小説を読み進むようにゲームの世界も広がっていく:「ロード・オブ・ザ・リング オンライン(仮)」インタビュー(2/2 ページ)
東京ゲームショウ2006のさくらインターネットブースで開催された発表会で紹介された「ロード・オブ・ザ・リング オンライン(仮)」。職業、クラスなどの大まかな内容は分かったが、いまひとつ不明な点も。そのあたりについて、Turbineの社長兼CEO ジェフ・アンダーソン氏とアートディレクターのヤミン・リー氏に話を聞いた。
――カンファレンスで発表された、生産スキルの項目は10種類でしたが、これも新たなNPCとの出会いや、ストーリーが進むに連れて増えていきますか?
アンダーソン スキル数だけでなくクラスも増えますし、1つ1つのスキルの“深さ”も当然変わっていきますよ。
――「ウルティマ オンライン」では1つのキャラクターに生産スキルだけを学ばせて、それでゲーム内での暮らしがまかなえていましたが、そういった遊び方はできるのでしょうか。
アンダーソン 私は以前Electronic Artsにいましたので、ウルティマ オンラインもプレイしていました。オンラインゲームにおいての生産活動というのは、単に戦うだけではない楽しみを与えてくれる重要な行為です。ただそれがゲーム内でうまく実現できたかどうかは、サービス開始後にぜひ私に教えてください。
――「Evil」(悪)の存在としてのロールプレイも可能ということですが、これはプレーヤーの行為によって悪の側へ少しずつポジションが変わっていくという意味でしょうか。それとも最初から邪悪な生き物としてのプレーヤーキャラクターを作成できるという意味でしょうか?
アンダーソン 通常は皆さん人間やエルフといった、ヒーロー側をプレイしたがります。モンスターを倒して、クエストをこなして成長して……というスタイルですね。「ロード・オブ・ザ・リング」では最初からモンスターとして誕生し、少し違った体験ができるようになっています。
――モンスターとして誕生した場合、成長するためにはやはりモンスターを倒すのでしょうか……?
アンダーソン モンスターとして始める場合、まず一番低級なモンスターから始まります。PK行為をしたり、“モンスターポイント”を貯めることで成長していきます。たとえばゴブリンからオークへといった順番で。モンスターキャラクターは特別なゾーンで活動し、モンスターのレベルによって活動できるゾーンも異なります。
リー モンスターとして活動する際には、成長するために善なるホビットを虐殺したりするわけです。
――まさに邪悪な側としての“ロールプレイ”が楽しめるんですね。
アンダーソン ええ、そのとおりです。
――最後にお聞きしたいのですが、J.R.R.トールキン氏が書いた「中つ国」の物語には終りがあります。しかしオンラインゲームというのは、そこにユーザーがいてくれる限り、決して終わらない世界です。原作の世界観、ストーリーをすべて消費しつくした後はどうなるのでしょう?
アンダーソン プレーヤーたちはマップの移動だけでなく、時空の移動も可能になっています。ですから同じシャイアでも、過去の世界・未来の世界があっても良いですし、指輪がフロドによって破壊された後の世界を描くことも可能です。
リー 世界観を深く掘り下げることは、いくらでも可能なのです。
――日本でのサービス展開への自信のほどは、いかがですか。
アンダーソン 自信はかなりありますし、成功は間違いありません。私たちはやるべき事を全てやってきましたし、常にベストをつくしました。過去に成功してきたタイトル、オンライン、パッケージゲームを問わず、そこで使われてきた技術やデザイン力、アイディアをすべて取り入れ作った作品です。もちろん「指輪物語」という著名な作品の持つブランド力もあります。そしてさくらインターネットというディストリビューターと組んだ以上、必ず成功します。
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