1チップMSX発売記念! 「ザナック」、「アレスタ」:ゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(3/3 ページ)
1チップMSXがようやく発売された。それを記念して今回は、MSXでコナミとともに大きな存在感を示した、コンパイルのゲームを取り上げてみよう。ファミコンディスクシステムでも好評を博したシューティングゲーム「ザナック」と、そのシステムを受け継ぐ「アレスタ」だ。
アレスタにはパワーチップがいっぱい
「アレスタ」は「ザナック」同様、パワーチップを取って特殊弾を使うシステム。ただし、プレイしたときの感覚は、かなり違う。
その理由の1つは、パワーチップの数の違いにあると思う。「アレスタ」のパワーチップは、とにかく多いのだ。特に、通常弾用のパワーチップを持った敵が、しょっちゅう飛んでくる。
「アレスタ」では、パワーチップを取った直後に、自機が一瞬無敵になる。実は「ザナック」もそうなっているのだが、「アレスタ」の方がパワーチップが多いので、この無敵時間を、より有効に使いやすい。
特殊弾の種類もいくつか変更された。例えば2番は「ザナック」ではバリアだったが、「アレスタ」では、ため撃ちショットに変わった。ただし、ためている間は「ザナック」と同じ、前方バリアとなる。何発攻撃を受けても壊れないので、「ザナック」より使いやすい。
ほかにも、レーザー(3番)やワイドレーザー(8番)といった、強力な特殊弾が新登場。しかし一方、敵の方もステージ1から、堅い敵が画面を埋め尽くすほど出現するようになった。
その後、MSX2で「アレスタ2」が発売された。レイ・ワイゼンの娘、エリノアが主人公。オープニングで「エリノア・ワイゼン、発進します!」と声が出るのが印象的だった。
以降は外伝的な作品が続く。メガドライブでは、和風のモビルスーツが自機となった「武者アレスタ」(1990年、東亜プラン)。後にメガCDで「電忍アレスタ」という作品も出ている。
スーパーファミコンでは「スーパーアレスタ」(1992年、東宝)。ゲームギアでも「GGアレスタ」「GGアレスタII」が発売された。
生き続けているコンパイルとMSX
2001年には、プレイステーション用ソフト「ザナック×ザナック」が発売された。ファミコン版「ザナック」と、新作となる「ザナックNEO」が収録されている。
この時はすでにコンパイルが一度経営破綻した後で、「ぷよぷよ」の商標権がセガに売却されていた。だから「ザナック×ザナック」の発売は、原点に戻って出直しを図ったものといえよう。
残念ながら2003年、コンパイルは倒産してしまったが、いったんハードの供給がストップしても生き残ってきたMSXと同じように、コンパイルもまた、形を変えて生き続けている。
D4エンタープライズの「アミューズメントセンター」には、「コンパイルステーション」というコーナーが設けられている。
今のところは、プロジェクトEGGのソフトの中から、コンパイルの作品をピックアップして紹介しているだけだが、近い将来、新しいプロジェクトの立ち上げも予定されているらしい。
「魔導物語」の新作制作が検討されているほか、コンパイルの未発表作品復活、さらに「ぷよぷよ」のもみじまんじゅう「ぷよまん」の復活などが、計画されているそうだ。
なんだか、Jリーグで横浜フリューゲルスが消滅(横浜マリノスと合併)した後の、横浜FC設立を思い出した。
ちょうどコンパイルの和議申請と、横浜フリューゲルスの消滅決定は同じ1998年。横浜FCは今年J1昇格を決めた。コンパイルもMSXも横浜FCのように、今後も何らかの形で生き続けていってほしい。
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