日本の「ネオスチーム」はユーザーと作る:ネオスチームインタビュー(2/2 ページ)
魔法と機械が共存している、独特の世界観が魅力のMMORPG「ネオスチーム」。10月19日の正式サービス開始から早くも1カ月近くが経ち、ゲーム内容や開発チームの意識はどのように変わったのだろうか。プロダクトマネージャーのキム・ギュマン氏と、GMリーダーの樋川雄一氏に、本作の現状と今後の展望について聞いてみた。
待望の攻城戦は、ひと足先に韓国でまもなく実装
――ユーザーが本作で一番魅力を感じているのは、どういった部分なのでしょうか?
キム PvP(対人戦)がしっかりしていておもしろい、と感想をいただいています。レベルが40〜50ぐらいになると、上手くキャラクターを操作できるかどうかが勝敗に大きく関わってくるため、キャラクターの能力に依存しない戦闘が好評ですね。ただ、現時点ではRvR(攻城戦)が実装されていないので、「攻城戦を早く実装して!」という要望は多いです。
――キャラクターがかわいらしい「ネオスチーム」でPvPというのは、意外な感じがします。
キム 一見、PvPができるというイメージはありませんよね。プレーヤーの中には、ゲームを始めるまではPvPが楽しめることを知らなかった人も結構いたようです。PvPを試してみたら、予想よりもしっかりとしたシステムだったので、本作にハマった、という意見をたくさんいただきました。
――先日、新エリア「ロフアイル」が実装されました。このエリアでは攻城戦が行える予定ということですが、その攻城戦はいつ実装されるのでしょうか。
キム 大元の韓国では12月を予定していますが、日本での実装は未定です。日本の開発は、韓国から2〜3週間ほどタイムラグがあるので、それを基準にご想像ください(笑)
――現在の国の勢力バランスはどのようになっていますか?
樋川 人数は、神秘国家のほうが2〜3割多いですね。技術国家は、どちかというと少数精鋭となっています。
キム 韓国では、プレーヤー人数は神秘国家がかなり多いんですよ。そのため、攻城戦が実装されたらバランスはどうなるの? と、心配されているプレーヤーも多いです。日本では、上記のように国家ごとの人数はそれほどバラツキがなく、加えて技術国家のプレーヤーはやり込んでいる人が多いため、攻城戦が実装された場合、人数の神秘国家とテクニックの技術国家という感じで、勢力は拮抗するのでは、と予測しています。
――もしも国家間のバランスが崩れてしまったら、調整することはあるのですか?
キム 国家間のバランスは、調整しにくい部分ですね。GMが介入して、少しお手伝いするということはできるかもしれませんが、バランスを直接いじることは難しいと思います。
――新国家の実装はいつぐらいになりそうですか?
キム まず、攻城戦における2国家のバランスを取ってからになります。新国家ができると、既存国家から人が流れ込んだり、実装直後の人が少ない新国家が一方的に攻城戦でやられてしまうという事態も想定されるので、すべての問題がクリアできるタイミングで行いたいと考えています。また、新国家を追加するだけではつまらないので、何かしらの仕掛けを盛り込んで、楽しみながら勢力を大きくできるようにしたいと考えています。
おもしろい提案を待っています!
――話は変わりますが、人気のある種族はなんですか?
キム 一般的にはエルフが一番人気があると思われているようですね。私もそう予想していたのですが、実はポムのほうが多いかも? 本作は、メインのキャラクター1人を育てつつ、サブキャラクターも4人育てられるのが特徴ですが、みなさんだいたいエルフとポムを育てているようです。でも最近は、李さんの猛烈なプッシュによって、タルンの株が急上昇中です(笑)。公式ブログで李先生の連載があるんですが、そこで開発とプレーヤーのちょうど中間の立場からおもしろい提案をしていただいています。
――李さんの提案の中で、実際に取り組んだものはあるのですか?
キム 直接はありませんが、「キャラクターの性別を選びたい」というプレーヤーのみなさんからも多く寄せられた要望を実現すべく、韓国の開発チームに強くプッシュしています。李先生が描いたタルンの女性イラスト案は、開発チームも前向きに検討してくれています。
――ユーザーが、こういう要素を追加してほしいという要望をすれば、意見が採用されることもあるのですか?
キム さすがに全部は難しいと思いますが、実装して問題ない限りは考えていきたいと思います。実際、チャットシステムに関しては、変更の予定はまったくなかったのですが、日本では改良してほしいという要望がとても多かったため、大幅に変更しました。基本的に日本の「ネオスチーム」は、ユーザーのみなさんと一緒に作っていく、いうスタンスなので、そういった意見はどんどん出してほしいです。
――ネットワークゲームだと、常に新しい人を呼び込むということが大事になってくると思うのですが、どのような対策を考えていますか?
樋川 かなり細かく区切ったレベル帯ごとに、秘密のアイテムを配る予定です。初心者のかたは、まずはそれの獲得を目指してレベルを上げていってほしいですね。
キム 具体的なアイテム名は言えませんが、レベルを20ぐらいまで上げるときに、かなり役立つものです。すでにレベルの高い先行プレーヤーが、新規プレーヤーにとっての「遠い存在」ではなく、「目標」となってほしいため、ある程度テンポよくレベルアップできるようにしたいと考えています。
――PvPと攻城戦などプレーヤーを飽きさせない要素がありますが、これ以外に考えているものはありますか?
キム つい先日、パンダパークというテーマパークを実装したのですが、そこでは様々なミニゲームが楽しめます。1回の料金は100〜500ゴールドとお手ごろなので、低レベルでも気軽に遊べます。もちろん、景品も用意してあるので、ちょっとしたお金稼ぎも可能です。簡単に遊べるだけに、ハマると怖いかもしれません(笑)。
パンダパークとは
キム パンダパークは休戦地帯という設定で、どの国家からでも行けるので、不思議な空間かもしれないですね。本作では、国家が異なるプレーヤーとのチャットは、文字が変換されて読めないシステムです。これはパンダパークでも同じなのですが、パーティー名は自在に変えられるので、パーティー名をチャット機能として利用して、普段はコミュニケーションを行えない他国のプレーヤーと、交流できるかもしれません。これで、国家対抗戦をすると、よりアツくなれるんじゃないでしょうか。国家対決の次はPvPで勝負だ! っていうことにもなるかもしれない(笑) とにかく、プレーヤーの皆さんには楽しんでほしいですね。
――ミニゲームはいずれ増えることはあるのですか?
キム ミニゲームを増やすことは考えていません。ですが、日本に合わせたテーマパークを作りたいと考えていて、企画しているところです。日本の風景が感じられるもので、かつパンダパークのようにちょっとおかしな謎の空間にしたいですね。
――近々の予定を聞かせてください
キム ユーザーから報告されたバグなどの修正やバランスの調整、大幅なローカライズを行ったパッチを今週中にアップします。特に、生産関係は成功確率が低くてキツイという声が多かったので、少し成功しやすいように調整しました。細かいところはまだあるのですけど、パッチの内容は充実していると思います。日本のユーザーは、バグなどの報告に対しての対応の早さを重視するかたが多いので、こういったバグ修正は毎週やっていく予定です。ただし、アップデートの容量があまりにも大きいと、サーバーに負荷がかかりすぎてつながりにくくなり、ログインできなくなる可能性があるため、前もってこっそりとパッチを入れたりもします。でもそうすると、アップデートの告知があったのに、ダウンロード時間が短かいので、「これだけ?」とかえってユーザーに心配されたりするんですよね(笑)。
――では最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。
樋川 攻城戦の実装を、レベルを上げつつ待っていてください! 狩りに疲れたら、たまにパンダパークなどで遊んでもらって、国家対抗の知能戦を楽しんでくだい。また、日本独自のものを盛り込んだ様々な意見を開発チームに送っているので、アップデートの内容や早さに期待してください。
キム 攻城戦の開発は非常に順調で、近いうちに日本でも実装できると思います。もう少しだけお待ちください! また、攻城戦の実装までにも、いくつかのアップデートを予定しています。サンタを倒しながら(笑)、実装を楽しみに待っていてください。
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