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さらに拡大するドラクエワールド――「ドラゴンクエストIX」をニンテンドーDSで発売「ドラゴンクエスト」生誕20周年記念新作発表会(2/2 ページ)

スクウェア・エニックスは、生誕20周年を迎えた「ドラゴンクエスト」シリーズの最新作「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」をニンテンドーDS用ソフトとして制作していることを発表。さらに拡大するドラクエワールドを紹介した。

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ナンバリングタイトルついに発表――それがニンテンドーDSでの「ドラゴンクエストIX」

 ここでやっとシリーズ最新作の発表となる。撮影禁止の映像が流されると、そこには雲間に漂う古城と、その城の最上部に繁茂する実をつけた巨木が現れ、「そして、ボクたちは天使と呼ばれていた」というキャッチコピーとともに、ドラゴンクエストのテーマ曲が会場を包み込んだ。

 そこには3Dで表現されたニンテンドーDS上で動き、剣を振りモンスターを倒すプレーヤーキャラの姿があった。プレーヤーキャラは持ち物や衣裳などを着替えることができ、最大4人まで仲間と協力プレイが可能となっている。モンスターがフィールド上を徘徊しており、そのまま戦闘へと移行する。アイテムなどもモンスターが落とす場合もあるが、宝箱に隠されていたりと、シリーズのお約束はしっかり踏襲している。

 発表会には「ドラゴンクエスト」シリーズの音楽を担当するすぎやまこういち氏のほか、開発を担当するレベルファイブ代表取締役社長の日野晃博氏が登壇。堀井氏と並び、鉄壁の布陣で臨むことを宣言した。もちろんキャラクターデザインは鳥山明氏が担当する。堀井氏は本作がニンテンドーDSで発売することについて「ネットワークに興味あったが、PCだとサーバの問題であったり、ユーザー環境であったりとまだまだ敷居が高いのは否めない。しかし、ニンテンドーDSであればすぐにそれが可能である」と理由を述べる。本作は1年近く、超極秘で製作されており、やっとこの場で話すことができると安堵しているのだとか。そして堀井氏は最後に20年間、主人公をとして遊んでもらったファンへ改めて感謝を述べた。

すぎやまこういち氏は、「ドラクエに出会ったことが音楽人生における一番のヒットなんじゃないかと思っている。死ぬまでドラクエの音楽を作っていこうと、今やライフワークになっています。とても楽しくやらせてもらっています。僕は“音楽業界でゲームに一番強い男であり、ゲーム業界で一番音楽に強い男”というタイトルを守っていきたいと思っています」と意気込みを語った
キャラクターデザインの鳥山明氏からは直筆のメッセージが届く。まさに現在、キャラクターデザインは佳境を迎えており、作業は順調に進んでいるのだとか。原点に立ち返る気持ちで、これぞゲームといえる新しいデザインを約束している
「ドラクエVIII」に引き続き開発を務めるレベルファイブの日野晃博氏。1ファンとして、IXを担当できうれしい。「VIII」は見た目が変わったのに対して、「IX」は内容の変化に重きを置いているとのこと。1人で遊んでもいいが、みんなで遊ぶとより面白くなるものになるという

4人協力プレイの様子。草Kさんも小学校の時から遊んでおり、夢や希望が詰まっていて、世代を超えて子供から大人まで一緒に楽しめるのが本作の魅力と、主人公に自分を投影し、友人との話題にもなっていたと当時のことを振り返った

 「ドラクエIX」は、2007年発売予定だが、すでに大まかなところが完成しているようで、実際特別ゲストであるSMAPの草K剛さんとともに4人対戦をデモプレイしてみたのだが、ちゃんと遊ぶことができていた。これには草Kさんも「もう完成してるんじゃないですか?」としきり。草Kさんを含めたSMAPは、「ドラゴンクエストVII」からテレビCMを担当しており、今回はファン代表として招かれた。こうした4人プレイの様子は「あーでもない、こーでもない」と勝手なことを話ながら行われ、その姿は実に楽しそうだった。

 デモプレイではそれぞれのキャラクターの職業が決まっているようで、戦士系に魔法使いがホイミを唱え回復してあげる姿も見られた。基本的にキャラクターデザインはドラゴンクエストIVのライアンやアリーナのような姿が見られたが、そのままそれを踏襲するとは限らないようだ。着替えシステムでは、タッチペンでダイレクトに操作することができ、フィールド上で獲得した「キングメタルのよろい」をすぐに装着することもその場で見せてくれた。

 市村氏は2007年の発売と宣言したからには、しっかりと期日を守ってユーザーの元に送り出したいとコメント。日野氏もネットワークゲームということと、携帯ゲーム機であることから新しいドラクエを提供することを約束してくれた。また、堀井氏をゲームの革命家であると賛辞を送るすぎやま氏は、過去「ポートピア殺人事件」でアドベンチャーを、「ドラクエ」でRPGの敷居を下げたように、今度はネットワークの敷居を低くしてくれるだろうとベタ誉め。だからこそ全力投球したいと豊富を述べた。

 それを受けた堀井氏も初心忘るるべからずと、納得できるものを作ることを約束して発表会を終えた。最後に挨拶に立ったスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏は、まず愛され続けて20年経ったのはファンのおかげと感謝。とはいえ今後10年、20年とさらに広がっていくために、頑張っていくつもりとコメント。

 「ドラクエの広がりも新しくさまざまな広がりを意識しています。ドラクエの当初からの思想ですが、少しでも多くのお客様に楽しんでもらいたいという気持ちから、いつも新しい挑戦をしています。いろんな冒険をしてほしいということで、今回はニンテンドーDSというプラットフォームを選択したわけです。ドラクエ生誕30周年を祝えるよう、今後ともよろしくお願いします」と締めくくった。


 その後、会場では来賓として招かれた任天堂代表取締役社長の岩田聡氏と和田氏による質疑応答が行われた。

 ニンテンドーDSで「ドラクエIX」が発売されることについて聞かれた岩田氏は、「携帯ゲーム機でドラゴンクエストの本編が発売されるいうことに感慨深い。歴史的流れからどうしても据え置き型がメインストリームで、携帯型はその端っこにあったが、ここ2年で状況は変わり、ゲーム業界の流れを見ても携帯型ゲームの市場の方が大きくなっている。そんな現在のライフスタイルの変化に対応したことは自然流れであり、そこにドラクエがあったということ」とコメント。

 和田氏も、「私たちが考えていることは、どうしたらゲームをする人が増えてくれるかということ」と、特に他意はないと説明する。あくまでも任天堂が提唱するゲーム人口拡大に賛同した結果とのこと。

 先ほどデモプレイで4人で遊ぶ姿を微笑ましく眺めていた岩田氏も、ニンテンドーDSだからこそああいう遊び方になったと、DSの持つ特性にうまくマッチした作品であることを強調した。「昨今はひとつのソフトでハードの売上げを引っ張るという流れではなく、たくさんのお客様に愛されたソフトとともに、その他のソフトがあってこそのヒットになると認識している」と、本作がさらなる牽引役となるかという点には言及しなかった。ただ、ドラクエIXがニンテンドーDSにとって大きなプラスであることはもちろん感じているとも。

 ニンテンドーDSは、今年12月の日本への出荷量を150万台としている。通常70万台であるから、倍以上だ。世界中で220万台毎月生産している中で、優先的に日本に割り当てし増やしているという。本作の発表を受けて、任天堂は来年中にも1台でも多くのニンテンドーDSの普及に努めていくとしている。


会場入るとすぐに全8作のパッケージイラストとロトの剣が出迎える。また、12月28日に発売予定のニンテンドーDS用ソフト「ドラゴンクエストモンスターズ ジョーカー」と、2007年春発売予定のWii用ソフト「ドラゴンクエストソード 仮面の女王と鏡の塔」の試遊台が展示

アーケード用カードゲーム機「ドラゴンクエスト モンスターバトルロード」も展示。使用予定のカードデザインと設定書などが展示されていた。2007年夏には全国のアミューズメント施設やデパート屋上などで展開されることになる
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