夢の完全再現にまた一歩近付いた――次世代パワーが描き出す美麗な首都高:「首都高バトルX」レビュー(2/2 ページ)
元気の看板タイトル「首都高バトル」の最新作が、満を持してXbox 360に登場。1994年5月発売のスーパーファミコン版「首都高バトル'94」からシリーズ通算10作目となる本作、節目を飾るにふさわしい作品になったのだろうか。
クルマは見た目のカッコよさも大事
バトルでの勝利を重ねてCPを稼いだら、チューニングショップで愛車の性能アップを図りたい。「首都高バトル」はバリエーション豊かなカスタマイズがウリの1つであり、ほかのレースゲームには見かけないような通好みのカスタマイズが用意されているからだ。
今回もその例に漏れず、目新しいものとしてドアのガルウイング化やバイナルグラフィック(さまざまな形に切ったカッティングシートをボディに貼り付ける)などが可能になった。また、新たなカテゴリーとして「INTERIOR(内装)」が登場。シートやステアリングの変更したり、走り屋仕様とも言うべき3連メーターを装着することができる。内装のカスタマイズは性能アップにつながらないが、愛車への思い入れは間違いなくアップする。資金に余裕があれば、ぜひ行いたいチューンアップだ。ちなみに筆者が真っ先に行ったカスタマイズは、エンジン回りや足回りではなく、RECAROのバケットシートの装着。走行中は見られないのだが……。
(写真右)愛車の内装も細かくカスタマイズ可能。レース中は、運転席からの視点にすれば、車内を堪能できる。お守りは渋くてオススメだ
一番のハイライトは新コースの追加
環状線からスタートし、新環状線、湾岸線、横羽線、横浜環状線と、作品を重ねるごとにその規模を拡大させてきた本シリーズの首都高。新宿の出入口を頻繁に利用する新宿区在住の筆者にとっては、3号渋谷線と4号新宿線が追加されると聞き、ちょっと小躍りしてしまった。
この情報を知ってから、筆者の頭の中は新コースで埋め尽くされてしまった。“代々木付近のS字なんか面白いだろうな”、“環状線にはどうやって戻ってくるのだろうか。この2線だけ一方通行なのかな?”なんて妄想が絶え間なく浮かび上がり、レースに集中できなくなってしまったのだ。
そこで、最初からすべてのコースを走れるFREE RUN MODEで実際にプレイしてみると、“その手があったか!”と思わずうなってしまった。渋谷線のほうは、出口を降りて六本木通りを直進し、旧山手通りとの交差点をUターンして再び渋谷線に乗る形。そして新宿線のほうは出口を降りた後、右折して地下道に入り、新宿駅西口のロータリーを回って戻ってくるという形──つまり、下道まで再現してしまったのである。この調子だと、5号池袋線や6号向島線が再現される日も近いのだろう(東京以外の在住の方、分かりにくくてすみません……)。
シリーズ未体験の人にオススメ
さて、個人的には十分満足なレベルにある本作だが、残念な点が2つある。1つは、湾岸線や横羽線が収録されなかったこと。これによってボリュームがダウンしたのは事実で、テクニカルな環状線とハイスピードの湾岸線の対比を楽しめなくなったのが残念でならない。なお、「首都高バトル01」で収録された名古屋高速と阪神高速も姿を消している。関西圏のユーザーの中には、ショックを受けている人も少なくないだろう。
そしてもう1つは、QUEST MODEを進めてもノーマルカーのラインナップが増えない点が挙げられる(スタート時に選べる18車種のみ)。「首都高バトル01」では国産車だけでなく、ロータスやフォード、メルセデスなども手に入れられただけに、これはちょっと寂しい。Xbox Live経由で湾岸線や横羽線を配信、なんてことは無理だとしても、新しいクルマの配信ならと思ってしまうのは、決して筆者だけではないはずだ。
上記2点によって、これまでのシリーズを遊び倒してきたヘビーユーザーの中には、物足りないと感じる人もいるだろう。だが、筆者にように、実在の首都高をゲームの中で走れることに楽しさを感じている人は、ぜひともプレイしてほしいものである。また、シリーズ入門編としては適度なボリュームなので、未体験の人には特にオススメしたい。
首都高バトルX | |
対応機種 | Xbox 360 |
メーカー | 元気 |
ジャンル | レース |
発売日 | 発売中 |
価格 | 7140円(税込) |
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