ハンマーの前ではもはやメガ粒子砲は時代遅れの遺物!?――「SDガンダム スカッドハンマーズ」:+D GUNDAM その5――時代はやっぱりハンマーっスよ!(1/2 ページ)
今回は、次世代ゲーム機Wiiと同時発売されたタイトル「SDガンダム スカッドハンマーズ」をレビュー。劇中ではほとんどスポットが当たらなかったガンダムハンマーだが、このゲームではガンダムハンマーをはじめとした数々のハンマーこそが主役。思いっきりハンマー振り回しながら楽しんでみよう!
2006年12月2日、任天堂が世に送り出した次世代ゲーム機「Wii」とともに、Wii専用ガンダムゲーム第1弾として店頭に並んだ「SDガンダム スカッドハンマーズ」。Wiiリモコンでハンマーを振るという、これほどハードの特性とマッチした武器はガンダムシリーズのどこを探してもなく、SDガンダムのキャラ観にも合ったゲームコンセプトが大きな特徴だ。もちろん、ガンダムが使用する武器はハンマーのみで、ビームライフルやビームサーベルなどおなじみの武器は一切ナシ。ガンダムの開発計画書なんて関係ナシ。天才科学者テム・レイが生み出した最強のモビルスーツには、軟弱なビーム兵器など必要ないのだ!
本作は、主人公のアムロ……、というかガンダムというかハンマーというか、むしろアムロは被害者で本当の主人公はテムのような気もする感じで、あくまでも一年戦争に沿った形ながらも、テムとアムロ親子を中心としたオリジナルストーリーで物語は展開していく。また、最初からホワイトベースがホワイトベースではない形で登場し、戦いのなかでパーツを集め本来の姿に戻していくという目的もあるのだ。ホワイトベースがその形を取り戻していくごとに保持できるアイテム数やENが増えたり、テムが天才科学者としての才能を発揮したりしなかったり、どうしてもハンマーばかりに目がいってしまいがちだが、それだけで終わらないゲームシステムにも注目してほしい。
もちろん、シャア・アズナブル、ガルマ・ザビ、ランバ・ラルといったライバルキャラたちも登場。テムのような強烈なキャラに負けることなく、一年戦争の名場面を再現すべくガンダムとホワイトベースに戦いを挑んでくるぞ!
ハンマーだからこそ味わえる新鮮な爽快感!
本作には、ガンダムハンマーやハイパーハンマーなどお馴染みのハンマーに加え、ドリルハンマーやショックハンマーなど、大河原邦男氏がデザインしたゲームならではの12種類のハンマーが登場。Wiiリモコンを振ると、その振り方によって叩きつけやストレート、左右振り回しといったように攻撃のパターンも変わってくる。それに加えて、12種類それぞれのハンマーには特殊能力が備わっていて、磁石だったり相手を気絶させたりと本家のガンダムではまずありえない楽しい攻撃を繰り出せるのが最大の魅力だ。
まず、Wiiリモコンを振ると、画面上でガンダムがハンマーを振るといったように、感覚的にリンクするのがすごく新鮮で、冒頭には記述したようにガンダムハンマーというのはまさにWiiリモコンのためにあるような武器だと! 画面に写っている絵だけを見ると既存のコントローラで遊べてしまいそうな気がしてしまうが、プレイしてこそ感じるのは、Wiiリモコンだからこそ成り立つゲーム性だということ。このリンクするような感じによって、ある意味、ガンダムとの一体感のようなものが感じられるのだ。だからこそ、敵モビルスーツを攻撃した際にハンマーからWiiリモコンへあたかも感触が伝わるように、攻撃の爽快感が存分に味わえるのだろう。
これがたとえば、ビームサーベルが主戦武器だとしても同じように“振る”という攻撃が可能だ。しかし、本作に用意された12種類のハンマーのように、攻撃にユーモアが得られるかというとそうは思わない。まあ、ガンダムハンマーやハイパーハンマーに関しては攻撃はオーソドックスだけどね。それでも、ハイパーハンマーでストレート攻撃をした際のあの突き抜ける感触は大好きだ。
登場するユニットもなかなかツボを押さえていて、テレビ版に登場したものだけではなくデザートタイプのザクやトロピカルドムのように、MSVからもモビルスーツが参戦。また、ドムに施されたマーキングなどもなかなかのもので、SDながらユニットを見る楽しみ方も十分アリだろう。ジャブローにはアッグも登場し、ドリル攻撃に対応を誤るとこれがかなり痛い思いをしてしまう。見かけがあんな機体だけに、油断してかかるとドリルで転がされて返り討ちにあうこともあるから気が抜けない。こういう敵を相手にすると、ハンマーの間合いを考えないといけなかったり、攻撃も単純にハンマーを振り回すだけではなくなるので、緊張感も保ててゲームに集中できるというものだ。すべてがハンマーを振り回すだけだと疲れるだけだしね。
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