「モナト エスプリ」は“ポスト・ラグナロクオンライン”を狙う:NeoWiz Japanインタビュー(1/2 ページ)
東京ゲームショウ2006の会場で、今後同社の主力タイトルとなるMMORPG「モナト エスプリ」に加えて、「EA SPORTS FIFA ONLINE」の一般公開についても発表したNeoWiz Japan。今後の展開についてゲーム事業部長であるイー・ギウォン氏、チームマネージャーのパク・ジェフン氏に話を聞いた。
東京ゲームショウ2006の会場で、今後同社の主力タイトルとなるMMORPG「モナト エスプリ」に加えて、「EA SPORTS FIFA ONLINE」の一般公開についても発表したNeoWiz Japan。国内でのオンラインゲーム事業の展開はかなり後発組に当たる同社だが、今後どのようにして日本のマーケットに食い込んでいくつもりなのか。2つの新タイトルの今後の展開を交えて同社のゲーム事業部長であるイー・ギウォン氏、チームマネージャーのパク・ジェフン氏の2人に話を聞いた。
――まず、NeoWiz Japanが本格的にゲームパブリッシャーとして活動してから5カ月ほどたちますが、ユーザーからの反応や手ごたえを、どう感じていらっしゃいますか?
イー・ギウォン氏(以下、敬称略) この5カ月間は単にタイトル数をそろえるのではなく、ゲームポータル事業とパブリッシング事業という2つの事業を大きくするための、下地を敷く期間でした。ゲームポータルサイトと「R2BEAT」というゲームを通して、ユーザーからの反響と市場動向を伺っていたと言いましょうか。東京ゲームショウでNeoWizの知名度を上げ、下半期は新タイトルをさらに提供していきたいです。
――その新タイトルというのが「モナト エスプリ」なわけですね?
イー モナト エスプリはまだ韓国でも未完成のタイトルですが、その世界観、グラフィックスは日本で間違いなく受け入れられると思っています。そもそも開発側も日本を意識して、日本向けに改善している所なんです。これに関しては弊社のチームマネージャーであるパクから、もっと詳しいお話ができるはずです。
パク・ジェフン氏(以下、敬称略) モナト エスプリには、大きく3つの特徴的なシステムがあります。「フォーチュンシステム」、「ハウジングシステム」、「ダンジョンメイキング」ですね。この3つは新規ユーザーの方に、いかに長くこのゲームと付き合ってもらうかを考えて用意したものです。多くのMMORPGでは、ゲームを始めたのはいいが、何をしたらよいのか目的が見えないという初心者の方も多いようですので。
例えばフォーチュンシステムは、誰とパーティを汲めば相性が良いのかといった情報がすぐ分かることで話しかけやすく、友達になりやすいシステムです。
そこから一歩進んだユーザーさんのためにあるのが「ハウジングシステム」でして、戦闘やクエストといった明確な目的以外の何かがしたい時、家を飾ったり友達を招待してただチャットを楽しんだり。気を休めるためのシステムですね。
3つ目のダンジョンメイキングは、自分から積極的にゲームの中で何かをしたいというユーザーのためにあるシステムです。ダンジョンを作って公開し、そこで遊ぶユーザーが満足してくれる。その姿を見てさらにモチベーションが上がるというわけです。
――今お話された3つのシステムが、日本ユーザーを対象とした工夫なんでしょうか。
パク 100%そうであるわけではありませんが、韓国のユーザーはレベルの高さや強さといった、競争部分に目的を求めがちなんです。一方で日本のユーザーは競争よりも協力を求めます。それがフォーチュンシステムやハウジングシステムにつながったとは言えますね。
また、一部のコアユーザーはすぐにゲームコンテンツを消費しきって、そして飽きて離れて行きがちです。それを解決するために、開発側がいつまでも一方的にコンテンツを与えるのではなく、ユーザーが作り出し、ユーザーが楽しむためのダンジョンメイキングがあるわけです。
――しかし「モナト エスプリ」の資料を見ると、第一印象としては既存のライトMMORPGと差別化しにくいようにも思います。この違いをどうユーザーに伝えて、プレイしてもらうことになるなのでしょう?
パク 実は今申し上げたようなコアユーザーを最初はターゲットにしています。そして彼らにほかのユーザーを牽引してもらおうと考えているんです。そのために、日本のクライアントには、国内で有名なイラストレーターやクリエイターのグラフィックなども起用し、まずはそのファン層にゲームを楽しんでもらう予定です。その後は口コミ効果を期待するわけです。
――日本バージョンのみのグラフィックスが用意されるとなると、韓国と日本のクライアントで差が出ることにならないのでしょうか。大きなアップデートを行った際に独自化が進みすぎると、何か問題点が発覚した際の修正パッチなどの対応が遅れると思うのですが。
パク 実は、開発元のガマソフトから開発者を数名日本に派遣してもらい、出張所のように常駐していただき、問題には即対応できる体制にします。会社の命運を「モナト エスプリ」に賭けている、と言ってもいいでしょう。
――そこまで力を入れている以上、日本市場での勝算はもちろんあるとお答えになるでしょうが、どの程度を考えているのかお聞きしてもよろしいですか?
パク ストレートに申し上げて他社のタイトル名を出してしまいますが、“ポスト・ラグナロクオンライン”を狙っています。
――なかなか最新情報が日本には聞こえてこない「ラグナロクオンライン II」(以下、ROII)が実装されたら、モナト エスプリは戦えますか?
パク それは結構手ごわい相手になりますね。ただ、「ROII」に関してはグラフィックスが分かっている程度で、ほとんど明らかにされていません。ですから我々は一歩先に、先ほど述べた特徴的な3つのシステムをアピールして、現在の「ラグナロクオンライン」ユーザー層を今のうちに取り込んでいくつもりです。
――ダンジョンメイキングシステムですが、これで作ったダンジョンは、誰でもプレイできるものになるのでしょうか。それともギルドやフレンドといった仲間うちだけに解放されるのですか?
パク ダンジョンにはPvPタイプ、争奪戦タイプ、探検タイプがあり、種類によって規模が異なります。一番大人数が参加できるのは争奪戦タイプですね。設置されたレアアイテムを巡って複数のギルドが入れるようになっています。
――ダンジョンは誰でも作れるんでしょうか。それともある程度の高レベルユーザー限定になりますか?
パク 誰でも作ることができると、それはダンジョンの乱立・質の低下を招きますので、ダンジョンが作れること自体が、ある種モナト エスプリの世界での上級ユーザーである証、とするつもりです。
――ちなみにゲームショウで展示されているデモ機とは、どこまでプレイできたのでしょうか。
パク 今はまだフォーチュンシステムが実装されている段階です。今後のβテスト開始に合わせてハウジングシステムを進める予定です。
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