「ヘルゲート:ロンドン」の本気度を体験してください――バンダイナムコゲームス:東京ゲームショウ2006(1/2 ページ)
東京ゲームショウのバンダイナムコゲームスブースにおいて、日本語版が試遊できる「ヘルゲート:ロンドン」の説明会が行われ、バンダイナムコゲームスの本気度を宣言した
約3年かけて見えてきた終着点――「ヘルゲート:ロンドン」日本語版初公開
ビジネスデーにあたる22日、東京ゲームショウ2006のバンダイナムコゲームスブースにおいて、「Hellgate:London(ヘルゲート:ロンドン)」の説明会が行われ、フラッグシップ・スタジオCEOのビル・ローパー氏らがその魅力を語った。
全世界同時展開を目論む「ヘルゲート:ロンドン」は、北米でのクローズドβテストを待たずしてすでに日本語版がプレイアブルで出展されている。英語版は昨年発表会も行われ、今年5月にロサンゼルスで行われたE3 2006においても試遊することができた。
フラッグシップ・スタジオがPCゲームソフト「Diablo(ディアブロ)」シリーズの開発を手がけたクリエイターたちによって設立された会社であるという実績は、北米、欧州、日本の販売権を獲得したバンダイナムコゲームスの本気度を表している。
説明会にはバンダイナムコゲームス代表取締役副社長の鵜之澤 伸氏とコンテンツ制作本部 第7制作ユニットで本作のプロデューサー菊野秀則氏、そしてフラッグシップ・スタジオCEOのビル・ローパー氏が登壇した。
本作は、悪魔達の侵略と地獄の業火で焦土と化した近未来のロンドンが舞台。プレーヤーはわずかに生き残った人類として、暗黒の魔の手から人類の血脈を守るため、科学と魔術の融合した様々な力を発揮しながら、人類の平和を取り戻すことになる。
ローパー氏は本作で、“RPGの奥深さ”と“FPSの世界への没入感やアクションの緊張感”を融合させた新しいゲームシステムの確立を目指した。イベント・アイテム・ステージ・モンスターを多数用意するだけでなく、プレイするたびに世界が自動生成されることで、常に新しい体験が提供されるというわけだ。
プレーヤーはヒーローとなり、デーモンと戦いクエストをこなしていく。様々な難易度のステージを渡り、より高度なスキルを身につけながらゲームを進めていく。“遊び応え抜群で、かつ柔軟性溢れるスキルシステム”と“じっくりとカスタマイズが楽しめるアイテム要素”、そして“ランダムに生成される大規模な多種多様の装備類”により、自分だけのヒーローを育成し、自分だけの体験を楽しむことができる。
菊池氏が本作の特徴として挙げるのは、RPG要素とFPSでのシューティングアクション要素を融合させた点。そしてゲーム世界に入り込める1人称視点も備えながら、自由に3人称視点に切り替えが利く点だ。
シングルプレイでマルチプレイが用意され、どちらにおいても壊滅した未来のロンドンの深部へと降りていく。街の奥深くに埋没した古代の遺跡、破壊された教会、生存している人類が身を隠している伝説の地下都市など、事実と伝承が交差する中、プレーヤーは人類の未来のために、悪魔たちに立ち向かう。悪魔たちは多種多様で、特有の属性やアビリティ、弱点などを持つ。
対するプレーヤーにもさまざまな「クラス」が存在する。東京ゲームショウバージョンでは、「Templar」(テンプラー)と「Cabalist」(カバリスト)の2種類が確認できたが、このほかにもプレーヤーキャラクタークラス(ジョブ)は存在するらしい。各クラスには特有のビジュアルやゲームプレイスタイルが用意され、ランダムに生成されるアイテム類によっては、個性的に育てていくこともできる。
前述したが、本作ではさまざまなものがランダムで生成されていく。それはステージやアイテム・武器だけでなく、突発的なチャンスイベントであったり、サイドクエストであったりと、毎回同じプレイ内容にならないよう配慮されている。プレイで得た武器などは他者と交換も可能。これはコミュニティを重視したからなのだとか。プレーヤーは剣や銃器、特殊な法具のような対悪魔武器を手に、ロンドンの街から悪魔を一掃せんと奮闘するのだ。
ビル・ローパー氏インタビュー
説明会では手応えを感じていると語ったローパー氏に、ちょっとだけ個別インタビューをしてみた。
―― 東京ゲームショウを楽しんでらっしゃいますか?
ローパー すごくワクワクしているんだけど、説明会があったりで実はまだ観ていないんです。次世代機関連はもちろんですが、「ファイナルファンタジー」シリーズのファンなのでスクウェア・エニックスブースは楽しみにしているんです。個人的には任天堂関連のゲームも興味あるので、これらのタイトルもチェックしたいです。
―― ずばり「ヘルゲート:ロンドン」は、いつ頃サービス開始を予定していますか?
ローパー 開発状況はこれから精度を上げていくといった段階。ただし今年中には北米でクローズドβテストを行いたいと思っています。ちょっとずつ拡げていきますが、詳細は未定です。
―― 日本語版ならではのものは?
ローパー 日本語版では“らしい”言葉遣いであったり、特有のことわざであったりと、ただの英語の直訳にならないようにしたいと思っています。その国ごとの文化や風習を加味した細かなところに手を入れていきたいですね。クラスなどについては世界共通にしますが、クエストやイベント、アイテム、武器などは地域ごとにユニークなものを用意する準備がある。特にイベントはその地域にある神話や物語を背景にした文化を取り入れて出していきたいと考えています。
―― 本作はなにかしらの文化なりの下敷きであったり、インスパイアされた作品などはあるのですか?
ローパー さまざまな影響は受けていますが、これと断言できるものは特にありません。チームで持ち寄ったさまざまな要因がこの世界を築き上げたのです。当時、「ハーフライフ」や「ディアブロ」を組み合わせたようなゲームを作ろうと、フラッグシップ・スタジオを立ち上げたわけですが、それにストーリーをちゃんと入れ込もうと話し合いました。ロンドンという土地を選んだのは、長い歴史があり、時代時代で変化を遂げているという点です。ロンドンは現存する建物の下に遺跡があったりと、積み上がってできた都市という印象を持っていました。そんなさまざまな様相を見せてくれるロンドンを舞台にしたらどんなゲームになるんだろうと考えたわけです。それからはたくさん資料を見ましたね。特に世界史は。テンプル騎士団やカバリスト、アリストクラストなど実際のクラスとなる背景を学んだわけです。
―― ゲーム性にも物語が重要視されてますが。
ローパー 説明会でも触れましたが、RPGの物語性とFPSのシューティングアクション要素を融合したのが本作です。ゲーム世界に入り込める1人称視点も備えながら、自由に3人称視点に切り替えられます。武器やアイテムもシームレスに着脱でき、敵と対した時にストレスを感じさせないようにしています。
ゲームに必要なのは“チーム”と語るローパー氏。クリエイターが知識や技術をためこむのではなく、実際ゲームに入れてみて、それを共有することが大事とのこと。自由にゲームにアイディアを投影し、いいものは残し悪いものはなくすということが容易にできる“チーム”づくりが、良作を生むのではないかと、フラッグシップ・スタジオの環境を誇る。
本作のビジネスモデルについてはまだ未定のままとなっている。どういう形態でのサービスになるのかもこれから決めるとのこと。
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