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PS3でなくてはならない「THE EYE OF JUDGMENT」の真価(1/2 ページ)

次世代機が登場する際、それでなくては実現できなかった斬新なアイディアを持つタイトルが必ず登場する。本作はそんな期待も込められ、日本ゲーム大賞2006 フューチャー部門 優秀賞受賞タイトルの1つに選ばれた。

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「THE EYE OF JUDGEMENT」ディレクター・渡辺祐介氏

 先日行われた東京ゲームショウ会場において、「THE EYE OF JUDGEMENT」のディレクターを務めるソニー・コンピュータエンタテインメントの渡辺祐介氏にお話を伺う機会を得た。渡辺氏とは5月に北米・ロサンゼルスで行われたE3以来の邂逅である。あの時から格段に精度を上げ、ゲームとして構築していった本作開発の課程を聞くことができた。

 渡辺氏はE3で出展した際の緊張を口にする――「いつ止まるんじゃないか」と。当然開発途上のタイトルゆえ、その予感は度々訪れたという。しかし、東京ゲームショウバージョンではそのようなこともなく、一部仕様は除いて普通のゲームとして遊ぶことができた。


先月9月に千葉県・幕張メッセで開催された東京ゲームショウ2006では専用コーナーも設けられデモが行われ、実際に遊ぶこともできた

 次世代機というものが発表される度に、その機種でしか体現できたかった意欲作や代表作がその黎明期に誕生する。本作は確かにプレイステーション 3でしかなしえなかったタイトルとなっている。それは、東京ゲームショウ2006で発表された「日本ゲーム大賞2006 フューチャー部門 優秀賞受賞」という栄誉からもうかがい知れる。見た者にインパクトと興味を与えるゲームの新しい波を感じとってほしい。

「THE EYE OF JUDGEMENT」ってどんなゲーム?

 3×3の合計9マスの土地(盤面)にプレーヤーが互いにターンを重ねてリアルにカードを出し合い、先に5つの土地を支配した方が勝利となるというもの。カードは土地を支配し敵を攻撃するクリーチャーカードと、フィールドになんらかの効果を発動させるスペルカードの2種類あり、全部で100種類以上存在する。そのカードから30枚のデッキをあらかじめ組んでおき、自らの戦略で敵と対することになる。

 カードは、個々にステータス能力や攻撃可能エリアが決まっており、マナと呼ばれるエネルギーを消費して出し合う。マナが残っている間は行動可能だが、強力なカードはそれだけ高いマナを必要とする。クリーチャーカードには向きも重要な要素となっており、それぞれ有利不利が設定されている。これらの情報は新型のカメラを通して、カードに実際印刷されているサイバーコードで読み取る。フィールドに置いたクリーチャーの攻撃範囲に敵がいたり、もしくは有効なスペルカードを置いた場合、シームレスにバトル画面に移行し、設定されている攻撃や効果が実行される。

 クリーチャーに5つの属性(火、水、地、土、機械)があるように、土地にも同様の属性が割り当てられている。相性次第でクリーチャーはボーナスポイントやペナルティが課せられる。フィールドの属性は表裏2面が存在し、裏は相性の悪いものとなっている。スペルカードによってはフィールドをひっくり返すことができるものもあり、一発逆転を狙うことも可能だ。


―― 日本ゲーム大賞2006 フューチャー部門 優秀賞受賞おめでとうございます。

渡辺 ありがとうございます。急に言われてびっくりしたんですよ。多分、両極端だったと思うんです。まったく相手にされないか、あからさまに違うので注目されるか……。皆さんも知っている安心できる続編タイトルが多い中、新しいものを求める声もあったのかなと感じています。

―― 東京ゲームショウで実際に日本の皆さんに初お披露目できたと思うのですが、反応はいかがでしたか?

渡辺 印象的だったのはカードプロフィールモードで、カードのクリーチャーが飛び出る様を見た来場者が、大人でもみんなキラキラと子供の顔をしていたことですね。お子さんたちも龍が炎を吐くと、それに反応してのけぞったりと、今までになかったリアクションを見ることができたのは興味深かったですね。あとリピーターも多かったですね。

―― 既存のカードゲームファンの反応はいかがですか?

渡辺 当初いぶかしがる声もありましたが、体験していただいた方々からは高評価をいただいています。シンプルですがいくつもの戦略を立てられますから。実際、さまざまな質問をいただきましたが、言えないことなどもあって……。

―― 今回の東京ゲームショウバージョンでは製品版と比べてどこが違うのでしょうか?

渡辺 ネットワーク部分と認証周り、エラーチェック部分などですね。

―― ゲームショウではオンライン対戦もできましたが、プレイする際の流れを教えてください。

渡辺 ゲームショウでは時間を取るということもあり、事前にデッキを登録するフェーズを抜いています。自分のデッキと同じデジタルデッキをPS3上で組んで登録させ、本体側で管理します。これで捨てたカードを戻したり、デッキに組んでいないカードを混入させることを防ぎます。基本カードゲームなので、リアルカードを認証してほしいのですが、時間短縮としてデジタルにデッキを組めるようにもなっています。画面上でどのデッキにするかを選択するわけです。しかし、カードは必ず手元にないといけません。

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