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パーツを集め、組み立て、いざバトル! そして戦いのあとは汚れをふいてピカピカに!「激闘! カスタムロボ」レビュー(2/2 ページ)

1999年に登場したシリーズ第1作から、ひそかな人気作としてNINTENDO64以降の任天堂ハードに欠かさず登場している「カスタムロボ」シリーズ。その最新作となるニンテンドーDS版が発売となった。低年齢層向けのイメージもあるが、中身はかなりしっかりした本格アクションゲームだ。

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回路全開! パーツを使いこなせ

 カスタムロボは、基本性能を決定する「ボディ(本体)」、最も基本的な火器である右腕装備の「ガン」、命中させにくいが高威力の左腕装備「ボム」、特殊な誘導弾などを発射する背面装備の「ポッド」、そして、移動やジャンプの性能を決定する「レッグ」の5種類のパーツによって構成される。これらのパーツは、特に使用に関する条件や制限などはなく、ショップで購入するなどして手に入れれば、カスタマイズを行う「ガレージ画面」ですぐに装備し、バトルで使用することができる。

 これらのパーツの性能には一長一短があるため、特定のパーツさえ付けていればOKということはない。対戦相手の特徴や舞台となるホロセウムの地形などを考慮し、その時々でより有利な戦いができるように、手持ちのパーツの中から組み合わせを選んでいくことが大事なのだ。

 とはいえ、バトルのたびに敵や地形に関して考察を巡らし、一からカスタマイズを行っていくのは面倒だし手間もかかる(もちろん、苦にならないのならばそれにこしたことはない)。そのため、普段は好みや得手不得手に従って、自分なりの基本パターンとなる組み合わせを決めておいて、あとは必要に応じて微調整を施すという形を取るのがいいだろう。その方が効率的な戦い方を習熟しやすいし、なにより“自分だけのロボ”に対して愛着がわくというものだ。

画像画像 カスタマイズなどを行うガレージ画面。「ジオラマ」を使えば、見た目を変化させることもできる
画像 武器パーツには、攻撃力、弾のはやさ、ホーミング、リロード、ダウンの5つの能力値がある

 では、それぞれのパーツについて具体的に説明しよう。まず右腕のガンは、おそらく最も使用頻度が高い、攻撃の基本となる武器だ。ほとんどのガンは1回の発射で複数の弾を連続して発射し、弾のスピードも早いため、敵に命中させやすい。まずはこのパーツを基準にして、自分なりの戦い方を作っていくのがオススメだ。

 なお、ガンを使う上で最も重要になってくるのが、そのガンが最も得意とする距離。これは大まかに分けて、強力だが有効射程が短い「近距離」タイプ、射程が長くホーミング性能にも優れた「遠距離」タイプ、その中間的な性能か、あるいはオールマイティに使える「中距離」タイプの3つがある。いくつかのガンを使ってみて、自分に一番しっくりくるものが決まったら、まずはその対応距離を確認し、そこから他のパーツを選ぶようにすれば、あれこれ迷わずにすむかもしれない。

画像 ボムなどの爆風に当たると、たとえ自分の撃ったものでもダメージを受ける。使い方には注意が必要だ

 「ボム」は、弾のスピードが遅くホーミングもほとんどしないが、威力が高いため、チャンスがあれば当てていきたい攻撃だ。相手の動きを読んだり、地形を利用するなどして狙っていくことになるだろう。また、ボムは大きな爆風を発生させるため、直接当てるのではなく、爆風で敵の動きを制限するという使用目的もある。どういう使い方をメインにしていくかは、やはり主武装であるガンとの相性によって決めるといい。

 「ポッド」は、一定時間フィールド内に留まって敵を追尾する特殊弾を打ち出す装備だ。弾の動きはパーツによってかなり個性があるため、「敵に接近するための布石にする」「接近してくる敵から逃げつつ少しずつダメージを与える」など、より明確な使用法を考えて使っていける。ただし、地形による影響を大きく受けるので、さまざまな状況に対応できるように、パーツの数を他よりも多めに用意しておくといいかもしれない。

 最後の「レッグ」は、かなり重要なパーツ。これによって、移動速度や空中ダッシュの距離、多段ジャンプの回数、着地時の隙の大きさなどが決まるためだ。ロボの移動性能は、他の3種のパーツに基づいた攻撃の組み立てにかなりの影響を与える。たとえば、地上戦を得意とするロボには、地上での移動速度の高いレッグが有効だし、逆に空中戦が得意なら、多段ジャンプの回数が増えるものや、ジャンプ後の隙が少ないレッグがいい。遠距離戦仕様のロボの場合は、一度の空中ダッシュでより遠くまで移動できるレッグが便利だろう。

画像 パーツショップでは、パーツの「ためしうち」ができるので、性能を確認してから購入できる

 もちろん、それぞれのパーツの個性は実にさまざまなので、一概に上に書いたようなパターンが当てはまるわけではない。いろいろなパーツを試して個性を見極め、「このパーツはあのパーツと相性がいいんじゃないか」とか、「このパーツは自分のバトルスタイルにとって有効だろうか」とか考え、試行錯誤しながらカスタマイズやバトルを重ねていくのが、このゲームの面白さなのだ。

指先には熱気を、マシンには愛を込めて

 さらに、このゲームのいいところは、バトルに必要なカスタマイズだけでなく、自分のロボへの愛着を増すためのシステムが用意されているところだ。「ジオラマ」と「メンテナンス」のふたつがそれ。

 ジオラマはその名の通り、自分のロボをいろいろな背景の中に置いて楽しむシステムだ。背景となるジオラマはゲーム中の専門店で販売されているので、それを購入して選択すると、ガレージ画面の背景がそのジオラマのものとなる。さらに、ロボを各部位ごとにタッチペンで動かし、細かくポーズを変えることができるので、そのジオラマに合ったポーズなどを考え、納得いくまでいじり倒そう。ジオラマ内のロボの配置もかなり自由になるので、同じオラマでもいろいろなシチュエーションを演出できて非常に楽しい。凝り始めると、バトルそっちのけで没頭してしまうほどだ。眺めて悦に入るという以外にほとんど意味の無いものだが、それだけにロボに対する思い入れを格段に増してくれるのが、このジオラマ作りなのだ。

画像 汚れを拭くためのクロス(布)にもグレードがあり、よいクロスならひどい汚れも簡単に落とせる

 もうひとつのメンテナンスは、バトルによってついたロボの汚れを布で拭き取ってピカピカに磨き上げるというもの。ロボの汚れがひどくなると性能が低下したりするので、バトルが終わったらすぐに汚れをチェックし、タッチペンを使ってきれいに拭いてやろう。このシステムもどちらかというと、実利よりもロボに愛を注ぐためのものではないだろうか。特に少女型のロボを磨いていると、いけない領域に入ってしまった気分を味わえることうけあいだ。

 そんなわけで、嫌が応にも自分のロボへの愛着が増していくこの「激闘! カスタムロボ」。カスタマイズして楽しく、バトルして楽しく、ジオラマに飾ってたのしいという、まさにバーチャルなホビーを楽しんでいる感覚が味わえるゲームだ。ロボのデザインなどは、人によって好き嫌いがあるかもしれないが、実際にプレイしてみると、案外その辺はあまり気にならなくなるのではないだろうか。とにかく、この手のロボットバトル系アクションが好きな人なら、しっかりハマれるゲームになっているはず。このシリーズに今まで触れたことがないという人にこそ、ぜひともプレイしてもらいたいところだ。

(C)2006 NOISE/Nintendo


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