「いっき」はもしかしたら、本当に“神ゲー”かもしれない:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(2/2 ページ)
Gyaoの番組に出演しました。懐かしのファミコンゲームを紹介するという企画だったんですが、番組内で取り上げたゲームは、かなりのバカゲーばかり。放送ではカットされましたが、実は「いっき」(サンソフト)もプレイしていたんです。
ブサイクランキング殿堂入り
3面は屋敷の塀を挟んでの攻防となり、4面で遂に屋敷の中に潜入。複雑にめぐらされた塀や、屋敷内の屏風をうまく利用して、敵の攻撃をかわすのだ。
だが敵も強力だ。まず悩まされるのが赤い忍者。何しろ速いのだ。こちらが気づく前に、いつの間にかやられていることも多い。
点滅しながら突然現れる忍者も怖い。点滅している間は無敵なのだ。この忍者が出てきたら、いつ手裏剣を投げるか、注意して見ていなくてはならない。
また、2面にいる鉄砲隊は、動かないから、ただの背景にしか見えない。鉄砲が狙っている方向に小判があるので、素早く取りに行く必要がある。
そして「いっき」の中でも特にキツい敵キャラクターが、妖怪と腰元である。
妖怪につかまると、鎌を投げられなくなってしまう。とりつかれている間は、忍者が来たら逃げるしかない。
しかも妖怪は、鎌でも竹ヤリでも倒せない。しかも塀をすり抜けられる。しかも権べ(田吾)がやられても、次の権べ(田吾)にとりついたままなのだ。
その妖怪よりも、ある意味恐ろしいのが、腰元である。
パッケージやROMカセットのイラストにも描かれているキャラクターだが、何というか、……いかりや長介さんと、車だん吉さんと、フットボールアワー岩尾さんを、足して3で割ったような顔をしている。
この腰元が、なぜか権べ(田吾)に恋をして、つかまえようと迫ってくるのだ。
腰元につかまると、しばらく動けなくなってしまう。鎌を投げて忍者を倒すことは可能だが、その前に手裏剣を投げられるとどうしようもない。
そしてこの腰元も、妖怪同様、不死身なのだ(まあ、妖怪みたいなもんだが)。
敵キャラクターはもう1人いる。諸悪の根源、悪代官だ。
悪代官自身は攻撃してこない。体当たりするとつかまえることができ、それでそのステージはクリアとなる。
……と書くと、このゲームの最終ボスみたいだが、なぜか悪代官は、代官屋敷の奥にいるとは限らない。普通に2面あたりをうろうろしてたりする。
しかも代官をつかまえた後も、なぜか権べ(田吾)は帰ろうとせず、屋敷のさらに奥へと入ってしまうのだ。代官よりも小判優先なのだろうか?
アクションゲームの転換期に発売されたのが不運
「いっき」にとって不運だったのは、ファミコン版が発売されたのが、「スーパーマリオブラザーズ」より後だったことだ。
「いっき」のファミコン版発売は、1985年11月28日。「スーパーマリオブラザーズ」は同年9月13日だ。2カ月以上後ではさすがに、全部で4ステージというのは“短い”と思われても仕方がないか。
しかし「いっき」は、面クリアーするゲームというよりも、ハイスコアを競うタイプのゲームといったほうがいいと思う。そう考えると、ステージが4つしかないのも、多少は納得できるのでは……。
だとすると、ストーリーもそれほど重要ではない。だから、道端に落ちている小判や、うろうろしている悪代官など、物語のつじつまが合わなくなることは承知の上で、得点を稼げるフィーチャーを増やしたのではないかと考えられる。
ボーナス点を得られる「チャレンジステージ」もその1つだ。フィールド上の煙を取ってステージクリアすると「チャレンジステージ」に突入。投げられたおにぎりを10個全部取ると高得点だ。
しばらくプレイしているうちに、わたしもだんだん「いっき」をおもしろいと思えるようになってきた。
なぜなのかはよくわからないが、多分、慣れたら慣れたなりにプレイしやすくなる難易度や、多少の不条理は笑って許せるような、ゆるい世界観がいいのだろう。
やっぱり「いっき」は、“神ゲー”なのかもしれない。
萌え要素を加えて今年復活!
「いっき」以外にも、「溜池Now」で取り上げるために、前もってプレイしたゲームがいくつかある。
その中で、バンゲリングベイ、ボコスカウォーズ、カラテカなどは、もしかしたら“神ゲー”かもしれないとわたしは思った。短い時間では理解しにくいが、深くやりこむとその魅力がわかってきそうな気がするのだ。
まだほかにも、昔ちょっとだけやって挫折したけれど、今またプレイしてみたら、違う視点から見られるゲームがありそうだ。これを機会に、ほったらかしにしていたゲームをもうちょっとやりこんでみたいと思う。
……もっとも、あまりに難しくて、昔より進めなくなってしまったゲームも数あるけれど。
今年、携帯電話(ソフトバンクモバイル、au)用アプリとして、「いっき萌バイル」がリリースされた。
「いっき」と比べると、手裏剣のスピードが遅くなっていたり、小判の位置が「ラリーX」のようなレーダーでわかるようになっていたりと、オリジナルの雰囲気を残しつつも、より遊びやすいゲームになっている。
ステージは全7面で、ゲームオーバーになってもコンティニューが可能。街へ行くと、集めた小判を支払うことで、ミニゲームが楽しめる。スロットや神経衰弱のほか、おにぎり取りも収録されている。
また、小判でトレーディングカードを買うこともできる。ゲーム本編は短いものの、このトレカをコンプリートさせたいがために、何度もプレイして小判を集めてしまうのだ。
……つーか、集めた小判を村の人々に渡さず、ギャンブルやトレカ収集に使ってしまうというのは、もう完全に「一揆」じゃないと思う。
でも、ストーリーのつじつまにこだわらない、そんなおおらかさが、いかにも「いっき」らしいと言えるだろう。
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