あらゆる面で“進化”したポケモンの世界は、宝石のようにキラキラとまぶしい:「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」レビュー(3/4 ページ)
ついに「ポケットモンスター ダイヤモンド・パール」が発売された。初代「ポケットモンスター」の登場から今年でちょうど10年。ニンテンドーDSというユニークなハードで発売された最新ポケモンは、10年の歳月を経て、いかなる進化をとげたのだろうか。
ニンテンドーDSというハードがもたらした、ポケモンの“進化”
そんな手堅く前作を踏襲している本作ではあるが、もちろん新しい要素が随所に盛り込まれている。
まずでもって、本作の舞台は「シンオウ地方」と呼ばれるエリアだ。「ポケットモンスター 赤・緑・青・ピカチュウ・ファイアレッド・リーフグリーン」では「カントー地方」、「ポケットモンスター 金・銀・クリスタルバージョン」では「ジョウト地方」、「ポケットモンスター ルビー・サファイア・エメラルド」では「ホウエン地方」が舞台となっていた。本作のシンオウ地方は、まったく新しい土地だということになる。
土地も新しいので、当然、今までに見たことのないポケモンも数多く存在する。個人的にも、初めて「ポケットモンスター」をプレイしたときのようなドキドキ、ワクワクとした感覚を味わうことができた。そして前作で出会ったことのあるポケモンもグラフィックに変更が加えられていたり、登場時や戦闘時にいきいきと動くので、見た目にも新鮮で楽しい。新しいわざや新しいポケモンの進化も、相当数用意されているので、その全容を確かめるには、かなりの時間を要するだろう。まだ見ぬ謎に満ちたポケモンたちがニンテンドーDSのなかに眠っていることを考えたら、やはりワクワクしてしまう。
ニンテンドーDSならではの変更点といえば、やはりタッチスクリーンを駆使した操作方法だ。基本的な操作は各種ボタンのみで可能なのだが、戦闘時のコマンドなど、いくつかの操作に関しては下画面のタッチスクリーンでの操作を併用できる。これは実際にやってみると分かっていただけるかと思うが、わざわざタッチペンを持ち出すまでもなく、両手で本体を持った状態で親指で画面を押すのが、筆者のオススメ操作方法だ。
というのも、フィールド画面は上画面に設定されているので、移動は十字ボタンで操作する必要がある。またメニューを開くのはXボタンだし、Yボタンに“たいせつなもの”を登録して使うケースも多くあるのだ。そうなると、右手がボタンを押したり、タッチペンを出したりひっこめたり、という動きをするのは、あまり効率的ではない。かつ、右手のボタン操作だけで戦闘に臨む場合は、下画面にカーソルを出すために1度ボタンを押す、というワンクッションが入ってしまう。
というわけで(冒険を進めていくと、タッチペンを使ったほうがいいケースも存在するが)、個人的には両手で本体をがっちり持って通常はボタン操作しつつ、都合に合わせて指でタッチスクリーンを押す、というプレイスタイルを推奨したい。
ジョウト地方を舞台にしたゲームボーイ版ではポケギア、ホウエン地方を舞台にしたゲームボーイアドバンス版ではポケナビと、それぞれ主人公を助ける独特のどうぐがゲーム内に存在していた。本作でのそれがポケモンウォッチ、略して“ポケッチ”だ。
前述したように上画面がメイン画面となる本作において、フィールド画面などで活躍するのが下画面に常時表示されている「ポケモンウォッチ」(以下、ポケッチ)。「ポケッチ」はその名の通り時計なのだが、ただの時計にあらず。ゲーム内でポケッチアプリを追加することで、どんどん便利なグッズに進化していくのだ。最初はシンプルな機能しかないが、物語が進めば進むほど、手放せないグッズになる。そのアプリの数々をご紹介することはかなわないが、タッチスクリーンを活用した面白いものも含めてかなりの数のアプリが存在するので、期待していてほしい。
ただ残念なのが、「ポケッチ」そのもののインタフェースだ。画面右の赤いボタンを押すことでアプリを送り、自分の好きなアプリを表示させておくができる、という点はよいのだが、アプリが増えれば増えるほど、それを送る作業が大変になってくる。赤いボタンを素早く押すと、TVのチャンネルを操作しているように送ることもできるのだが、チャンネル番号のような表示が出るだけなので、こちらもいまひとつ分かりにくい。画面の端に一覧があってそこから選択できるようにするとか、もうひと工夫あればユーザーフレンドリーだったのに、と残念に思ってしまった。
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