プレーヤーの手で「悪魔合体」が可能に――「女神転生 IMAGINE」はMMORPGならでの進化を遂げている:「女神転生 IMAGINE」インタビュー
ケイブが今冬にサービス開始を予定している「女神転生 IMAGINE」。このたびはプロジェクトディレクターの谷川ハジメ氏に、本作のデモプレイを交えながら、さまざまな話をうかがう機会を得ることができたので、その模様をお伝えしていこう。
ケイブが今冬にサービス開始を予定している「女神転生 IMAGINE」。本作は「真・女神転生」と「真・女神転生II」の間の時代を描くべく開発が進められているMMORPGである。このたびは、プロジェクトディレクターの谷川ハジメ氏に、本作のデモプレイを交えながら、さまざまな話をうかがうことができた。
谷川氏によるデモプレイがスタートし、まず驚いたこと。失礼な話ではあるが、それは“動いている『女神転生 IMAGINE』を見ることができた”ことにある。反応の悪さや視点の引っかかりなど、谷川氏自らも「完成度まではまだまだ」と語ったように、詰めるべき部分はたくさんある。だがそれでも、「MMORPGの基本となる要素はだいたい入っている」(谷川氏)とする「女神転生 IMAGINE」を見ることができた。それだけで感慨深いものがあったのも事実だ。
さて、ここで「女神転生 IMAGINE」について簡単に述べておこう。先にも述べたように、本作は「真・女神転生」の直後に当たる、大破壊後の東京が舞台となっている。プレーヤーは悪魔と契約を結び、使役する存在「デビルバスター」という設定。ほかのデビルバスターと協力しながら、大破壊と神秘的な力により出現した、悪魔の巣窟と化したダンジョンに挑むこととなる。
デモプレイでまず見せてもらったのは、拠点となる街のひとつ「第三ホーム」。ここでは悪魔合体を行うための施設「邪教の館」の紹介が行われた。念のため説明しておくと、悪魔合体とは、2体以上の悪魔を掛け合わせることで、種類の異なる悪魔を作り出すことができるというもの。「女神転生」シリーズの最大の特徴といっても過言ではないシステムとなっている。
利用するためには料金を支払うことになるとはいえ、さぞ重宝する施設になるのだろうと考えていると、谷川氏は邪教の館の説明をあっさり終わらせてしまう。詳細を話せる段階ではないのかと疑問を抱いていると、その空気を察したのか、谷川氏は「実は本作ではプレーヤーも悪魔合体をできるんです」と、何とも衝撃的なコメントを行ってくれた。
「パラメータを伸ばしてキャラクター固有の性能を伸ばしていくレベルアップのほかに、『エキスパートシステム』というものがあります。これは熟練度のようなものと考えてもらえると分かりやすいかもしれません。合体のエキスパート、交渉のエキスパート、剣または銃のエキスパート、攻撃または回復魔法のエキスパートなどがあり、例えば合体のエキスパートを高めていけば、宝石やマグネタイトの消費量が少なくなったり、邪教の館の主の能力をしのぐ能力を身につけることができます。それと、ほかのプレーヤーの悪魔合体を引き受けることも可能です」(谷川氏)
続いて紹介されたのは戦闘シーン。ここではプレーヤーと召喚した悪魔によるコンボ攻撃や、ボタンの連打による連続攻撃を確認することができた。とは言え、特筆すべきはこの2点ではなく、谷川氏がプレイ中“敵の攻撃を極力食らわないようにしていた”ことにある。
「女神転生」シリーズと言えば、プレーヤーキャラクターが良く死ぬタイトルとしても有名だが、本作にもそれが反映されているということだろうか? この疑問を谷川氏にぶつけてみると、「防御や回避をしっかりと行わないと敵から連続して攻撃を受け、何もできないまま死ぬことはあります。場合によっては悪魔を見殺しにする、または自分が死んでも悪魔がどうにかしてくれるなら任せるなど、そのシチュエーションごとに判断することが大事ですね」との答えが返ってくる。
しかし、これまでのシリーズタイトルがそうであったように、どんなに注意していても死んでしまう時は死んでしまうのも事実だ。MMORPGである本作の場合、こうなると気になるのはデスペナルティである。谷川氏はこちらについて、「戦闘がきつめですし、精神的な負担を減らすべく、デスペナルティは大きなものにはしないつもりです。一撃死もないように、今はこの辺りのバランスを整えているんです」と語る。具体的にどの程度のペナルティを想定しているかまではコメントをもらうことはできなかったが、一撃死がなくなるだけでも、プレーヤーの負担は相当軽くなるだろう。
なお戦闘中、悪魔はプレーヤーを自動追尾する。指示は割り振ったキー、または自動で行わせることができるという。悪魔は1キャラクターにつき6体までしか所持することができないが、「ストックする場所は作る予定」(谷川氏)とのことだ。
気になるβテストの時期については「もうまもなく」とだけ答えた谷川氏。最後には待ちわびるファンに向けてコメントを求めたところ、「『女神転生』ファンだけでなく、MMORPGファンに向けても作っているタイトルです。この世界にいたいと思ってくれることが一番ですので、(βテストが始まった時には)どんなことでもフィードバックしてください。キャッチボールをしながら、『女神転生IMAGINE』の1年後、3年後、5年後……を作っていきましょう」と語ってくれた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.