“大作”で勝つ──ドコモが狙うケータイゲーム市場(1/2 ページ)
従来の90xiシリーズから大幅にアプリ容量を拡大──ドコモは903iシリーズで実装するiアプリ「メガiアプリ」の仕様を端末に先駆けて発表した。ケータイで音楽の次はケータイゲーム。魅力的なゲームタイトルの投入とリッチになった「メガiアプリ」を武器の1つとして番号ポータビリティに臨む。
これが本当にケータイゲームなのか──そう驚いてもらえるだろう。
NTTドコモは9月15日、903iシリーズの発表に先駆けて同シリーズのiアプリ仕様を公開。登壇したNTTドコモ コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長の山口善輝氏はこう声高に宣言した。
903iシリーズに搭載するiアプリ「メガiアプリ」は、従来機種の、本体プログラム領域100Kバイト/本体データ保存領域400Kバイト(一部機種のみ外部メモリにもデータ保存が可能)の制限から大きく拡張されたのが大きな特徴となる。プログラム領域と本体データ保存領域の容量を問わず、双方合計で最大1Mバイト使用可能に。さらに(miniSDなど)外部メモリへのデータ保存に全機種で対応し、事実上、データ保存領域も無限大に拡張できるようになった。
メモリ領域 | 本体メモリ/プログラム領域 | 本体メモリ/データ保存領域 | 外部メモリ/データ保存領域 |
---|---|---|---|
メガiアプリ(903iシリーズ) | 最大1Mバイト(プログラム/データ保存領域は可変) | 全機種対応 | |
90xiシリーズ | 最大100Kバイト | 最大400Kバイト | 一部機種(「P902i」「902iSシリーズ」「DOLCE SL」「N902iX HIGH-SPEED」)のみ対応 |
505iシリーズ | 最大30Kバイト | 最大200Kバイト | ─ |
504iシリーズ | 最大30Kバイト | 最大100Kバイト | ─ |
503iシリーズ | 最大10Kバイト | 最大10Kバイト | ─ |
ドコモ90xシリーズは2006年8月末現在で累計2592万台、70xシリーズは同じく857万台を販売しており、その数は家庭用主要ゲーム機に匹敵、ニンテンドーDSなど単一端末としてのみで比較するとそれ以上となっている。iモードゲーム市場もゲームコンテンツ売上高で約31億円/ユニークユーザー数で約1175万人だった2005年6月期に対し、2006年6月時点で約36億円/1300万人に達し、市場規模も着実に拡大した。
今回、バージョンアップを行う背景には、2500万台を超えた累計の端末販売台数や定額料金制度(パケ・ホーダイ)の普及、端末のCPU速度/ポリゴンエンジン速度/液晶の高精細さ/外部連携など(外部メモリへの保存)機能が向上してきた現状もあった。
ドコモ山口氏は、「技術先行でいきなりハイスペック化するのではなく、端末の普及速度とコンテンツが充実してくる速度などを見極めながら、ステップバイステップでプラットフォームをバージョンアップしてきた。ケータイをゲーム端末とするなら、主要ゲーム機に匹敵する台数を出荷し、CPU速度なども向上した。今回、まさに“機が熟した”といえるだろう」と述べる。903iシリーズはアプリ容量の拡大だけでなく、900iシリーズとの2D描画性能比較で平均約5倍、901iシリーズとの3D描画性能比で平均約3倍の速度向上が見込まれる。
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