アイドルのマネージャーには幅広い知識が必要なのだ！：「クイズ きらめきスターロード」：レビュー（2/4 ページ）

クイズに答えてアイドルを育成する「クイズ きらめきスターロード」がニンテンドーDSに初登場。かわいい女の子たちに“萌え”ていてばかりでは芸能マネージャーは務まらない。中身はしっかりと知識や雑学を問われる正統派クイズゲームなのだ。

[仗桐安，ITmedia]

ストーリーモードで栄光をつかめ

　1人で遊ぶ場合はストーリーモードをプレイすることになる。ストーリーモードは○×問題、4択問題、ミニゲームなどが物語に沿って収められており、全部で10ラウンドある。難易度は「やさしい」、「ふつう」、「むずかしい」の3種類があるので、クイズに自信がない人は「やさしい」から始めてみるといいだろう。ただし「やさしい」のほうが難易度は低いが、正解ノルマが少ない分、1問1問の重みがあるので、イージーミスなどをしないように気をつけたい。

　各ラウンドのクイズでは、たいていの場合ジャンルセレクトができる。「芸能」「スポーツ」「学問」「おたく」という4つのジャンルから選ぶことができるうえに、ラウンドによっては、さらに細分化された4ジャンル（例えば「芸能」なら「音楽」、「テレビ＆芸能人」、「映画」、「グルメ＆料理」）から選択することも可能だ。

得意ジャンルで正解率を上げていこう！ちなみに筆者はスポーツ問題が苦手。その他のジャンルはまずまずの成績を修めることができている

　得意分野だけを攻めていけば正解率も上がるはずだが、その場合パラメータや支持層に偏りが出るという設定がおもしろい。スポーツ問題ばかりをこなしていたら若者の支持がぐんと上がったり、学問の問題で多く正解したら老年層の支持が上がったりする。万人に愛されるアイドルになるためには、偏りのない知識が必要というわけだ。そのほかにも、各ラウンドでの選んだジャンル、正解数などがその後の展開に細かく影響を与えたりするので油断ならない。

上画面のパラメータに注目。特定のジャンルばかりやっているとこのようになってしまう

　ただし、本作の大きな特徴とも言えるのが、クイズゲームにしては珍しい「いくら間違えてもゲームオーバーにならない」という要素だ。従来のクイズゲームであれば「おてつきをするたびにライフなどが失われて、最終的にはゲームオーバーになる（コンティニューでやりなおし）」というパターンが多かった。本作では正解することで即答ライフが上がっていく（より早く正解するほどライフが上がる）のだが、もし全問不正解でも次のラウンドには進める。とにかくエンディングまではたどりつくことができるのだ。

おたく問題のパラメータが突出した状態でクリアしたら……アイドル声優になりました。これはこれで納得いくエンディングではあります

　プレイ開始からエンディングまでは早ければ20分弱、問題数の多い「むずかしい」をまったり解いても40分はかからないだろう。しかし、本作の真の面白さは1度、2度クリアしたくらいでは味わえない。マルチエンディングを採用しており、3人合わせて40以上のエンディングが用意されているからだ。前述したように、どれだけクイズの成績が悪くてもエンディングまでは到達できる。ただし、よりよいエンディングを見ようと思ったらクイズで好成績を修める必要があるわけだ。

　一口に「好成績を修める」と言っても、これが簡単なようでなかなか難しい。クイズはいずれもしっかりとした正統派問題ばかりで、2006年現在でのタイムリーな芸能問題もあれば、誰でも知ってる常識問題、歴史や数学に関する難解な問題、アニメに関するマニアックな問題、昔の野球選手に関する問題など、幅広い問題が多数収録されている。その数、実に10000問。携帯ゲーム機のクイズゲームということを考えれば、十分にボリュームがあると言っていいだろう。

　節目節目でオートセーブされ、いつ電源を切っても続きから始められるようになっているのは携帯ゲーム機としては及第点。2、30分でワンプレイが終わる、という長さも携帯ゲーム機でのプレイを配慮したものだろう。1度エンディングを見ても、他のエンディングが気になるのでまた最初からやろう、と思わせるくらいの気軽さがある。しかし、すべての要素を見ようと思えばそれなりにやり込む必要があるので、長く遊べる一本にはなりそうだ。

すべての操作はタッチペンでの操作を前提に作られているが、十字ボタンやAボタンなどを使った操作にも全対応している、というのが細かいながらも嬉しい配慮。いずれかやりやすいほうでプレイすることができる。