あの名作が華麗に“りば〜す”――ラインをつなげて消しまくれ!:「音をつなごう!グンペイりば〜す♪」レビュー(3/3 ページ)
ニンテンドーDSで「音をつなごう!グンペイりば〜す♪」が発売された。かつてワンダースワンで好評を博した「GUNPEY」のシステムはそのままにボリュームアップ、おまけも大充実のパズルゲームだ。まぶたの裏にラインが焼きつくほどに、ハマってしまうかもしれないですよ。
ライン消しに熱中して疲れたら、おまけで癒されちゃいましょう
グンペイ本編だけでもたっぷりとモードが用意されている本作ではあるが、それ以外のおまけの部分も楽しさが詰まっている。それが「音のおもちゃばこ」と「ガンピーギャラリー」だ。
本作のタイトルに冠せられている“音をつなごう!”は、まさにこの「音のおもちゃばこ」あってのものである。プレイしたステージの曲を再生できるサウンドテストだけならば、そんじょそこらのゲームでも搭載しているものだが、オリジナルサウンドの作曲ができるとあっては、これはおまけを越えたおまけだと言っても過言ではないだろう。
「音のおもちゃばこ」で作れるのは、大きく分けて「サウンドセット」と「ピコピコセット」の2つだ。サウンドセットでは好きなジャンルの音楽を自由に組み合わせてセットすることができる。また、ピコピコセットではワンフレーズの間のメロディを自由に作ることが可能。タッチペンを駆使して感性のおもむくままに適当にサウンドをセットし適当に音階をいじるだけでもかなり面白いのだが、ちゃんとメロディを入力しようと思えば凝ったこともできる。サウンドセットで使えるジャンルなどは本編での進行度によって増えていくので、プレイのモチベーションにも貢献するはずだ。
「ガンピーギャラリー」は、本編のプレイを進行させることで入手できる「ガンピーのわざ」を見ることができるモード。ガンピーとは、本作のフィールド内に突如登場したり登場しなかったりする謎のドット絵キャラ。頭から毛が1本生えている(?)謎深きかわいらしいキャラだ。
ガンピーの動きを自由にレイアウトしたフィールドで確認することができるだけのモードだが、なにしろその「ガンピーのわざ」が100種類もある上に、かなりコミカルでいい意味でバカらしいので、もっと「ガンピーのわざ」を見たい!と思ってしまう人もいることと思う。「ガンピーのわざ」を入手するには本編の進行が不可欠なので、こちらも「音のおもちゃばこ」同様に本編のやり込みを促す効果があるだろう。
まぶたの裏にラインが見える――ハマりすぎにはご注意を!
おまけも含めたモードの豊富さについては評価したいが、何よりもまず「GUNPEY」という名作を“りば〜す”してくれたことに賛辞を述べたい。“音をつなごう!”という部分と本編そのものが密接にリンクしていない点などは気になるが、ワンダースワンが一線を退いている現在に、旬の携帯ゲーム機で蘇っただけでもうれしいことだし、タッチペンによる新操作も「GUNPEY」に新しい息吹を吹き込んでおり、新鮮に感じた。
通信関係でいくつか要望を述べさせてもらったが、筆者の個人的な要望をもう1つだけ言うと、せっかくニンテンドーDSで出すのだから、本体を縦に持つモードも搭載してほしかった。筆者のワンダースワン版「GUNPEY」の想い出を振り返れば、初めて携帯ゲーム機を縦に持って遊んだのが、このタイトルなのである。その新鮮なプレイ感覚は何とも独特なものだった。本体を縦にしてプレイするというアイデアは、ニンテンドーDSならば可能なはず。オリジナルにならって、ニンテンドーDS本体を縦に持って遊べるモードがあってもよかったんじゃないかと(と言っても、その場合タッチペン操作の方が有利になるだろうから、いろいろ縛りがあって不自由かもしれないが)夢想してしまうのだった。
そんな贅沢なお願いを思いついてしまうのも、元々のゲーム性が十分に魅力的だからであって、その根本の部分の継承はしっかりできていると言ってよい出来になっている。特に「エンドレス」をタッチペンでなくボタンでやっていると、筆者の脳からじゅわわっと何かが出てしまう。質の高い落ち物パズルにありがちな“目を閉じてもまぶたの裏にプレイ画面が見える”現象は本作でもちろん経験済み。電車の中でやり出せば、長い移動もあっという間だ。ただし、ハマりすぎで目的の駅を乗り過ごすようなことはないように、皆様には十分ご注意いただきたい。
(C)2006 NBGI
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