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「斬る」、「撃つ」、「タックル」の3拍子を楽しもう――やり込み重視の爽快アクションがPSPに見参「バウンティ・ハウンズ」レビュー(2/2 ページ)

東京ゲームショウ2005にて体験版が配付された後、約1年の沈黙を守り続けてきた本作。PSP用オリジナルアクションとしての完成度は果たして? その実力に迫ってみよう。

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使う武器で必殺技まで変わるんです

 主人公には「ライフ」のほかに、消費することでさまざまな特殊能力を使用できる「フォース」というゲージが用意されている。RPGでいうところの、MPのような存在だと考えると良いだろう。使用できるのは「フォースシールド」、「フォースインパクト」、「フォースチャージ」、「フォースフィールド」の4種類だ。

 フォースシールドはその名の通り、自身にシールドをまとう特殊能力。敵の攻撃を3回まで防ぐことができ、また使用中は移動速度が上昇する。こう聞くと使い勝手の良い能力に見えるが、シールド展開中は通常攻撃が行えないため、防御目的で使用する機会は少なくなってしまうだろう。

 フォースシールドの使用中に、攻撃ボタンを押すことで発動するフォースインパクト。これは必殺技のようなもので、フォースゲージを消費して、目前の敵に強力な攻撃をお見舞いする、非常に有効な特殊攻撃だ。発生する攻撃は使用する武器によって異なり、例えばソードの場合は周囲すべての敵にダメージを与える広範囲攻撃を出せる。少数の敵に対して大ダメージを与えるものなど、武器によって内容が大きく変わるため、どの局面でどの武器によるフォースインパクトを使用するかを考える、という戦略も楽しめるわけだ。

photo 大きな球体で被われるフォースシールド。敵の攻撃を受けると、フォースゲージが減少する仕掛けだ
photo これはスライサー系の武器で発動できるフォースインパクト。ソード同様、周囲すべてにダメージを与えられる
photo 発動してから一定時間後に、衛生軌道上から強力な攻撃をお見舞いするフォースインパクトもある。とにかく派手だ

photo 見た目は地味なフォースチャージ。絶え間ない連続攻撃を行う際に役立つ、縁の下の力持ち的な技だ

 フォースチャージは、シールド展開中に△ボタンで発動できる体当たり攻撃となる。威力は低いが、通常技を出し終わった後の硬直時間中にも出せるのが大きな特徴だ。つまり、連続攻撃同士をつなぐ役割のような技で、うまく活用すれば途切れることなく攻撃を繰り出せるようになる。活用するのは少々練習が必要だが、上級者には必須のテクニックと言えるし、何よりうまく使えた時の“俺ってゲームうまいじゃん!”的な自己陶酔感は、非常に気持ちが良いものだ。

自由度の高い成長要素は少々複雑かも

 最後の4つ目、フォースフィールドは特殊能力である「スキル」と密接な関係がある。主人公のレベルが上昇すると、修得できるスキルが増えていき、クレジット(ゲーム内通貨)を支払い修得する仕組みだ。

 スキルはかなりの数があり、ドーム型のフォースフィールド内でのみ有効になるフィールド系統、新たな必殺技や主人公の能力が上昇するセンシティブ、レーダー機能やフォースフィールドに新たな機能がつくアチューンと、大きく3系統に分類される。ちなみに、前述のフォースインパクトやフォースインパクトは、センシティブ扱いのスキルとなっている。

 フィールド系統のスキルは、△ボタンで展開できるフォースフィールド内にてのみ有効になるため、少し使い方にコツがいる。またフィールドスキルを使用するためには、あらかじめセットアップしておかなければならない。セットアップできるのは3つまで。数多くあるフィールドスキルの中から、“今回の出撃で使うのはこの3つ”とあらかじめ選んでおく必要があるわけだ。

photo 中に入ると健康に悪そうなドーム型の空間が、フォースフィールド。この中に居る時のみ、スキルの効果が発動する
photo スキルの中には、フィールドの中にいるETIの能力を下げるものもある。どの系統を使うかはプレーヤー次第だ

 また各スキルには「スキルレベル」が設定されており、キャラクターのレベルアップ時に得られるスキルポイントを割り振ることで、そのスキルのレベルを上げることができる。どのスキルを成長させていくかという戦略性が楽しめるのだ。

 一度割り振ったスキルレベルを、スキルポイントに戻すことも可能。割り振りに失敗したと思っても、新たにキャラクターを作り直す必要はないわけだ。ただしノーペナルティというわけではなく、スキルを解除する時にはクレジットが必要になる。よほどの失敗をしてしまったのならばともかく、そこまで気軽に何度もやり直して良いものではないだろう。

 主人公のレベルアップについても触れておこう。主人公には「VIT(ライフゲージに関係)」、「PSI(フォースゲージに関係)」、「STR(近接攻撃の威力に関係)」、「DEX(遠距離攻撃の威力に関係)」の、4つのパラメータがある。レベルアップ時には、いくつかのポイントを入手することができ、4つのパラメータに好きなように割り振って成長させていくシステムだ。

 フォーススキルと合わせて、プレーヤーの思い通りに成長させることができる、非常に自由度の高いシステムである。プレーヤーの個性を出せる成長システムなだけに、“体力と近接攻撃のメレースタイルでいくぜ!”とか“攻撃力だけを伸ばす漢(オトコ)スタイルでいく!”といったことも可能だ。

 ただし、レベルアップには注意点が2つある。ひとつは、パラメータを上昇させるのは、街に戻ってメディカル・センターにて行う必要があるということ。レベルが上がっても、ポイントを割り振るのを忘れていると、そのレベルに見合った能力を得られないため、忘れずに上昇させたい。

 もうひとつは、フォーススキルとは異なり、一度割り振ったらやり直しがきかないということだ。どのように割り振って良いのか悩む場合は、あえて割り振らずにゲームを進めるという選択肢もある。能力が低いため戦闘には苦労するが、納得できる成長の指針を見つけだしてから成長させられる、というメリットが存在すると考えるのが良いだろう。

同じ武具でもランダムで性能が変化する

 本作には非常に多くの武器が登場することは述べた。また武器に負けず劣らず、防具も膨大な数が登場する。ここでは、これら装備品の収集の楽しさについて語っていきたい。

photo 中央が埋め込んだモジュール。右上に書かれているのが武器の性能で、緑色の文字がモジュールによって追加された項目だ

 装備品は、街のショップにも売っているが、多くの場合は敵から戦利品として入手する。武器の種類自体が多数あるが、注目したいのは、ランダムで特殊能力が付与するということだ。特殊能力は、例えば武器には“ヒート属性ダメージを77追加”、防具には“レーザー属性の耐性を6%上昇”といった具合で付加される。例え強い武器を入手した後でも、良いパラメータが付加された同じ武器で戦い続けることができるわけだ。

 また、装備品には「モジュールスロット」がついていることもある。これは、耐性上昇やスキル上昇といった「モジュール」を組み込めるスロットのことで、モジュールも装備品と同様に、敵の戦利品として入手する。スロットがある装備品の場合は、そこにモジュールを組み込むことで、さらに強化することができる。お気に入りの武具をカスタマイズする楽しさもあるわけだ。

PSPとは思えない、完成度の高いアクションゲーム

 爽快(そうかい)感ある戦闘が楽しめ、またアイテム収集や自由度の高い育成要素、武具のカスタマイズなど、非常にやり応えのある本作。各マップは入るごとにランダムで生成され、またゲームクリア後も2周目、3周目で内容が少し変わるため、かなり長時間楽しめる内容となっている。

 ただ、不満点がないわけでもない。戦闘シーンは非常に多彩なアクションが楽しめるが、実のところボタン連打でもなんとかなってしまうため、プレーヤーによっては非常に単純と思えるかもしれない。また、細かいところだが、倒した敵から戦利品を取るボタンが「視点リセットボタン」と同じことも気になった。敵から戦利品を取ろうとして、視点がコロコロ変わってしまうことが多々あり、少々ストレスを感じた。

 ランダム要素があるアイテムやキャラクターなどの成長要素、複数プレイを前提に考えられたランダムマップなど、良作であることは間違いない本作。しっかりと作り込まれたアクションRPGに飢えている人というには、ぜひともオススメしたい作品だ。

バウンティ・ハウンズ
対応機種PSP
メーカーバンダイナムコゲームス
ジャンルアクション
発売日発売中
価格5040円(税込)
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