン」などのタイトルが大ヒットすること。タイトルが爆発すれば間違いなくハードは普及します。これは昨年のニンテンドーDSを見ても分かる通り、ソフトがけん引するというのが一番分かりやすいパターンですね。ただ、規模的に一番大きな爆発ができそうなのは、Xbox Liveのコミュニティだと考えています。これは例えば、写真や音楽、映像をXbox 360を通じて楽しむことが定着するという意味ですね。つながっているゲーム機の在り方が定着してくれば、ひとつの社会現象にもなり得るはずです。Xbox Liveはオンラインゲームだけでなく、追加のコンテンツをダウンロードできたり、デモ版を遊べる、ゲーム以外でも映像コンテンツも配信しているサービスです。このオンラインサービスが認識され、受け入れられることが、ひとつの起爆剤になるのではないかと考えています。

――発売時期が早すぎたと考えたことはないのでしょうか?

泉水 他機種と同じ時期に発売というアプローチも選択肢としてはあったと思います。ただ、われわれは先行させる判断をして、その結果として得られたものがあります。サードパーティさんともいろいろな経験をしながら、次世代ゲームの課題のようなものをひとつづつ解決してきましたし、それがあったからこそ今のクオリティ、ラインアップがあるんです。広告キャンペーンの展開についても、新しいものを伝えるのは難しい中で、効果的に伝えられる方法を見つけられました。これは同時に発売すると得られなかったものですから、決して早すぎたとは考えていません。

――年末に向けてのアピールの場としては、9月に東京ゲームショウ2006があります。

泉水 アピールの場という意味では、まず店頭でのアピールを強化したいと考えています。これは東京ゲームショウ2006を待つまでもなく、店頭を通じてすぐにでもできることです。具体的にどうするかは決まっていませんが、できるだけ効率的かつ効果的な方法で、店頭でのアピールをしたいですね。ただ、大きな発表も含めた展開が始まるのは、東京ゲームショウ2006になります。柱は年末に向けての豊富なラインアップのアピールと、Xbox 360の価値をできるだけストレートに伝えることです。奇をてらう必要もなく、ゲームやハードの良さをストレートに伝えるのが、今回は一番良いと考えています。凝った映像を作っていただくよりは実際に遊べるものですね。Xbox 360の機能にしても、こんなことができますよではなく、これを使った時にはこんな体験ができますよ、というユーザー視点からの紹介をしていくつもりです。

――映像よりも実際に遊べるものと言いましたが、プレイアブルは何タイトルを考えていますか?

泉水 実はタイトルを選ぶのが大変なんです。スペースは限られていますし、出せる数にも限界がありますから。今回は過去に例のないほど、選択に困っていますね。全部並べることもできるかもしれませんが、そうなると人気タイトルの台数も減ってしまいますし、悩みは尽きないところです。

――最後にユーザーに向けてひと言いただけますでしょうか?

泉水 Xbox時代や、Xbox 360を発売してからも、タイトルのラインアップが十分ではないという意見をいただいていますが、年末に向けて、これまでと比べても最高のものが用意できると考えています。そういう意味では安心していただきたいですし、期待していただきたいですね。有名タイトルも出てきますが、そうではない新しいフランチャイズにもぜひトライしてもらいたいです。そこには皆さんを“あっ”と驚かせる体験が必ず待っていますから、あまり先入観を持たずに、チャレンジしてもらいたいです。まだユーザーではないという皆さんは、ぜひ東京ゲームショウ2006のブースに来ていただいて、実際に触っていただけたらと思います。

――本日はありがとうございました。

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