1チップMSX発売記念! 「ザナック」、「アレスタ」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)
1チップMSXがようやく発売された。それを記念して今回は、MSXでコナミとともに大きな存在感を示した、コンパイルのゲームを取り上げてみよう。ファミコンディスクシステムでも好評を博したシューティングゲーム「ザナック」と、そのシステムを受け継ぐ「アレスタ」だ。
一般販売が始まった1チップMSX
「1チップMSX」が遂に発売された。
以前「パロディウス」の回でも解説したが、MSXは1983年にスタートしたパソコンの統一規格だ。松下電器やソニーなど複数のメーカーから、MSX規格にのっとったパソコンが発売された。
1985年には、主にグラフィックを強化したMSX2規格のパソコンが作られるが、当時のPCではNECのPC-8801、PC-9801が強く、また家庭用ゲーム機ではファミコンが強かった。結局その二大勢力に押されてしまい、MSXハードの発売は、1991年のFS-A1GTが最後となってしまう。
しかし、その後もMSXのファンは、ゲームの開発やイベント開催などの活動を行なってきた。そのことが今回の1チップMSXの発売につながった。
なお、CESA(社団法人コンピュータエンターテインメント協会)の小冊子「テレビゲームのちょっといいおはなし・2」に、MSXの歴史が詳しく記されている。CESAのWebサイトから、PDFファイルで読むことができる。
1チップMSXが2005年に発表され、予約を受けつけていたときは、MSX1仕様で、ROMカートリッジスロットも1つだけだった。このときは、予約注文数が目標に達せず、いったん発売を断念している。
しかしその後、MSX2仕様にグレードアップ。スロットも2つに増え、同時に2本のROMカートリッジを入れられるようになった。これで、ゲームの経過を途中セーブできる「コナミの新10倍カートリッジ」が使える。
かつてのMSXにはなかった機能もある。SDカードスロットがついているし、映像出力もビデオ端子・S端子に加えて、VGA端子がある。将来の拡張用に、USB端子もついている。
MSXは、メーカーが供給を終了した後、ユーザーが独自に拡張を行なっていった。そうした動きも視野に入れ、MSXの時代にはなかった仕様も取り入れたという。
予約の受けつけはすでに終了したが、12月11日から、一般販売が始まっている。D4エンタープライズのWebサイトでの通販のほか、いくつかの店舗でも販売が行なわれるらしい。
さらに年末から年始にかけて、1チップMSX用ソフトが、「アミューズメントセンター」でダウンロード販売される。データをSDカードに記録することでプレイ可能だ。数十タイトルの供給が予定されているので、ROMを持っていない人でも、1チップMSXを十分楽しむことができるだろう。
1チップMSXの購入者は、ソフトを1本無料でダウンロードできるそうだ。また、1カ月の期間限定で、MSX2版「アレスタ」が、無料ダウンロードできる予定になっている。
AIといってもドラクエIVではない
「ザナック」はもともと、1986年、MSX1用に発売された、縦スクロールシューティングゲームだ。発売元はポニーキャニオンだが、開発したのはコンパイル。後に「ぷよぷよ」で有名になるコンパイルだが、それ以前は、この「ザナック」の成功により、シューティングゲームの開発メーカーとして、高い評価を得ていた。
「ザナック」最大の特長は、8種類の特殊弾が使えることだ。
最初から持っている「0番」のほかに、数字の書かれた地上物などを撃って、出てきたパワーチップを取ることで、1番から7番までの特殊弾を使用できる。
また、「AI(人工知能)搭載」とうたわれた、“自動難易度調整機能”(ALC)も、このゲームの大きな売りになっている。発射した弾数や、地上物の破壊状況などによって、敵の出現パターンが変わるため、毎回新たな感覚でプレイできるのだ。
MSX版「ザナック」は現在、D4エンタープライズが運営する「プロジェクトEGG」で、ダウンロード販売されている。
プロジェクトEGGは、往年のMSXやPC-8801、PC-9801などのゲームソフトを保存して、Windows上でプレイできるようにしたサイトで、1980年代のパソコンゲームがダウンロードできる。
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