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手ごわすぎるぞ中学入試「平成教育委員会DS」レビュー(1/2 ページ)

受験をエンターテイメントにする画期的な切り口で、お茶の間の人気番組になったフジテレビの「平成教育委員会」。いつか参加してみたいと思っていたあなたに朗報が。ニンテンドーDSで大人も小学生も中学入試に挑戦だ!

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受験勉強の息抜きにピッタリ

画像 「こんなの小学生が解けるの?」という難問が続出! でも、頭の柔らかい小学生のほうが、意外とサラサラ解けてしまうものかもしれない

 1月の終わりから2月の頭にかけて私立中学の入試はピークを迎える。恐らく、小学生にとっては人生で一番最初にぶち当たる試練だろう。ぜひ頑張ってもらいたい。

 筆者の知り合いもかれこれ15年ほど前に中学受験をしたそうだ。入試直前は、ハチマキを巻いて壮行会で「頑張ろう!」とコールしたり、泊まりがけの勉強会に出たりと張りつめた空気でいっぱいだったとか。

 もちろん、合格するまではTVも一切禁止。ただ、唯一見るのを許された番組が「平成教育委員会」だった。友人曰く、「土曜の夜だけが息がつけた」。ちょっと切ない話だ……。

 「平成教育委員会」は、1991年にフジテレビ系列でスタートしたクイズバラエティ番組。先生役に北野武さん、学級委員長役に元フジテレビアナウンサーの逸見政孝さんを起用し、2人の息のあった掛け合いで番組開始当初から人気を集めた。画期的だったのが、実際の中学入試に出た問題をタレントが解くというスタイル。今でこそ“中学入試は手ごわい”というのが常識になっているが、その認識はこの番組が広めたといっても過言ではないだろう。小学生のために作られた問題に大人が悩み、苦しめられ、珍回答を連発する。その様子が面白かった。その後、1997年にレギュラー自体は終わってしまったが、今はスペシャル番組として改編期に放送されている。2年前からはユースケ・サンタマリア先生による兄弟番組「平成教育予備校」を経て、「熱血!平成教育学院」も始まり、こちらも好評だ。

完璧再現のボイスと効果音に感激!

 そんな歴史あるクイズ番組をゲームにしたのがこの「平成教育委員会DS」だ。収録問題数は2000問以上。これは、番組放映回数にするとなんと3年分以上というのだからスゴい。そのうえ、この手のゲームでもっともポイントとなる臨場感もよく出ている。淡々と入試問題ばかりが並んでいてもつまらない。まるで自分がTVに出演したかのような感覚が味わえてこそ、実名番組を冠したクイズゲームは価値がある。そういう意味でグッとくるのが、「平成教育委員会」のマスコット、勉強小僧のボイスがバッチリ収録されている点だ。

 「1時間目、国語〜!」、「考え中、考え中」、「○○くんの答え!」、「よくできました! 正解者に拍手!」、「ちがうよ!」。耳に残るあの独特の声を聞くと、否が応でも気合いが入る。テスト問題を解いているときの曲(「スーパーマリオ」の地下のBGM)もそのまま。模擬テストをクリアするとおなじみのエンディング曲「こども天国」まで流れるのだ。

 サウンド以外も、授業前の先生の挨拶や、例題でのタレントさんの珍回答も本家のノリと同じ。たとえば……。

例題:次のそれぞれを何と言いますか?

1-熱がものを伝わって移る。金属などの固体の熱の移り方。

2-あたたまった液体や気体が動く。液体や気体の熱の移り方。

3-熱が空間を通り過ぎて直接伝わる。太陽などの熱の移り方。

(小学校教科書より)


 答えは「1、伝導 2、対流 3、放射」だが、ここでイラストのダンカン君が登場する。

勉強小僧「ダンカン君の答え〜」

答え「1、じんわり 2、じわじわ 3、むんむん」


 すかさず突っ込む北野武先生。「あのな、大人ならもう少しまともに書けないか」。「でも、それぞれの状態を的確に表していませんか」とダンカン君も反論する……。こうした演出も番組ファンにはうれしい。

 武先生のツッコミではないが、TVの前で気楽に見ていると、「なんでこんなのが解けないのかな?」と思うことが多い。でも、実際に制限時間つきで自分が真剣に解く段になるとかなり焦る。頭が真っ白になって、何も書けずに終わってしまうこともしょっちゅうだ。たとえ間違っていても面白い回答を披露する芸人さんはスゴいなと思った。

画像 一度聞いたら忘れられない勉強小僧の声をそのまま収録。考えるときの音楽も番組で使われているもの。「考え中」の声が気になって答えられない?
画像画像画像 授業中、時たま例題が発生し、北野武先生とたけし軍団のかけあいが見られる。そんなに頻繁に挟まるわけではないので、いいアクセントになっている

脳を鍛える感覚で受験問題にチャレンジ

 本作の解答方法は、タッチスクリーンに直接文字を書く「脳を鍛える大人のDSトレーニング」でもおなじみの方式だ。直観的でわかりやすく、誰でもすぐに遊べるのが長所といえるだろう。ただし、文字の確定を1文字ずつしていくスタイルなので、あわてると混乱してしまうかもしれない。たとえば答えが「高知県」なら、「高」を書いて「確定」、「知」を書いて「確定」、「県」を書いて「確定」といった具合だ。数字の場合も同様。答えが「130」なら「1」、「3」、「0」とひとつずつ確定させる。一気に「130」と書いても認識しないので、注意してほしい。

 国語の漢字問題や算数の文章題などで、どうしてもメモがほしいときには、画面の右上にある「MEMO」ボタンにタッチしよう。下画面が、書いたり消したり自在にできるメモ画面になる。

 メインの授業モードは1回10〜15分ほど。「脳トレ」のような感覚で毎日授業をこなせば、固くなった頭も柔らかくなること請け合い。頭の回転が鈍ったなあという社会人や、受験を控えた小学生にもオススメだ。親子で一緒に挑戦しても楽しいと思う。

画像 答えを入力する場面。答えを書いて「文字確定」のボタンを押すと、ソフトが認識した文字が表示される。それでよければ「決定」ボタンを押そう
画像 時には選択肢問題もあり。○×や3択問題、複数の選択肢から該当するすべての答えを選ぶ多答問題などバラエティ豊富
画像 授業後には成績が発表される。1回の授業の問題数は、7〜10問ほどだが、満点を取るのは難しい……
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