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“来るべき時が来た”――躍進のこれからにしたいガマニア

東京ゲームショウに4年ぶりの出展を果たしたガマニアデジタルエンターテインメントの偉い人、アルバート氏と浅井氏にインタビュー。今年末からタイトルを大量投入するワケは極めて単純だった。

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ガマニアデジタルエンターテインメントCEO、Albert Liu氏(右)とCOOの浅井清氏。なんか暗めな照明ですいません……

 今年、4年ぶりに東京ゲームショウに出展を果たしたガマニアデジタルエンターテインメントは、 MMORPGの「Bright Shadow」と「仙魔道 ONLINE」、ボードゲームの双六をオンラインゲーム化した「ネットdeすごろく す〜ぱぁ★リッチ」の3タイトルを国内初のプレイアブルとしてアピールした。

 台湾ではクローズドβテストを行っている「Bright Shadow」は、来年上半期に日本でのサービス化を目指しており、同じく「仙魔道 ONLINE」も台湾ではクローズドβテストを行っているところで、来年上半期には日本でのサービス化を予定している。「ネットdeすごろく す〜ぱぁ★リッチ」も、日本の市場の意見を入れつつ、年末から来年始めにはサービス化したいと考えている(ゲーム紹介はこちら)。

 ゲームショウでは映像出展という形をとった「ART OF WAR」と「星辰online」の2タイトルは、来年の下半期以降に日本で展開したいとのこと。

 今回、年に何度も日本と台湾を往復するガマニアデジタルエンターテインメントのCEO、Albert Liu氏(以下、アルバート氏)とガマニアデジタルエンターテインメントCOOの浅井清氏(以下、浅井氏)に今後の戦略などを聞いてみた。

 アルバート氏は今年のゲームショウなどを見渡してもオンラインゲームが活気づいていると、その状況を歓迎していると語る。浅井氏も韓国発のオンラインゲームが強い中、ガマニアとして出展することに不安もあったが、当日の集客数を振り返ってもどうやら杞憂だったと、ガマニアの注目度が高まっていると感じているという。

 オンラインゲームの日本でのマーケットは、ユーザー数も増え、成長のスピードも素晴らしいと分析する。「日本でもオンラインゲームをサービスしている会社も増えたし、コンシューマを今まで扱ってきたゲームメーカーも興味を持ち参入してきている。これは我々にとっては喜ばしい変化です。人数も増えているし供給者も増えているのですから。素晴らしいゲームを開発するノウハウのある国なので、これから成長するチャンスがあるのではないでしょうか?」(アルバート氏)

 アルバート氏は、今後もガマニアはオンラインゲームのサービスプロバイダーとして、Webサイト上で提供されるエンターテインメントを利用するためのポイントシステム“GASH”ですべてのサービスをつなげていくことを推進していくと再確認し、賞品のラインアップも多彩にし、日本のマーケットの多様化したニーズに答えていきたいと意気込みを語る。早くても1年後には日本に開発チームを作りたいとしている。これはガマニアとしての次なるステップとして予定されていることなのだとか。

 「4年前に『エターナルカオス』を日本でサービス展開した際は、当初予測していたようにはいかず、ギャップを感じました。徐々に日本の市場を知り、軌道修正をし、今に至っています。だから今は日本に進出した時よりも理解しているつもりだし、なによりも一番うれしいのは、ガマニアジャパンがノウハウもたまり、能力のある人材が集まりつつあるということです。だから将来の希望を抱けている」とアルバート氏。将来の希望を聞くと当然とばかりに「トップになることさ」とにこやかに答えてくれた。

 当初感じた日本市場でのギャップについて浅井氏は、「元々ファミコンから家庭用ゲーム機の市場が強いところで、あまりパソコンで遊ぶ習慣がなかったんです。そんな中とは言え、オンラインゲームが浸透し拡大していくと確信しているのに、どういう切り口で浸透させるかを模索しあぐねてました。最近はその施策もできつつあります。家庭用ゲーム機は次世代機などすべてネットワーク化を打ち出しています。我々にしてみれば、オンラインという流れにやっとコンシューマが追いついたといった感想です」と、この流れを歓迎している。

 将来的にはPCやコンシューマ含めてマルチプラットフォーム化していくだろうが、当面はオンラインゲームのビジネスモデル的制約もある中、フレキシブルに対応できるPCのほうが有利なのではないかと考えているのだ。

 「元々、韓国から入ってきたクライアントをタダで配り、接続料金で利益をあげようというのはコンシューマでは考えられないビジネスモデルだったわけです。最近はアイテム課金が主流になってきているが、これもPCだからこそできたことだし、オンラインゲームに関しては今後もしばらくはPC側がリードしていくのではないかと思っています。きっと、新しいビジネスモデルとして、思いもつかないものが出てくるという予感はしています。とはいえ、それもポイントになるのはユーザーのニーズにかなうものということ」(浅井氏)

 ユーザーの支持ありきの日本市場では、細かいところまでサポートするものであることが絶対条件ともなっている。日本のユーザーの多くはコンシューマのゲームで遊んでいるということもあり、サポートもサービスも充実していなくてはならない。2人とも日本のユーザーは目が肥えているので要求は厳しいと口をそろえる。だからこそ、開発の段階から日本のニーズに合わせているのだとか。押しつけるのではなく、積極的に日本に目を向け開発は行われているわけだ。

 今年末から来年にかけて大量にタイトルを投入するには意味がある。2002年にスタートしてガマニアの日本展開は、力を入れるタイミングが早かった印象がある。だからこそ、ようやく収穫期を迎えたオンラインゲーム市場での盛り上がりを逃さず、このタイミングでなるべく多くのタイトルを投入したいという戦略が見えてくる。

 彼らをして“来るべき時が来た”というわけだ。コンテンツも本社と協議しながら、日本を意識した開発を行う。だからこそ投入できるのだという。「現場のスタッフは困っているかもしれないね。たくさんあって」と笑いながら、自社の開発ラインの強靱さに確固たる自信をのぞかせていた。

 最後にアルバート氏は「ガマニアは日本の市場にいい作品を提供したいだけなんです。ユーザーのニーズに合わせて多様化した目的はひとつ。楽しさを提供したいんです」と、メッセージを送る。ユーザーに納得してもらえるものになれば、自然的にそこに落ち着くのは必然というわけだ。4年前と比べても技術も経験も蓄えたガマニアの躍進に注目したい。

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