さらにヒートアップして帰ってきたトンデモ武将たち。ありえなすぎるよ、戦国時代:「戦国BASARA2」レビュー(1/2 ページ)
2005年7月に発売され、世のゲーマーと戦国時代ファンに衝撃を与えたインパクト抜群の痛快アクションが、さらなる進化を遂げて帰ってきた。大幅なボリュームアップに加え、独特のおバカなノリにも、さらなる磨きがかかっている。
“あの”戦国が帰ってきた
「戦国BASARA」とは、カプコンが2005年7月に世に放った異色のスタイリッシュ英雄(HERO)アクションゲームである。そのタイトルにある通り、題材となっているのは群雄が割拠する戦国乱世。織田信長とか徳川家康が戦ったり戦わなかったりする、いわゆる戦国時代を舞台に、有名武将たちが大活躍する内容だ(前作のレビューはこちら)。
戦国時代が題材のゲームはこれまでにも数多く世に出ているが、この作品は一味も二味も違っていた。どの辺が違っているのかは、後ほど詳しく書くとして、その「戦国BASARA」の続編となる「戦国BASARA2」が、前作の発売から約1年を経て、満を持して登場したのである。
その内容は前作のグレードアップ版といった感じで、システムの面でも物語の面でも、前作の内容を多分に含んでいる。だから、前作をプレイしていないからといって、手に取るのをためらう必要はまったくない。むしろ内容がより充実した「戦国BASARA2」から始めるのが大正解。前作が気にはなっていたんだけど、今一歩踏み込めなかったという人ならなおさらだ。
戦国の英雄たちが、跳んで走って大爆発?
「戦国BASARA2」の基本は、プレーヤーキャラクターとなる有名な戦国武将を操作し、戦場を駆けぬけ、群がる敵兵をバッタバッタとなぎ倒しつつ、最後は敵軍リーダーである武将を倒してステージクリアというもの。クリア後には、倒した敵に応じて経験値が入るほか、キャラクターが成長して体力などが上昇したり、武具や各種アイテム、お金などが手に入る。それによってキャラクターは強化され、より難しいステージにも対応できるようになるわけだ。
具体的な操作としては、移動、ジャンプ、通常技・固有技による攻撃、バサラ技・戦極ドライブの発動、ガード、回避、挑発などがあり、特定のステージでは馬に乗って特殊な移動や攻撃を行うこともできる。
基本中の基本となるのは通常攻撃で、すべてのキャラクターは、ボタンを連打することで8連続までのコンボ攻撃を出すことができる。ただし、使用キャラクターによって性能はかなり異なり、リーチや攻撃範囲、コンボの間隔などに個性があるため、間合いやコンボを何発目まで出すか? といったキャラクターごとに工夫が必要となる。また、どのキャラクターでも、コンボを最後の8発目まで出しきった後は、決めポーズを取るなどの動きが入りすきが生じてしまう。周りに敵が多く残っている場合は、7発目でコンボを止めるのもポイントだ。
固有技というのは、各キャラクター専用の特殊な攻撃やアクションで、いわゆる必殺技のようなもの。最初は2種類ずつしか使用できないが、レベルを上げていくことによって、最大7種類まで習得することができる。技の内容にもよるが、通常技コンボの途中から固有技へとつなぎ、連続技を華麗に締めるのがセオリーだ。
どのキャラクターのどの技も派手で格好いいものばかりだが、各ステージで使用できるのは2種類まで。3種類以上習得している場合は、出陣前の準備画面でどの技を持っていくかを決めなければならない。出陣するステージの特徴が分かっているなら、それに合わせてチョイスするのがいいだろう。
バサラ技は、バサラゲージが満タンの時に、それを消費して出すことができる超強力な攻撃。使える機会が限られているので、敵の大群を一気に壊滅させたい場合や、強力な敵武将との戦闘など、ここぞというタイミングを選んで使用したいところだ。また、使用中は敵の攻撃を受けつけなくなるため、体力が残りわずかのピンチなどでも役に立つ。
なお、バサラゲージは敵を攻撃したり、逆に敵の攻撃を受けたりすることで、少しずつ増えていく。つまり、敵がある程度いないとゲージをためることができないのだ。ボス戦までにゲージをためておきたい場合などは、残りのザコ敵の数などにも注意を払っておく必要があるだろう。
戦極ドライブは、本作から新たに登場したシステムで、一定時間、キャラクターのあらゆる能力が強化されるというもの。加えて、戦極ドライブ発動中に使ったバサラ技は、さらに強力な究極バサラ技へと変化する。ただし、戦極ドライブを使用するために必要な戦極ドライブゲージは、最低でも敵を100人倒さなければチャージされないため、バサラ技よりも、さらに使用する機会は限られてくる。対ボス戦で使用して一気にラッシュをかけ、効果が切れる前に究極バサラ技を出して大ダメージ、というような使い方が基本となるだろう。
ガードと回避は、同じボタンを使って行う防御行動。ボタンを押し続けていると、敵の攻撃を防御するガード状態となり、ガードボタン+方向入力で、無敵状態で短距離移動を行う回避となる。また、少し上級のテクニックとしては、敵の攻撃がこちらに当たる瞬間にガードボタンを押すことで、攻撃をはじき返すこともできる。これらは地味なアクションではあるが、ここぞという時に重要になってくるものばかりなので、きちんと使いこなせるようになっておきたいところだ。
鳴かぬなら 殴って泣かすぜ ホトトギス
まずは基本システムについて説明してきたわけだが、ここまでなら「戦国BASARA2」は、戦国時代を舞台にしただけのアクションゲームで完結してしまう。しかし、冒頭でも書いたように、本作はこれまでの戦国ものとは一味も二味も違う作品となっている。その理由は、とても戦国ものとは思えないようなブッ飛んだ世界観とキャラクター、そして、それらに基づきゲーム内で表現されている、格好良くもおバカな演出の数々だ。
例えばキャラクター。伊達政宗は英語を使いこなし、片手で3本ずつの刀を振るう“六爪流”の使い手で、配下の伊達軍は“ケンカ上等でそこんとこヨロシク”なヤンキー武士団だ。怪しい鎧に身を包んだ織田信長は、まさにファンタジーものにでも出てきそうな“魔王”そのもの。深紅のマントをなびかせ、戦場ではショットガンをぶっ放す。
その信長を本能寺で殺した明智光秀は、相当アレな快楽殺人者。本能寺の変ののち、豊臣軍によって拘束具をつけられ幽閉されていたが、某レクター教授よろしく牢番を噛み殺して脱走し、“実は生きていた”信長を求めて戦場へ。
四国の雄である長曾我部元親は、眼帯をつけ、肩にオウムを留まらせた海賊船長。自分を“アニキ”と慕う海の男たちとともに、天下統一はどこへやら、日本全国のお宝を求めて各地に上陸しては大暴れする。新キャラクターの豊臣秀吉は、従来のイメージを覆す寡黙な巨漢で、拳を突き上げて天を割ったりする覇王。その強大な軍事力で、地面からニョキニョキ城(一夜城)を生やしたりする。
そのほかにも、半裸で戦場を走り回る前田利家、ダンナや甥(前田慶次)に食わせる料理を作るため、他国から食材を強奪する利家の妻まつ、体育会系で無駄に暑苦しい真田幸村、明らかにメカな本多忠勝、二丁拳銃やガトリング砲を撃ちまくる濃姫、謎の新興宗教の教祖ザビーなどなど、プレーヤーが使用できるスーパー武将(中には忍者や農民もいるが)たちには、かなり濃いキャラクターがそろっている。
プレーヤーキャラクター以外に、各ステージに敵として登場するザコ兵士や配下武将などにも注目だ。北国の農民一揆衆には、美少女(?)リーダーのいつきを守る親衛隊がおり、ピンクのはっぴ姿で“いつきちゃーん!”と雄叫びを上げる。四国の長曾我部領ではカラクリ巨大歩行兵器やカラクリ仁王像(どっちも木製)が攻撃してくる。ザビー教との戦いでは、信者たちに“ボンレス”などという洗礼名を勝手につけられたり、実家に腐ったイカを送りつけられたりする。個人的にツボだったのは、伊達軍の騎馬武将がこちらに突進しながら叫ぶ“盗んだ軍馬で走り出すぜ!”……やっぱりすごすぎるよ、戦国時代。
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